(650)山行(さんこう)のシチュー | ||||
三太― 「マスク緩和」だと。 アルフレッド、ノーマスクで銀ブラしたのか?(※1) アルフレッド― 若い親族です、銀座のデパートで看板獣をつとめています。 僕ら、もともと、マスクはいりません。生身ではないので。 女将さん、前号で、イッパイアッテナはなぜ給食のシチューの日がわかるのか、って クイズでおしまいにしたから、読者さんたち、フラストレーションに陥ってますよ。 ルドルフの本を探しに図書館へ行けるひとばかりじゃないんです。 答えは? 三太― イッパイアッテナは、給食室の黒板に書いてある献立を読んでるから。(※2) イッパイアッテナは、ひとの文字を読めるし、書ける。 字を読めるといいことがある、って知ったルドルフは、イッパイアッテナに弟子入りして夏休み中、猛特訓した。 女将― 杉浦範茂さんの挿絵は、ちょっと古い。調理員が「給食のおばさん」って呼ばれて、 かっぽう着かけてた頃(※3)。 いまどきの給食室では、厳重な身支度して働いてる(※4、図)。 衛生管理上、猫は近寄らせてもらえないんじゃないかな。 アルフレッド― ルドルフとイッパイアッテナが通っていた1986年ころ、 「学校給食の野菜の三種の神器といえば、じゃがいも、玉ネギ、ニンジン」(※5) だったそうです。 女将― シチューの具は、じゃがいも、玉ネギ、ニンジン、と肉。 シチューもカレーも、ハヤシも、具はおんなじ。「カレーシチュー」(※6)という献立もある。 カレーのルーは、商品を溶かすだけが当たり前になってたけど、 今も、調理員さんが大鍋を大きなへらで、カレー粉、バター、サラダ油をかき回す【手づくり】(※7)で頑張ってる給食室もあるんだって… アルフレッド― 頭がこんぐらかってきた女将さん、濃密さんにお伺い立てました。(※8) 濃密― 考えることなんかないわよ。 昔、山へ行ったときだって、おんなじ具で、ルーだけ違えて、 「カレー・ハヤシ・シチュー・カレー・ハヤシ・シチュー…」 肉ったって、「魚肉ソーセージ」ばっかり。 おかげで、いまだに、魚肉ソーセージ、食べる気にならない。 女将も仲間たちも、一斉にうなずいた。
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(649)給食のシチュー | |
アルフレッド― 女将さん、何、一生懸命見てるんです? 女将― 調布三小の給食の写真(※1)。毎日日替わりで次から次へと、いろんな料理が出てくるんで… あ、3月14日は「ホワイトデー」献立だからって、「ホワイトシチュー」なんだ。 「ホワイトシチュー、いちごパンケーキ、水菜と大根のハリハリサラダ」 一か月前の「バレンタイン」献立では「ガトーショコラ」が出た、 私もいまどきの小学生になりたい… アルフレッドー 2021年3月、6年2組ではクリームシチューがおかず部門第2位の人気だったそうです。 『なつかしの学校給食』に集まったみなさんのウンチクによれば、昭和43年(1968)から56年(1981)の間に、 「ホワイトシチュー」から「クリームシチュー」さらに「クリーム煮」へとネーミングの変遷がたどれるそうです(※2)。 女将― シチューの材料の基本は、肉、じゃがいも、にんじん、玉ねぎ。 『なつかしの学校給食』諸君は「材料では、牛→豚→ベーコンとなって、予想されるのとは逆の展開になっている。」と言ってるけど、 現在の調布三小では「鶏もも肉」。 三太― 黒猫ルドルフは岐阜の子猫だった頃から、クリームシチューが大好物だ。(※3) 野良になって巡回していく先々で、いろいろくれるんだが、猫の好物は魚だと決め込んでて、肉は滅多にくれない。 けど、ルドルフに言わせりゃ、猫はもともと肉食だ。小学校の給食のシチューは、肉が食べられる貴重な機会。 ルドルフが、初めてイッパイアッテナの後について給食室に近寄って行った日、おばさん二人が言った― 「ほうら、きた。シチューの日には、いつもくるんだから。」 「なんで、きょうがシチューだってわかるのかね。」 「ふしぎだねえ。」 アルフレッド― なぜ、イッパイアッテナは、今日がシチューだって、わかるんです? ※1 東京都調布市立第三小学校 「給食一口メモ」 |
(648)ひなまつり | ||||||||||
アルフレッド― 女将さん、何始めたんです? 女将― 弥生三月だから、おひなさまを飾る。 「われもこー」さんから手作りのおひなさま頂いたから、うちで咲いた花といっしょに。 三太― 超ミニのおひなさまだ。うちの桃はまだ咲いてないから花は梅。 おら、花より団子、お供えが気になる。 アルフレッドー そのお盆は女将さんが作ったんですか? 女将― じゃなくて、近くの小学校の給食の、「桃の節句」メニュー(※Ⅰ)。 『給食アンサンブル』って本(※2)読んだら、いまどきの中学校のいろんなメニューが並んでた。 で、ためしに小学校のホームページを見てみた。 今年の3月の献立はまだ載ってないので、去年の3月3日を見たら、 「今日の献立は、ちらし寿司、とり天、菜の花のお浸し、すまし汁、ひなあられ、牛乳です。」 アルフレッドー ほおー、日本の小学生は学校でけっこうなご馳走を食べるんですね。 女将― そう、いまどきの小学生はね。 給食の思い出を尋ねると、盛り上がってとどまるところを知らない、体験談をまとめればすぐ何冊もの本になる(※3)。 「学校給食=コッペパン+脱脂粉乳」と思い込んでる祖父母世代には、 いまどきの、「米飯+おかず+汁+牛乳、さらにデザート」、なんて、まるで別世界よね。 ※1 東京都調布市立第三小学校 「給食一口メモ」
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(647)黒猫神出鬼没 | |||||||
アルフレッド― 三太君、年賀状机上展覧会に、「今年も「干支」を超越してやってきた猫諸君(※1)。」と言いました。 三太― 「新宿のももちゃん」は、2020年に「猫派代表」として登場してもらっていた、「新宿のももちゃん」の長寿と健康に乾杯! 猫のコマル君のおふくろさん― ベトナムではウサギのかわりに猫が十二支に入っています。 アルフレッド― シルエットでしょうか、真っ黒です。 女将さん、黒猫のノア、どうしたんでしょうね? 女将― 去年、12月の初めに、ストーブの準備してるとき姿を見せたっきり。 9月から11月まで、ちょっきり3か月間、来てたのが、ピタッと来なくなって…(※2) 三太― ちょうど同じ12月初め、2軒先のおうちのフェンスに「尋ね猫」の張り紙。 うちの界隈の黒猫が一斉にいなくなっちゃったらしい… 女将― 図書館でジロちゃんに聞いたら、「クロ」を連れてきてくれた。(※3) 三太― クロは、唐の都会・蘇州で生まれた猫。「全身はつやのあるまっ黒な毛でおおわれていて、日の光の下でキラキラとかがやく」 クロは、体が特に大きいとか体力抜群というわけではないけど、兵法を知っていた。次々に現れる挑戦者との戦いに勝ち抜いて、蘇州の『猫の王』になった。 ようやく手に入れた「ぐうたら生活」を楽しんで眠りこけていたところを、商人につかまり、船で倭国へ拉致されてきたんだと。 女将‐ じゃあ、蘇州の人びとが「黒珠(ヘイズウ)」と呼んでいた黒猫はいなくなっちゃったわけね。 でも、倭国の都で貧乏皇子に「クロ(玄)」と呼ばれて暮らしてた、と。 ノアも、どこかのお宅であったかく過ごしてるといいんだけど…
