<その18>
(475)アルフレッド・狛犬さんろ…2018/1/17 (476)アルフレッド・狛犬さんは…2018/1/17 (477)アルフレッド・狛犬さんに…2018/1/18 (478)アルフレッド・狛犬さんほ…2018/1/30 (479)アルフレッド・狛犬さんへ…2018/2/7 (480)アルフレッド・狛犬さんと…2018/2/7 |
(481)アルフレッド・狛犬さんち…2018/2/7
(482)アルフレッド・狛犬さんり…2018/3/17 (483)アルフレッド・狛犬さんぬ…2018/4/3 (484)アルフレッド・狛犬さんる…2018/4/3 (485)アルフレッド・狛犬さんお…2018/4/3 (486)アルフレッド・狛犬さんわ…2018/4/3 (487)アルフレッド・狛犬さんか…2018/5/6 (488)アルフレッド・狛犬さんよ…2018/6/12 (489)アルフレッド・狛犬さんた…2018/6/13 (490)アルフレッド・狛犬さんれ…2018/7/8 |
(491)アルフレッド・狛犬さんそ…2018/7/8
(492)アルフレッド・狛犬さんつ…2018/7/9 (493)アルフレッド・狛犬さんね…2018/7/21 (494)アルフレッド・狛犬さんな…2018/7/21 (495)アルフレッド・狛犬さんら…2018/7/21 (496)アルフレッド・狛犬さんむ…2018/8/30 (497)アルフレッド・狛犬さんう…2018/9/14 (498)アルフレッド・狛犬さんゑ…2018/9/18 (499)アルフレッド・狛犬さんの…2018/10/8 (500)アルフレッド・狛犬さんお…2018/10/8 |
(500)アルフレッド・狛犬さん お | |||
おかあ― 津軽鉄道をバスに乗り継いで海に面した今別の町へ行ったらね、太宰さんが「今別には本覚寺といふ有名なお寺がある。」って言うし、外ヶ浜の案内者N町会議員が「今別へ来て本覚寺を見なくちや恥です。」って強く言う(※1)ので、本覚寺へ行った。 さすがに、74年前に解説してくれたおかみさんには会えなかったけど、子連れの狛犬がいた。 ひつじの若葉― 狛犬ってお寺にもいるの? 神社だけじゃなく? おかあ― 「狛犬は神社につきもの。そんな風景は昭和に入ってから。それ以前はないのが普通だったのだ。」って、円丈師匠が言ってる(※2)。 ともかく、本覚寺の狛犬「吽」はしっかり歯並びが見えてて、コワ〜イ。子犬のお母さんだとしたら、相当なママゴンだと思うけど、狛犬は性別不問ともいうからわかんない。 アルフレッド― 津軽まで、狛犬探しに行ったんですか? おかあ― え〜と、マジメにお勉強。 本覚寺の本堂に大きな絵馬があってね、どうやら、村中の人たちの輪のなかに、養蚕の、繭と蛾が描かれてるんだと思うんだけど……誰か絵解きしてくれないかな。 ※1 太宰治「津軽」「三 外ヶ浜」 https://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/2282_15074.html 一番上にもどる |
(499)アルフレッド・狛犬さん の | |