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(646)干支引き継ぎ式 | |||||||||||||
アルフレッド― 女将さん、恒例の年賀状机上展覧会をやらないうちに2月になりました。 女将― やりましょう、お年玉も尽きたようだし。 三太― ウサギたち、去年は恐ろしいトラから、知恵をしぼってのがれてきた。(1) 早くウサギ年になりますように、って、年賀状をがんばって投函した。(2) 昔は大晦日は借金返済の日だった。いつの世もカネは必要だ、金運祈願。(3) 元旦、トラたちから、「干支引き継ぎ式」(4)。 我が世の春を祝う新年会には、おしゃれして来るウサギ(5)、ダンスを披露するウサギ(6)、 アラビアから跳んでくるウサギ(7)。 政府が何といおうと、コロナは不安だからマスクを外さない慎重派(8)。 今年も「干支」を超越してやってきた猫諸君(9)。 おかあ― 干支人形を一巡しちゃった調布のデコちゃん、ことしはどうするのかな? アルフレッド― なんと、象さんが来ました!(10)
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(645)お年玉(その三) | |
アルフレッド― 女将さん、今年のお正月は、いままでになく、本とか冊子をいただきますね。 女将― う~ん、去年から、一冊でも減らそう、って「断捨離」に励んでるんだけど アルフレッド― まだまだ勉強しなさい、って、年上・年下の諸先輩からの「お年玉」だと思います。 三太― おかあ逃げ出して、門の前で、お店屋さんごっこ始めた。 「どうぞお持ちください」って、絵本とかぬいぐるみとかおもちゃを並べる。 お隣のお隣のオトーサンが通りかかって、 「お正月セールですか」 って言ってくれた。 おかあ― 「断捨離」とか「廃棄」とかより、「お年玉をさしあげます」というほうが、気持ちが明るくっていい。 一週間、毎日、朝8時前に開店して、夕方5時半ころ、暗くなって閉店。 三太― 新しい家へ〔移住〕していった諸君を紹介して、はなむけとしよう。 まっさきに貰われていったのは、五十音の積み木。 ボールが3個、文字通りの「お年玉」。 ミニミニ熊さん10匹入りの袋やトミカ、小さなものは連れて行きやすいらしい。 小型のイノシシ、ひょうきんなサル、ラスカル。 猫のヤーコプは、すてきな世界から王国へ移住だ。 これから学問する幼犬は貰われやすい。 おちゃめな犬ベンジーはさっさと船出して行った。 大型の哲学犬デイドさんは、敬遠されるかと思ったけど、レトリバー好きだか、チョコレート好きだかが、連れて行った。 パンダは、2002年の春節(旧正月)に台湾からむらき家へ来て20年。中国服で盛装していたから、今年の春節は新しい家族と祝っていることだろう。 キツネ体質の瞬太は、コロナで3年、王子狐の行列に参加できずに寝てたけど、きっと、王子稲荷で初午を迎える準備をしているだろう、 今年の初午は2月5日、二の午は2月17日だ。 みんなの新しいうちでの幸せを祈る、『みんなありがとう』。 ※もらわれていった「お年玉」の一部です。
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(644)お年玉(その二) | |
アルフレッド― 女将さん、民俗学のITA先生から、メールでお年玉いただきました。 三太― 疱瘡・コロナに関するITA先生の論文だ。 おかあ、26年前に書いた文章だの、伝染病に関する知識だの、ひっぱりだして、感想文をでっちあげて提出した、小論文。 (写真は「疱瘡送りの藁馬」※1) なんと、折り返し、ITA先生からメール。 こんだ、境界策定に関する伝説「行逢裁面(ゆきあいざいめん)」がテーマだ。 ITA先生自身、これはウクライナ侵攻以前に書いたものです、って断ってあるけど… おかあ、お年玉を連投されて、立ち往生してる。 アルフレッド― 女将さん、ITA先生のゼミ生になったんですか? 在宅で無料で指導していただけるとは、ありがたいことです。 前号で女将さんが投げた「お年玉」(※2)にも、ボールが返ってきました。 共働き主婦の「異議申し立て」を読んで、あきる野のど根性フラワー ― 私は完全な専業主婦でしたが、子育てが始まると同時に、 子ども文庫や保育付きの公民館活動などで遊ばせてもらっていました。 そんな当時の自分自身を、あ、そうか私って、大人との会話に飢えていたんだなーと むらきさんの、子育ての修羅場だからこそという文を読んで腑に落ちました。そうだったんですね~。 ありがとう! アルフレッド― 女将さん、紙の年賀状には、日本の徴兵制のことを書きました。 女将― 若い頃、親たちの戦争体験をたどって、男女それぞれの人生が、徴兵制に縛られ、翻弄されたことを学んできた。 自分の世代が「徴兵制のない人生」をあたりまえと思って生きていることに気づいて、以来、子の世代、そして孫の世代… ずっと、徴兵制に縛られないで生きていかれるよう願ってきた。 「徴兵は命かけても阻むべし母・祖母・おみな牢(ろう)に満つるとも」 1978年に石井百代さんのこの歌を知ったとき、自分には牢に入る度胸があるだろうか、と自問もしてきた。 アルフレッド― どんな年表にも教科書にも、「徴兵制が始まった年」は書いてありますが、「徴兵制が廃止された年」が何年かは、書いてありません。 女将― 「戦争が終ったのだから、徴兵制度もなくなったのだ」と漠然と思ってた。 でも、トシをへて、原発も道路計画もオリンピックも、国の計画・制度は「廃止」という手続きを踏まない限り、なくならないんだ、ってわかってきた。 「徴兵制」も1945年8月15日に自然消滅したのではなくて、1945年11月16日の勅令で「廃止」されるまで存在してたんだ。(※3) インドネシアのSさん― 1945年は戦争反対の日本人には平和の幕開けと受け取られているようですが、それはアメリカが力ずくで作り上げた一つの「現状」でもあると思います。 その現状とは「対米従属」のもとで平和と繁栄を享受するものであり、さほど不都合だとは受け止めていないのでしょう。 つまり、戦争とは平和な現状を破壊することなので、不都合なのではないでしょうか。 でも、1945年に始まった「アメリカの力による「平和」という現状」は、アジアの他の国々の人々にとっては、必死に守らなければならないものとは限らないでしょう。 具体的にいうと、南北朝鮮と台湾海峡を挟んで対峙する二つの中国政権にとって、平和とは自分にとって不都合な現状の維持となりますね。 アメリカの国力が低下することにより、これまで不都合な現状を強いられてきた各地の勢力が異議申し立てをしはじめ、彼らに、既得権益層が「好戦的」だとのレッテルを貼っている、と私は受け止めていますが。 オランダの植民地とされていたインドネシアは、第二次世界大戦中は日本に支配され、日本の敗戦後も旧宗主国オランダとの独立戦争を戦わなければなりませんでした。 インドネシアでは近年、経済成長が著しく富裕層が増えている一方、貧富の格差も拡大し続けている(日本と同じように、多くの「識者」がそれを容認している)。キリスト教の教会や仏教寺院(華人=富の象徴)が襲撃の対象となるケースが増えています。マイノリティに対する迫害というより、民主主義・自由と能力主義・多様性の尊重はマジョリティに属する人々にとって非常に不都合だと感じているためだと思います。 三太― 厳しい指摘を受けて、おかあ、粛然としている。
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(643) お年玉 | |
三太― 昨年末、「クリスマス・プレゼント」をくれた「お話を聞いてくれるサンタさん」が、『歩く見る聞く』というメール通信におかあを紹介してくれた。(※1) それを読んだ人たちから、「むらき数子 情報ファイル」を読んでみたい、ってえリクエストをもらった。 アルフレッド― 女将さん、すてきなお年玉をいただきましたね。 三太― 「お話を聞いてくれるサンタさん」の最初の原稿には 「子育ての手間が軽くなって勉強を始めた」ってあった。 おかあ、異議申し立てした。 おかあ(=女将)― 子どもに手がかからなくなったから勉強を始めたんじゃないんです。 職場と保育所と家庭の三角を回る自転車操業の真っただ中で勉強を始めたんでした。 「M字カーブ」の底が最も深くなった「専業主婦の時代」。 保育所に預けて働き続ける暮らしは、夫・父親不在があたりまえの「ワンオペ育児」、夫との会話もなく、目の前のことを片付けるのに精いっぱいの修羅場でした。(※2) 「子どもに手がかからなくなってから」では、子どもからも夫からも相手にされない「対等に話せる力のない、愚かなオカアサン」になっているだろうと思っていました。 一日24時間のうち、起きている時間のほとんどを仕事に集中して、職場の人達と大人の会話をして過ごす、大半の男性には理解しがたいだろうと思います。 アルフレッド― 修羅場だからこそ、いま勉強しなければ、という思いは、当事者でないとわかりにくいです。 昔も今も、自転車操業のサポーターであるオバアチャン(ママの実母・姑)が「子どもに手がかからなくなってから、やればいいのに」って言うでしょうね。 ※1 「むらき数子 情報ファイル」第876号、2023.1.4 ☆5[転載]「歩く見る聞く 85」 |
(642) クリスマス・プレゼント | |
アルフレッド― メールで写真のプレゼントが来ました。 三太― やあ、白柴の小銀だ、大きくなって、なかなかの男前だ(※1)。 おかあ― 犬友のポメラニアン・ランちゃんをおんぶしてるんだって… 三太が若かった頃には、ほかの犬と「密」に接することってなかったねえ アルフレッド― ナマのお客様が見えました。 ジャーナリストのTYさんです。 女将さん、旧知の仲なんでしょう? 女将― それがね…、20年来の「情報ファイル」読者なんだけど、お互いに、「どこで初めてお会いしたんでしたっけ?」 アルフレッド― 予定の時間を超えて話し込んで帰られました。 おかあ― TYさんに、話を聞いてもらって嬉しかった。 三太― 今日のお客さんは「お話を聞いてくれるサンタさん」だった。 お土産のクッキーもおいしかったし、おかあには、サプライズのクリスマス・プレゼント。 ※1 春の白柴小銀 (624)黒と白 |
(641) ロンドンの観覧車 | |
三太― アルフレッド、どうした? アルフレッド― いえ、ちょっと、思い出したものですから…… 三太― 何を? カノジョか? アルフレッド― 観覧車です、ルドルフとスノーホワイトが横浜の「コスモクロック21」112メートルを話題にしていたので。(※1) 女将― あ、そうか、アルフレッドの故郷ロンドンにも大きな観覧車があった、「ロンドン・アイ」。高さ135メートル。 私もアルフレッドも乗らなかったけど、トラファルガー広場の「トラ・ライオン」はケイト姉弟と乗ったんだって。(※2) 三太― アルフレッド、ホームシックなのか… おかあと出会ったのが2014年、日本に来てから満8年半か。 ※1 (640)観覧車 |
(640) 観覧車 | |
アルフレッド― 女将さん、なにか、言い忘れたみたいですよ。 女将― そ、岐阜の金華山へ行った(※1)のは、ロープウエーと観覧車の両方を見に行ったんだった。 “黒猫ルドルフからあの大きな鉄の輪は観覧車だと聞いて、白猫スノーホワイトは 「あんな高いところまでいったら、景色、いいでしょうね。」といって、小さなため息をついた(※2)。“ ルドルフが自信たっぷりに説明したもんだから、てっきり、乗ったことがあるんだと思った。 いつまでもあると思うな、遊園地… なにしろ、あの東京の豊島園さえ閉園されちゃって、世界最古のメリーゴーランド「カルーセルエルドラド」が見られなくなっている世の中(※3)。 シンガポールの象徴、マーライオン(※4)。 なかでも、セントーサ島のマーライオンは1996年生まれ、高さ36メートル、最も巨大なマーライオンなのに、僅か23歳で引退させられてしまった。 金華山へたどりついたら、ロープウエーがあったんでホッとした。 でも、観覧車は見当たらない。 で、ロープウエーで働いているおねえさんとオジサンに聞いたんだけど、観覧車は覚えてない、って言われちゃった。 うちへ帰ってから、ルドルフとスノーホワイトのやりとりを読み直してみた。 そしたら、スノーホワイトが乗ってみたいと言ったのは横浜に1989年にできた観覧車「コスモクロック21」(※5)のことだった。 ルドルフが岐阜にいたのは1986年より前だから、まだ横浜にもできてなかった。 ルドルフはガイドブックで読んだだけで、横浜に行ったことはなかった。 つまり、ルドルフは観覧車には岐阜でも横浜でも乗ったことなかった。 乗ったことがあると、私が勝手に、思い込んでたんだ。 アルフレッド― ひとの記憶って、いいかげんなもんですね。 女将さんに聞き取りに来るひとも、よくよく気をつけないと、嘘ではないけど事実でもないことを聞いて帰ることになりますね。 ※1 (639) 郡上八幡のボブ |
(639) 郡上八幡のボブ | |