猫のウメちゃんのおかーさん― わさお君に会いに行ったのですね。むらきさんのフットワークの良さに感心しています。 触られたくない犬で思い出しました… むらきさんちの先々代犬・パピーさん。 パピーさんに後ろから「いい子いい子」したら「ウー」って??られた事がありましたっけ。 むらきさんに「パピーは神経質で触られるのが嫌い」と聞き、しかも後ろから触るなんて「ごめんね」と謝った記憶が。 おかあー そうだった…パピーのこと、覚えていてくれてありがとう。 パピーは、体に触られるのが大嫌いの怒りんぼ。毎日ブラシのたびに、「ウーッ」って唸る(※1)。それでも、パピーは唸って不快感を表明するだけで、噛むことはなかった。 そこいくと、三太は、唸ると同時にギャンッ!と噛みついて来た瞬間湯沸かし器・・・犬は危険だ、と思い知らされる日々。 今では、三太は、ごきげん次第で、いやそうに身をかわすこともある、自分からもっともっととすり寄ってくることもある。 おんなじ三太とは思えない、「石の上にも三年、三太とも十年」(※2)、時の流れを感じる日々。 アルフレッド― で、鰺ヶ沢でレオ=わさおに会ったあとは? おかあ― 津軽半島。 ウン十年前に、津軽半島の海岸沿いを歩いたことがあった。家の周りに立て並べた木切れの柵、防風雪のための「ガッチョ」って覚えてたんだけど、今、検索しても出てこない、一番近いのは「カリチョウ」かな(※3) 真夏だから、もちろん、雪はない。で、津軽半島の内陸を走る津軽鉄道に乗る。 緑豊かな水田地帯を走る風鈴列車の、車内は太宰治だらけ。ガイドさんが太宰の短篇を土地の言葉で朗読してくれた。 太宰は、津軽出身といっても、都会育ちのお坊ちゃまで、34歳にもなって初めて、「津軽人とは、どんなものであったか、それを見極めたくて旅に出たのだ」って(※4)。 太宰は、「実に容易に、随所に於いてそれを発見した。」って書いてるけど、戦時中の津軽の田んぼには、いまどきの線路わきに立ってるようなヒト(写真)はいなかったでしょうね。
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498)アルフレッド・狛犬さん ゐ | |
アルフレッド― 今日は小学校はお休みのようですね。 三太― うん、「敬老の日」。9月の第3月曜日ってえこって。 おかあー 若いころは、「敬老の日」は9月15日、に固定してた。そのころは60歳過ぎた人は老人だ、と思ってたけど・・・ このごろ、散歩に行くと、三太がコースを選り好みする、今日はこっちだ、あっちは行かない!って、その強情なこと。 年をとると、頑固になる、って、ヒトもイヌもいっしょみたい。 犬のオジイサン、今朝も【斜め横断】するんで、付き添いはヒヤヒヤ。 怖いのは自動車だけじゃない、自転車に突っ込まれたら死んじゃうんだよ。 自分の身は自分で守らなくっちゃ。 ひつじの若葉― なんか、むらきのおばさん、【年寄のくりごと】めいてきたんじゃない? 一番上にもどる |
(497)アルフレッド・狛犬さん う | |
ひつじの若葉― 鯵ヶ沢ったら、【わさお】でしょ? むらきのおばさん(=おかあ=女将)― もちろん! アルフレッド― ワ・サ・オ? Who? 女将― 駅前で、タクシーの運転手さんに「【わさお君】に会いたい」って言っただけで連れてってくれた。 若葉― 【わさお】、って言えば、チョー有名なブサかわ犬。秋田犬にして白長毛犬。 本職は焼きイカ屋の番犬なんだけど、町から特別住民票を発行されてて、数々の名誉職(※1)を勤めているんだって。 女将― タクシー降りたらすっごい大っきな犬小屋。真っ白な大っきい犬が3頭もいるんでびっくりした。 【わさお】は独り者だと思ってたら、パートナ−の【つばき】と、養女の【ちょめ】もいる、非血縁家族だね。 私が犬小屋に近づくのとすれ違いに、【わさお】と【つばき】は散歩に出かけちゃった。 で、【わさお】の写真は後ろ姿しか撮れなかった。 ひとり(?一頭?)留守番が、白長毛の秋田犬。「わさお」って名前の小屋の前にいるんだから【わさお】だと思うよねー。【ちょめ】だった。 