アルフレッド― コロナの第8波が心配されてる中、女将さん、どこ行ってたんです? 女将- 岐阜県。夏にコロナで延期になってた、幹事さんたちがリベンジ企画してくれた。 夏以来、ギックリ腰後遺症と体力低下で、参加しようかどうしようか、ウジウジ迷ってたら、ウサギ監督が、車の手配やら調査中の休憩やら、いろいろ配慮してくれた。 ウサギ監督に「30年の付き合いじゃないですか」と言われて「ハイ、行きます」(※1)。 アルフレッド― 岐阜県と言ったって広いんでしょう? 女将― 福井県との県境まで行った。 みんなと一緒に1時間歩くのはつらいけど、ひとりでマイペースなら1時間でも歩けるってわかった。 若い衆に「半日は沈没してるヒト」って言われて、開き直る。 解散後、長良川鉄道の郡上八幡駅前の旅館「東屋(あずまや)」(※2)に泊まった。 みかけ質素な、小さな宿屋、玄関に入ったら、フロントに招き猫が2匹。 1匹は大きな陶製の置き物だったけど、もう1匹が、ナマ猫で、とってもきれいな茶トラ「ボブ」そっくり(※3)。 カメラを探してるうちに、消えちゃった、残念。 建物、しつらい、純和風でね、瀟洒っていうのかな、スッキリしてて綺麗で。 今まで泊まったことのある宿泊施設のなかで、いちばん気に入った。 アルフレッド― 和風の旅館というと、寝具はベッドではないんですか? 女将― そう。和室だから、畳に布団を敷く。私はベッドのほうがいいんだけど。 分譲住宅のチラシなんか、年寄には和室、っていう固定観念があるけど、ほんとは身体能力が低下したヒトには 畳から起き上がる・立ち上がる動作ってとってもつらいのよね。 この頃は、宿泊施設の食堂や、公民館とかお寺のような高齢者の集まる場には、畳に座らなくてもよいように、 椅子を備えるのが当たり前になったみたい。 アルフレッド― で、郡上八幡駅からまっすぐ帰ってきたんでしょう? 女将― 岐阜で途中下車した。 三太― 岐阜? なんで? キムタクの信長パレードは先週終わっただろ?(※4) おかあ― キムタクもいいけど、黒猫ルドルフ。岐阜は『ルドルフ』シリーズの聖地。 子猫だったルドルフが、お隣のおねえさんが働いているロープウェーに乗 せてもらって、山のてっぺんにあるお城に登って岐阜の町を眺めたりした んだって(※5)。 で、ルドルフが乗ったのは1986年より前だから、ひょっとしたらロープウエーが無くなってるかもしれないけど、岐阜城はあるから行ってみた。 あった、あった、ロープウエー、ちゃんとあった、乗ってきた。 ルドルフはタダ乗り、私は往復1000円。(→切符の写真) ルドルフの仲良しのおねえさんはもう退職してるだろうから、なるべく年配のおじさんに聞いてみたけど、黒猫が乗ったお話は覚えていなかった。 三太― おかあが、うちへ帰ってきたのは、夜暗くなってから。 おかあ、玄関の周辺を見回して、「ノア、来てない」と言いながら入って来た。 荷物を下ろしてから、ふり返って見たら、玄関ドアの前にノアが香箱座りしていた。 どっかで、ちゃーんと、見張ってて、おかあが帰って来たのを見て、現れたんだ。 アルフレッド― 女将さん、急いで、ミルクを持って行きました。 完全に、ノアのペース、振り回されてます。 ※1 ウサギ監督、気は優しい、けど、タヌキの背中に火をつけるのは容赦しない。 (316)三太カチカチ山(3) |
(638) ノアはイッパイアッテナ? | |
猫のウメちゃんのオカーサン― 巡回してくる黒猫に、【ノア】、きれいな名前を付けましたね。(※1) 我が家のお隣には【ナナ】という名のクロトラの猫がいて、その子の遊び相手の野良猫をお隣では【ケンスイ】と呼び 我が家では【ハチ】と呼んでいました。 なぜハチなのかは説明いらないですよね おかあ― は? なぜハチなのか説明いらない? (数秒考えて) そっか、【ナナ】はnana じゃなくって「七」だから、「八」なのね。 猫のウメちゃんのオカーサン― 野良だった【ハチ】がお隣の飼い猫になってからは、さすがに【ケンちゃん】と呼んでいます。 おかあ― 【ケンちゃん】=【ケンスイ】って猫の名前としては初耳。どんな字を書くのかな… 猫のウメちゃんのオカーサン― 初めてお隣にやって来た時、お隣の金網に両手(爪)を引っかけてまるで懸垂をしているような姿でいたから。と隣のご主人から伺いましたよ。 納得でしょ? ちなみにケンちゃんの毛並みは真っ白な毛が8割ほどで2割が明るいベージュ色の2色模様です。 おかあ― なるほど、巡回・パトロールする猫は、行く先々で異なる名前で呼ばれるってことね、 うちでは【ノア】と呼んでるけど、お隣では【クロ】かも知れない。 50年前、私が【安兵衛】と呼んでたあの黒猫も、さくらを救ったあの超絶カッコいい場面を目撃しなかったら、ただの「クロ」と呼んでいたでしょうね。(※2) 三太― 【ノア】はうちへ来るようになって満2か月、まだ一言も発していない。 【ノア】自身から聞けない。 アルフレッド― 黒猫ルドルフの場合は、ノラ猫になって巡回するようになったら【クロ】とか【ちび】って呼ばれるようになったそうです(※3)。 ルドルフは、「ぼくが東京にきたとき、なにからなにまで、いろいろとぼくのめんどうを見てくれたねこ」を【イッパイアッテナ】と呼んでいます。 その由来は、「はじめてあったとき、ぼくが名まえをきいたら、イッパイアッテナは、 「おれの名まえは、いっぱいあってな」って答えた。 それは、名まえがいっぱいあるっていう意味だったんだけど、 ぼくは、イッパイアッテナっていうのが名まえなんだと思ってしまったんだ。 それからずっと、ぼくはイッパイアッテナっていう名まえでよんでいる。」 んだそうです。 【イッパイアッテナ】は灰色がかった茶色に黒っぽいしまのトラネコですが、すごく大きくて、トラみたいに強い猫です。 行く先々の人間から【トラ】【ボス】【デカ】【ドロ】なんて呼ばれています。町の猫からは【ステトラ】。(→絵) 子猫のときに付けられた名前は【タイガー】ですが、ルドルフが【イッパイアッテナ】と呼ぶようになって、また一つ名前が増えたわけです。 猫のウメちゃんのオカーサン― ジブリのアニメ「耳をすませば」に出てくる猫の【ムーン】も巡回猫ですよね。 【ムーン】は電車に乗り巡回しますから名前も沢山あったのではないかと想像します。 おかあ― 【ムーン】? どんな猫だっけ? ジブリの猫って言ったら、イケメン猫の【バロン男爵】しか覚えてない。 (あわてて検索して) なるほど、【ムーン】ね…(※4) 猫に人間の国境は関係ない。 よその国でも巡回する猫のお話『とっても なまえの おおいネコ』では、 【アーチー】【スナフキン】【かわいこちゃん】【おちびちゃん】【バレンタイン】だって。(※5) ※1 「さすらいのノア」 |
(637) あちこちの断捨離 | |
育ジイ先生- 前号に、「葛飾の昭子さん」からの写真が添付されてましたが、僕も参加した日比谷公園集会からの国葬の抗議デモの途中で、 エッ!ナンダコリャというチンドン屋風の男女二人がデモ隊の人びとに配っていたものです。 やはりそのデキに感心する人がいたと分かって嬉しい便りでした。 僕は、大手町付近でもはや一万歩近く歩いたこともあり、国会前は断念して帰路に着きました。 後でニュースを見て15000人とあり、やはりその場に身を置きたかったなあと思いましたが、なにより無理は禁物のトシですね。 猫のウメちゃんのオカーサン― こんにちは。 ぎっくり腰で断捨離って大変だなぁ~って思いつつもご無沙汰していてすみません。 久々に都内に行きました。年金者組合の方に誘われて「年金一揆」の集会です。 ても暑い日で70代80代90代の元3人娘が日陰で休んだり居眠りしたり、それぞれマイペースで元気に参加してきましたよ。 「年金上げろ!賃金上げろ!」って叫んできました。 ではまた。 川口さん― 国葬反対集会に行こうとしたら、70肩?になり腕があがりません。 整形外科のリハビリに通う毎日です。 私も毎日父の遺品整理におわれています。 美術全集を寄付しようとしたら図書館で断られました。 取りに来て頂ける方いらっしゃったら差し上げます。 アルフレッドー 海辺のうづらさんから、お手紙いただきました。 「今、古本の整理をしています。古い雑誌があります」 昭和15年から28年頃の、『主婦の友』、『婦人之友』、『主婦と生活』、『婦人生活』 お母さまがその洋裁記事を見てうづらさんの洋服を作ってくれたそうです。 「もしよかったらもらって下さい。送っちゃいますよ」 三太- おかあ、慌ててうづらさんにメールを送る― <「もしよかったら、もらって下さい」とのお申し出、ありがたく謝絶させていただきます。 私のほうが、「もらって下さい」と言いたい!!!! > 海辺のうづらさん― ブックオフに持って行くと150円以上では、買ってくれないということがわかりました。 悪ければ5円です。 だからブックオフに持っていくよりは何か違う方法をとったほうがいいと思って、 今せっせとリスト作って友達達にもらってもらったり貸し出したりしています。 漫画は萩尾望都が人気です。(←写真) 郵便局のレターパックプラス520円がギチギチに本を入れられていいですよ。 三太― おかあも「貰ってもらうため」にリストを作る、という基礎作業に明け暮れてるわけだ。 紙の山脈の、峠が見えてきた、とか言って自己満足してる。 いや、峠に達したんじゃなくって。 |
(636) ノアは安兵衛? | |
葛飾の昭子さん― 「情報ファイル」いつもありがとうございます?? 私は何度もぎっくり腰経験してるけど2~3週間で回復。 むらきさんは、長く悩まされているようで大変ですね??急な動きや腰の負担に気をつけてくださいね。お大事になさってください 国葬の抗議に日比谷銀座デモに行ったけど、その時面白いチラシを貰いました??老舗桜庵 なるチラシです。ご覧になりましたか? おかあ― ギックリ腰見舞、ありがとうございます。 国葬の日の、「老舗桜庵 なるチラシ」、国会正門付近でも見たように思います。 でも、現物を貰わなかったし、写真も撮り損ねました。 まだお手元にあるならば、その写真を私に送ってくださいませんか? アルフレッド― 葛飾の昭子さんが、写真を送ってくださいました。(→写真) たくさんの人が、いろんな土地で、いろんな意思表示をしたのですね(※1)。 三太- おかあ、国会正門前から、腰痛が起こる前にと、早めに帰ってきた。 玄関ドアを開ける前に、キョロキョロしてる。 ノアが来てないか、って。(※2) ノアは全身真っ黒だから、夜は闇に溶け込んじゃって見えないんだ。 アルフレッド― 女将さん、すっかりノアに振り回されてます。 前回、ノアが、毎日2回定期的に来るように言いましたが、実際は、3日姿を見せないで、もう来ないのかな、と思っていると、明け方、昼過ぎ、夕方、と一日3回来たり… 差し出された食べ物も、見向きもしない時もあれば、ぺろりと平らげるときもあり… 最近は、食事よりも、玄関の中に入ってきて屋内探検するほうに目的があるようです。 おかあ― 思い出した! 【安兵衛】!(※3) 50年前の「漆黒の影・安兵衛」は、時々ふらっと訪れては消える浪人だった。 あれも、巡回・パトロールする猫だったんだ。
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(635) さすらいのノア | |
アルフレッド― 女将さん、「情報ファイル」の発信がすっかり間遠になりました。 週一回を「週刊」、10日に一回を「旬刊」、月に一回は「月刊」と言うので、 さながら「半月刊」です。 女将(=おかあ)― 6月のギックリ腰以来、心身ともに「低空飛行」、家にこもってひたすら「断捨離」。 アルフレッド― 女将さん、前回、「山脈の登山口が見つかった」って言ってましたが、 断捨離の目的は登山じゃなくて、山脈をなくすこと、なんでしょう? ウロウロしてないで、発破をかけて爆破するのがいいと思います、ビルの解体みたいに。 女将― すごーいこと言うねェ。 1冊でも「本」として若い人に引き継いでもらいたい、とジタバタしてるのに… 三太― おかあのやってるのは、登山じゃなくって、開墾だ。「焼畑」。 繁茂した草を刈って、木を切ったり抜根したり、見通しをよくする。火をかけるのは最後だ。 部屋の中が少し見通せるようになったのは認める。 おかあ― たまにテレビを見ると、国葬ばっかり、イギリスでも日本でも、画面に映されるのは国葬賛成の人ばっかり。 たまりかねて、腰をさすりながら、国会正門前に行った。 たくさんの人が反対の意思表示をしていた。 新聞テレビだけ見てると、反対の動きは国会正門前の1万5千人だけだったように思ってしまうけど、 日比谷公園とかお茶の水でも集会はあったし(※1)、横浜・調布・立川の知り合いからそれぞれ地元でスタンデイングしたって聞いた。 「宝塚のボイチャン」によると、大阪中之島、豊中、茨木、堺市、奈良などで集会があったし、 行政に対して<弔意を強要させない>アクションも全国あっちこっちで行われた。 三太― おかあ、焼畑のあいまに、玄関を見てソワソワしてる。 アルフレッドー 黒猫です。9月の初めに現れて、毎日のように、玄関ドアの外にたたずんでいます。 朝と夕方、6時前後の30分くらい、むらき家の人々を観察して、庭を通って東隣のお宅の玄関前へと、巡回してるようです。 女将さん、「ノア」って名をつけました。 三太― 小学校を巡回してる黒猫ノアのお話(※2)そのまんまだ、って。うちは小学校の真ん前だし。 おとうも食い物差し出して、ノアの歓心を買おうと、おかあと張り合ってる。 当人(当猫)は、飼い主を求める「駆け込み」活動のつもりはないらしい。 昨日は、ブロック塀の上を歩いて、西隣のうちの玄関に向かって行った。
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(634) 肉桂餅 | |