【ちょめ】としっかりお見合してきた。触らない。 犬小屋の横に立っている注意書きに「触らないでください」ってある。 “あーゆー顔をしているので、ついつい騙されがちなのですが、「これは中身はライオンだ」なのです。(※3)”って飼い主が言ってる。 触られるのが嫌いな犬もいるということは、三太との日々で十二分に身に沁みて知っている。 ガブッとやられたら、体重9?の柴犬三太にだって、病院行って包帯巻いてもらうことになる。体重40?の秋田犬にやられたら、「半端ない」重傷、間違いなし。 触る代わりに、「わさおのおさかな」買ってきたよ。貝のひもなんだって。 若葉― 【わさお】は幼名、【レオ】だったんだって。 真っ白な長毛の中身がライオンで、名前がレオ、アルフレッドの一族だね。 ※1 わさおは、「七里長浜きくや商店」の菊谷節子さんが迷子になっていた子犬を育てた白長毛の秋田犬。初めは「レオ」と呼ばれていたが、「わさお」の名で有名になった。「鰺ヶ沢町特別観光大使」、鯵ヶ沢駅の「観光駅長」であり、日本ユネスコ協会連盟の「世界遺産活動特別大使“犬”ワンバサダー」でもあり、春の防犯運動では「わさお警部」となり、隣りの五所川原市に出張して「立佞武多の館(たちねぶたのやかた)の一日館長も勤めている。町じゅうに、わさおのポートレートがあふれてる。 タクシー会社の案内チラシ「鯵ヶ沢観光タクシープラン」に載っている4コースの一つが「ブサかわ犬『わさお』に会いに行こう!」30分コース1台1,800円。 ※3 「わさお通信:今日のしっぽ」(Web東奥のブログ https://www.toonippo.co.jp/category/blog-wasao 一番上にもどる |
(496)アルフレッド・狛犬さん む | |
ひつじの若葉― むらきのおばさん、どうしちゃったの? しばらく音沙汰ないけど。 三太― おかあ、恒例夏の家出、行く前は準備に忙しくって、帰ってきてからは後始末に忙しくって。(※1) 去年とおんなじ、「情報ファイル」の読者さんたちに、御無沙汰のご挨拶、おらが代ってするように、だと。 「残暑・酷暑お見舞い申し上げます」 アルフレッド― 女将さんって、進歩しない人なんですね。 女将(=むらきのおばさん=おかあ)― 私は進歩しないけど、ミナコさんは長足の進歩を見せてくれてる。 「夏の家出」を家族にも恒例化して、家出に驚かなくさせたって。 家族は今じゃ、行先聞いてはじめて「そんなとこ、行くの!」って驚く、って。 アルフレッド― なるほど。それで、女将さんはどこ行って来たんです? 女将― 青森県のね、鰺ヶ沢って町。 駅近くのお宮に行ったら、大正12(1923)年生れの狛犬がいた。アルフレッドの遠縁だわね。左右どっちも口のあけかたは控えめだけど「ア」だと思う、ゴテゴテ飾ってなくて、すっきり美形、「ア・ア・ヨコ・ヨコ」型。 で、奥の方、社殿に近い方に、馬が一頭。台座に「御大典記念」ってある。 私のアタマの中の事典に、「御大典」っていうのは、大正から昭和への代替わりのときに盛んに使われた言葉だ、ってあるから、昭和3(1928)年の生れだと思った。 うちに帰ってから、事典を見直してみたら、明治から大正への代替わりのとき、官僚だった柳田国男が、「大正四年の御大典のさい、私が京都に大礼使事務官として赴いた折に、やや小型の「ええじゃないか」踊りが市内に始まったことがあった。」って書いていた(※2)。 東京の調布町(現、調布市)じゃあ、大正4(1915)年11月10日から14日までの「御大典奉祝ニ関スル費用」を各字に割り付けて徴集して、学校での奉祝式、祝賀会、旗行列・仮装行列・大提灯行列と、大騒ぎだったって(※3)。 で、馬だけ撮った写真をよーく見たら、台座に「平成二年十一月吉日」と彫ってあった。日本国憲法ができてから43年も経ってるのに、「御大典」って言葉を使って、お祝い行事をやる地域があったんだぁ〜!!! アルフレッド― この国のヒトは、変わらないんですね。 ※1 (462)アルフレッド・狛さん よ、(463)アルフレッド・狛犬さん ら |