アルフレッド― 各地のみなさまに、台風のお見舞いを申し上げます。 女将さん、ご無沙汰してる間に、彼岸花が咲き始めました。 三太― 「情報ファイル」の更新もできず、「断捨離」(※1)と称して紙の山脈で遭難寸前だ。 おらには、山脈の山裾をあっちからこっちへ移動してるだけに見えるんだが。 おかあ― 何十年も、溜め込んできたもんでねエ。 本の形をなしていないモノは捨てる、って大決断した。 毎週のゴミ回収の古紙の日に3袋とか5袋とか出してきて、ようやく、部屋の中に通路を確保。 一日が、あっという間に過ぎて、新しい本を読む余力もなくて、夜。 三太― 心身のエネルギーを使い果たして、すとんと寝ちまう。 おかあ― おんなじ同世代の人に相談しても、おんなじ悩み抱えてるからラチがあかない。 40代の学芸員にアドバイスもらって、やっと、整理の方向が見えてきた。 山脈の登山口が見つかった、って感じ。 アルフレッド― 女将さんのやってることは、「断捨離」というより「蔵書点検」です。 図書館司書のする「分類」にはほど遠いレベルですが。 クリニック通いが、週イチくらいで済んでるのは、女将さんのトシとしてはマシなほうでしょう。 宝塚のボイチャン― むらき数子様そして三太様、いつも通信ありがとうございます。 与謝野晶子さんの通った堺女学校(今は大阪府立泉陽高校)の近くに、 八百屋宗源という菓子屋があって「肉桂餅」が有名です。 お饅頭を楽しんでおられたのでお送りします。 肉桂と書いてニッキ=シナモンとは知りませんでした。 もうすぐ到着しますので楽しんでください。 アルフレッド― 宅配便をいただきました。 おかあ― 肉桂餅をありがとうございました。 肉桂=ニッキ、から「キナ=キニーネ」と連想してしまいました。 マラリアの特効薬がお菓子に? と思って、念のため検索して、肉桂も生薬として使われてきたけれど、キナとは全く別のものだとわかりました。 微かにニッキを感じるほどよい甘さ、おいしくいただいて、断捨離に励みます。 ボタモチに、塩味の場合がある(※2)のは知っていたのですが、塩味のお菓子も各地にあると、『塩の道』(※3)をパラ読みして知りました。 断捨離の余徳です。 三太― 「肉桂餅」の箱も、五個×2列=10個、田口祐子さんのいう「五の倍数」だ。
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(633)すみだのライオン | |
三太― ※1 すみだ郷土文化資料館、2022.5.14~9.4 特集展示「すみだの石鹸 LION この地で130年」を開催しています 墨田区公式ウェブサイト (sumida.lg.jp) |
(632)ローカル鉄道 | ||||
アルフレッド― 女将さん、「恒例夏の家出」は中止になったといったのに、出かけたんですか? 女将(=おかあ)― そ、「ツアー」に参加してきた。コロナ・ワクチン4回目の接種証明書を提示して、マスク必着、バス車内では食事禁止。 バスでの移動時間が長くって、座り続けるってつらかった。 「エコノミークラス症候群」って、飛行機と限らず、バスでもデスクワークでも起こるんだって。 自由行動の日は、鉄道に乗ってみた、JR東日本の花輪線。新聞の図に赤字路線として示されてる路線の一つだった。(※1) 東北の夏の緑の中、沿線の畑に栽培されてる<リンドウ>は八幡平市の特産品。約30種類もあるんですって。 単線の線路に並行してる道路を、次の日のツアーのバスで移動したんだけど、なんだか、違う世界みたいだった。
※1 「(いちからわかる!)ローカル線の収支、厳しい状況なの?」『朝日新聞』 2022.8.17 。付図「1日平均利用者数が2千人未満のJR東日本の赤字路線」 |
(631) 北の国と南の国 | ||||
アルフレッド― 酷暑とコロナと豪雨、三重苦の夏です。 「東京のアキコ」さん― ぎっくり腰のその後はいかがですか? 猛暑にもかかわらず、むらき情報をいつも発信してくださり、ありがとうございます。 先月末からの9日間猛暑には、まいりました。 めったにエアコンはつけないのに、夜もずっとつけてしまい、案の定、不調に陥りました。 内閣改造、党役員には女性なし、大臣は2名のみで内一人は高市氏。 女性活躍は言葉だけなのに、がっくり。 旧統一教会と自民党との関わりが明らかになって、国葬が中止になるといいのですがね。(※1)
三太―
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(630)饅頭のトリセツ | |
アルフレッド― 女将さん、断捨離(※1)のあいまに、ジロちゃんに会いに行きました。 女将- 猛暑のなか、連日の「健闘」で、「足の踏み場もな」かった床が、フローリングがいくらか見えるようになってきた。 山脈は依然として聳え立っているけど、登山口に立った、ってとこかな。 昨日は、アメリカの下院議長の台湾訪問(※2)に思いを馳せながら、台湾関係のひと箱を解体した。 うちんなかで、断捨離ばっかりやってるとウツの沼に沈み込んでくので、図書館分館に、ジロちゃんに会いに行く。 三太- おかあ、ジロから、江戸の和菓子職人・栄吉を紹介された。(※3) 栄吉は菓子司三春屋の一人息子、老舗に弟子入りして菓子作りの修業中。 懸命に努力してるのに、栄吉が作る菓子は、どうしようもなくまずい。 女将- う~ん、栄吉の饅頭ねえ…。 三春屋の近隣の人は、饅頭をみると、作り手が誰か、まず確かめる。 三太- おかあ、『妻のトリセツ』(※4)って本を手に取った。 この本は、「妻の不機嫌や怒り」という攻撃からいかに身を守るか、地雷を踏まないために「夫側からの対策をまとめた『妻の取扱説明書』」なんだと。 「家庭というプロジェクトを夫側からうまくコントロールしていくために」有効な方法の一つがお土産作戦だと。 「お土産は、会社帰りにデパ地下で購入したお饅頭でもいい。」 おかあ- 饅頭一個でも緊張緩和に有効だとは認めるけど……。 男が何気なく口にして、言われた妻には「一生の傷になるセリフ」がたくさん並んでる。 うんうん、あるある、そーだよなー、と、自分や姉妹・友達が夫たちから言われたセリフを思い出す。 妻の言動・心理をすべて「母性愛」「女性脳」で解説するのは《チガウ》と思う。 ※1 Sinceさんから、断捨離の「ご健闘をいのります」と、エールをいただきました。 (629)真夏の饅頭 |
(629)真夏の饅頭 | |||
アルフレッド― 読者のみなさま、暑中お見舞い申し上げます。 女将さん、ずいぶんご無沙汰してますよ。 女将- ギックリ腰以来、いろいろあってね… 「饅頭の謎」をきっかけに、『死・葬送・墓制資料集成』(※1)なんて本をひっくり返して、 1960年代と1990年代のお葬式の変容を読んでたら、突然、2022年現在のお葬式に臨むことになってしまって… コロナのまたまたの猖獗「第7波」で、春から準備していた調査旅行が中止。 でも、だからこそ、「会えるうちに会っておこう」と年上の人に会いに行ったり… クリニックをはしごしたり… いろいろ重なって、このところ「断捨離」に励んでいます。 本とコピーや手紙などの紙の山脈の山すそと、日夜奮闘しています。 Sinceさん― 断捨離って難しいと思います。 むらきさんの場合、本や書類は大量で目を通すだけで時間が過ぎるでしょう。 なかなか山脈を崩すには至らないですね、キット。 ご健闘をいのります。 三太- 棚の隙間が少し増えてきた。 おらの目には、山脈の山すそを削って、玄関先に積み上げる「移動」に見えるんだが。 アルフレッド- 働いた時には甘いものが欲しくなります。 饅頭はいかがです? 検索してみたら「ライオン饅頭」がいくつかありました。 饅頭に僕・ライオンの顔や姿の焼き印を押してあります。(写真1) 「ライオンまんじゅう」は、秋吉台自然公園サファリランドの諸君が、雪の中、集まって寒さをしのぐ押しくらまんじゅう状態です。(写真2) 女将- この猛暑の中、毛むくじゃらの「ライオンまんじゅう」は遠慮します。 「氷まんじゅう」って言葉を聞いたように思うんだけど、検索しても、よくわかんない。「冷たい饅頭」なのか「かき氷」のことなのか… ※1 『国立歴史民俗博物館資料調査報告書9 民俗研究部 死・葬送・墓制資料集成 東日本編1,2』国立歴史民俗博物館、1999
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(628)浅草の饅頭 | ||||
アルフレッド― 女将さん、ギックリ腰、なかなかスッキリしませんね。 女将― ギックリ腰の名残の腰痛に足の痛みもあって、駅から離れた会場へ、歩いて行くのはしんどい。 遅刻しないように、いっしょうけんめい歩いた。 会場のドアを開けたら、「ああ、やっと来た」 「トボトボ歩いてるから、追い抜いて先に着いてた」って声に迎えられた。 追い抜かれたの、全然気が付かなかった。 脂汗かいて、いっしょうけんめい歩いても、客観的には「トボトボ」見えることもショックだった。 三太― おかあが図書館のジロちゃんから借りた饅頭本 『まんじゅうざむらい』(※1)は、酒まんじゅうのお話。 『お待ちしてます 下町和菓子 栗丸堂』(※2)は、浅草の19歳のイケメン職人が饅頭を作ってるという現代のお話。 アルフレッド― あれ、女将さん、浅草へ行くんですか? 腰が痛いのに、饅頭買いに? 女将― たまたま、雷門で会って牛鍋食べましょう、って声掛けられたから。 仲見世に、犬猫用品の店があった。(※3) 猫のコマル君のおふくろさんが知らせてくれたテレビ「柴犬深掘り」で映った店だと思う。 ぬいぐるみとかいろんな柴犬グッズがあった。けど、買わない。 栗丸堂は、見つからなかったけど、「あげまんじゅう」のお店「仲見世 浅草九重」があった。 で、バラを5個買ってきた。 (↓写真)。 あとで添えてあったチラシを見たら、その店の「人気ランキング第一位」は 「5種類(10個入り)MIX (あげまんじゅう・ごま・抹茶・さつまいも・かぼちゃ 各1パック)」 とある。つまり「五の倍数」(※4)。ただの偶然なのかな。 ※1 1996 『まんじゅうざむらい』 今江祥智、伊藤秀男画、解放出版社
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(627)葬式饅頭 | |||||
アルフレッド― 女将さん、ギックリ腰をかばいながら、図書館のジロちゃんからどっさり借りてきました。何の本です? 三太― まんじゅう。漢字だと饅頭って難しい字で書く。 小麦なんかの粉を練った皮ん中に、小豆なんかの餡が入ってる和菓子だ。 アルフレッド― なんで今どき、「饅頭」なんです? 女将― 前号で『葬送文化』って雑誌を紹介した中に、田口祐子さんが、明治29年(1896年)伊勢でのお葬式の様子を書いてる(※1)。 喪家に寄せられた供物の大部分が「饅頭」で、数がはっきりしてるだけでも2000個以上!もあったんだって。 「葬式饅頭」って、唄(※2)は浮かぶけど、自分で歌ったこともないし、実物を見たこともない。 だいたい、喪家から会葬者に配るもんだと思ってたから、2千個も貰ったらどうするんだろ、って、ビックリして、饅頭のこと、調べ始めた。 ず~っと、「ぼたもち」(※3)には関心持ってきたんだけど、「饅頭」には無関心だった。
(ブラウザの”戻る”ボタンで本文に戻ってください) ※1 田口祐子「明治期における伊勢旧御師家の葬儀習俗と社会関係」『葬送文化』第22号、2021.2.5 日本葬送文化学会、p。59-72 |
(626) ボブ | |
アルフレッド― 女将さん、ギックリ腰に見舞われて、すっかり意気消沈。 接骨院から帰って来ると、グターッと昼寝しちゃって・・・。 草むしりができないから、庭がジャングル化しています。 「元祖・山女」さん― 私は幸いぎっくり腰はやったことがないのですが、定期的に膝にヒアルロン酸の注射をしています。いまごろ整骨院デビューなんて驚きです。 腰、早く治ること祈ってます。 三太― おとうが、なんか持ってきた、ギックリ腰見舞いかな。 『ビッグイシュー日本版』だ、ボブが3回も表紙を飾ってたんだと。(※3) ボブはロンドンで『ビッグイシュー』の客寄せやってた。日本風に言えば招き猫。 ボブは茶トラだ。縞模様の猫をタビーというそうだ。 おかあ、『ボブという名の猫』って映画(※1)いつ見たんだ おかあ― 「ロンドン版「猫の恩返し」 人生を救われた路上の演奏家」って新聞記事(※2)見てから少しあとだったか アルフレッド― このうちにもボブが来たことがあるとか? おかあ― 何年前かな、ふと出窓の外を見たら、お隣のクルマの上に茶トラ猫がいた。 手前の出窓にいるぬいぐるみの「ボブ」と、そっくりの縞柄で、そっくりおんなじ格好「香箱座り」してた。(※4) 思わず、「ボブ!」って呼びかけてた。 2匹一緒の写真撮れなかったのが残念。(写真はむらき家のぬいぐるみ「ボブ」) アルフレッド― 生のボブは居つかなかったんですね。 うちのあたりでも、外歩きしている猫を見なくなりました。 ペットショップへ行ってみますか? 女将さんが猫を1匹飼うと、日本経済に大きく貢献できるそうです(※5) 女将― 「ネコノミクス」ねえ… 一軒が猫1匹の飼育にかける年間の費用を「10万1520円と推計」して、関連の消費支出を積み上げていくと、 「各家庭の小さな積み重ねが、日本経済全体を大きく動かす原動力になる」んだって。 けど、猫を飼っても介護リスクの半減効果は、犬を飼った場合ほどはっきりしない、 って(※6)猫に散歩の相棒を期待するのは無理だからね。 ※1 映画「ボブという名の猫」 |
(625) 浮き沈み | |
◎おらあ三太だ! ※1『空飛び猫』アーシュラ・K・グウイン、村上春樹訳、S.D.シンドラー絵、講談社、1993 |
(624) 黒と白 | |
アルフレッド― 犬型ロボットを紹介したら、ナマの柴犬擁護メールが続々来ました。 猫のコマル君のおふくろさん― 5月5日に、Eテレで「柴犬深堀り」というのをやっていました。 柴犬は洋犬に較べて自立心が強く、やたら飼い主にべたべたしないのが特徴だそうです。 それでいて飼い主のことはよくみていて、必要な時にはしっかり寄り添ってくれる、という頼もしい伴侶なんだって。 こういう個性評価されて今世界的に大人気だとか。 三太くんのことを思い出しながら見ました。 洋犬との違いは日本人と西洋人の動物観にかかわっているというコメントでしめくくられていました。 洋犬は手が加えられて数えきれないほど様々な人工的な品種がありますが日本犬は6種類、それも基本的姿はほとんど変わらず、「オオカミ」の原型を残しています。 西洋人は犬は作られたもの、管理すべきものと考えているのにたいし、日本人は犬には犬の命があると考えているからと。 これは東洋と西洋の自然観全体にあてはまると思います。 柴犬の飼い主デビュー1年の「テラのママ」さん― 白柴コギンと暮らし始めて1年、来たばかりの仔犬のころはたいへんでした。 自分のしっぽを噛むわ、止めようとする私の両手を噛むわ…… 親指の爪は内出血、左手は数か所歯形がついて、青く腫れてズキズキ痛みました。 わたしにはよくなついてると思ってたのに、手を噛まれて、心も痛みました。 このごろ、コギン、お兄さんになってきてだいぶ落ち着いてくれました。 柴犬もなかなか頭がいいですね。 こちらの言うことも通じているらしく、「持って来い」というとオヤツを入れるおもちゃをもってきます。 一時は飼うことに絶望的でしたが、帰宅すると喜んで飛びついてくるのも可愛いです。 柴犬的愛情表現にも慣れて、やっと信頼関係できたーって感じです。 柴犬の魅力は、何と言っても耳ですね。耳が表情の代わりでしょうか。 後ろへぐっと引き付けたり、片耳だけびくつかせたり、ヒコーキのように水平になったり(笑) アルフレッド― 三太君は茶色ですが、柴犬には黒も白もいるんですね。 女将― 白い柴犬がいる、って初めて知った。 菜の花のなか、白い犬、赤いボール、きれい! |
(623) 散歩とアイボ | |
アルフレッド― 女将さん、黒柴って、タイプでしょう?(※1) 女将― 今朝、うちの前を黒い豆柴を連れて男性が散歩してた。 可愛いんだよねー。 あれこれ、犬談義してるうちに、6歳の豆柴も、愛想がなくって頑固で、飼い主をガブガブ噛んでる、ってことがわかった。 飼い犬に噛まれたなんて、ヒトに言いたくないし、SNSなんかには「可愛い」「良い犬」という場面だけを載せるから、柴犬を飼ったことのない人は「飼ってみたい犬」だと思う(※2)。 ひとたび飼い始めれば「トンデモ犬」だってわかる、その時にはもう捨てるに捨てられない、よその人には恥ずかしくって実態を知られたくない。(※3) って、柴犬に噛まれてきた同士、内輪ばなし。 「でも、柴って、可愛いですよね、見るにはいい犬ですよね」と合意してお別れした。 アルフレッド― 検索してみたら、お散歩に連れ出せる「ファーリアルおさんぽこいぬ」(※4)というのがありました。 犬型のペットロボットとして一世を風靡したと言われている「AIBO」(※5-1)は1999年に約25万円で発売されました。 2017年に発売された第二世代の小文字の「aibo」は7泊8日レンタルで14,980円だそうです(※6、写真は※5より「aibo」)。 で、やっぱり、黒柴のロボットにしますか? 三太― ちょっと待った。 屋外の散歩、つまり、デコボコ道や坂道・階段を、行き会う人や車をよけながら同伴者を安全に歩行させる、っていうのは、アニマルセラピストにとって、難度の高い仕事だ。 ロボットの本にある「ロバスト性=まわりでどんなことが起きようとも対応できる性能」(※5-2)が不可欠だ。 つまり、屋外での散歩につきあうには「それぐらいのロバスト性がないと、盲導犬や介助犬の代わりすらできません。」ってことだ。 このロボット黒柴に屋外の散歩ができるか? おかあ― 「ロボット三原則」で有名なアイザック・アシモフさんの作品に、「A Boy's Best Friend 親友」というのがあるんで、読んでみた(※7)。 ――所は月。月で生れたヒト・ジミー少年の親友は「ロバット」。 鋼鉄製の四本脚で立つと1フィートほどの、小柄な犬型ロボット。 散歩どころか、クレーターの内側の真っ暗闇でジミーとかくれんぼしたり、 ジミーが怪我したふりしてじっと動かないでいると無線のアラームを鳴らして人を呼んだり、する完璧な子守。―― 「ロバット」は、むらき家の二代目ゴローが果たせなかった「小皇帝の傅育官」(※8)を勤めるてるわけだ。 アルフレッド― アシモフさんのロボット三原則には「人間に危害を加えてはならない」とあります。 AIBO開発チームが作った「ロボット工学三原則・AIBO版」(※5-3)の第一条は 「人間に危害を加えてはならない。自分に危害を加えようとする人間からも逃げることは許されるが、反撃してはいけない。」とあります。 「ロバット」には、口はありません。餌代不要ですが維持費は高いようです。 三太― 口が無い、って? 口が無くっちゃ、噛めないじゃないか! おらたち犬の武器・牙を使えないんじゃ、「反撃」も「攻撃型防御」もできないじゃないか! ※1 アルフレッドは、女将にロボット黒柴の写真を見せました。 (622) 散歩の相棒 |
(622) 散歩の相棒 | |
アルフレッド― 女将さん、新聞記事、熱心に読んでますね。 女将― 「犬を飼っている人は飼ったことがない人に比べ、介護が必要になったり、亡くなったりするリスクが半減することがわかった。」って。(※1) 「過去に犬を飼っていた人もリスクが減る傾向があり、一度も飼っていない人に比べて2割ほど低かった。…… 毎日の飼い犬の散歩や飼い主同士の交流」が、「健康によい影響を及ぼしている可能性がある。」ともある。 1万人も調査しなくたって、私ひとりの経験でよくわかる。 パピ五郎時代から三太時代まで、通算28年間、毎日毎日、朝な夕な、15分くらいずつ散歩してきた、たまーに旅行中ペットホテルに預けた数日を除いて。 お犬様の存在は絶大、「雨が降ろうと風が吹こうと」お供するために、傘だけじゃなくって、レインコートとレインハット、長靴と雨具一式。 冬には毛糸の帽子や綿入りジャンパーとかの防寒具。 三太のお伴をしなくなって、ぱったりと、雨具・防寒具の出番が減った。 コロナのせいもあって、門から出ない日も多くなった。 一日の歩数が一桁少なくなった。 てきめん、足腰が弱くなってきた……
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(621)うさぎのハーネス | |
アルフレッド― イースターの季節です、今年は4月17日。 「春分の日の後の、最初の満月の日の翌日曜日」なので、毎年変わるし、 イースターには、ウサギと玉子、って、女将さんだいぶ前、2016年に学習しましたよね。(※1) 女将― 図書館のジロちゃんから、ウサギの本借りてきた。 なんと、ウサギにハーネスを着けて障害物を飛び越させる競技があるんだって。(※2) スウェーデンで生まれた競技で、日本にも愛好者がいるんだって。 三太― おら、散歩のときは、長年、「胴輪+リード」におかあを繋いで歩いてた。 おらとおかあのどっちが車道側を歩くかについて哲学もした(※3)。 おら、昨年初めころから、あんまり歩かなくなった。歩く範囲・距離・歩数どれをとっても、3分の1か4分の1になった。 歩調も「スタスタ」から「てくてく」→「とぼとぼ」+しばしば哲学。 おかあ、「歩かないと、歩けなくなっちゃうよ」と、強引におらを引っ立てる(※4)。 胴全体をもちあげる「ハーネス+リード」にした。 茶色の犬・おらが黄色いハーネスを着けて歩く姿は人目を引く。 行き会う人からの声が「何歳ですか?」から「頑張ってますね」に変わった。 ハーネスって、盲導犬専用じゃなかった。
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