(495)アルフレッド・狛犬さん ら | |
ひつじの若葉― 【らいおんみどり】って、ライオンなのに、生のキャベツがだーい好き、朝めざめるとおやつに一個、ベッドから出てまた二個・・・。 そんなにキャベツばっかり食べてるから、体も緑色になったんだね。(※1) アルフレッド― ハルキは、“サラダ好きのライオンは、僕にとっては眠れない夜くらい、珍しい”って言ってましたね。(※2) そう言いながら、シェーンブルン動物園の雌ライオンと「みつめあうライオンと男の子」をやったことがあるそうです。 三太― ゆうこと、こぐま、こぶた、きつねのつねこ、うさぎ、の5人は、生のキャベツの葉っぱを一枚ずつ帽子にして、おおかみおにを始めた。(※3) 遊び終って、みんなはキャベツの葉を生のまま食べたけど、ゆうこが持ち帰ったキャベツはおかあさんがロールキャベツに料理してくれた。 おかあー このごろ、飲み屋のメニューに、生のキャベツ、せん切りじゃなくって葉っぱをバリバリ食べるっていうのがあるけど、生野菜を食べる習慣って、あんがい新しかったかもね。 畑の肥料に、糞尿を使っていた時代には、寄生虫がいるからって、野菜は生で食べるものじゃなかった。化学肥料と台所洗剤の普及する1970年代以降の食べ方でしょうね。 1945年、日本を占領したアメリカ軍は、調布米軍基地に水耕農場を作って「糞尿を肥料とする日本の農業を非衛生的と嫌い、化学肥料による清浄野菜の生産を始めた。」(※4) 1947年から1961年のあいだ、レタス、きゅうり、トマト、セロリ、クレソン、キャベツ、人参、ブロッコリ、大根、メロン、スイカが収穫された。朝鮮戦争のときは在韓米兵へ空輸されたんだって。 ※1 1969『らいおんみどりの日ようび』中川李枝子、山脇百合子画、福音館書店(2004年第36刷) 一番上にもどる |
(494)アルフレッド・狛犬さん な | |||
おかあ― 生野菜が摂りにくいのよね、旅行中って。 アルフレッド― 女将さん、どこ行ってたんです? おかあ(=女将)― 大分。 大分駅前、発車寸前のバスに飛び乗って、やれやれと思ったら、別方向だった。 しょうがないからバス降りて歩き始めたんだけど、カンカン照り。 日傘さして、ヒイヒイ言いながら歩いて行ったら県庁のビルが見えた。 官公庁なら地下に食堂があるはずだ、って、入って行った。 そしたら9階に展望の良い食堂があって、昼食バイキングが750円、生野菜も摂れたし、デザートに大分名物の「やせうま」(※1)も。 リーズナブル! 三太― おかあ、豊肥本線に乗って、豊後大野市犬飼町へ行く。 地元のおねえさん曰く― 「きのう、犬飼駅開業101年のイベントやってたんですよ」 観光特急「あそぼーい!」が臨時停車したし、「101周年わんわん総選挙」の投票結果発表があったんだと。(※2) おかあ、総選挙があるって知ってたらおらの写真を応募したのに、って、残念がる。 『デトロイト・メタル・シテイ』っていうアニメの聖地なんだってことも、帰宅してから分かった。 そりゃ、事前調査が不十分だったってえことだ、反省猛省すべきだ。 おかあが駅舎へ戻ると、柴犬はなちゃんが迎えてくれた。 総選挙で堂々の第一位に輝いた、犬飼駅の名誉駅長だ。 真向かいの自宅から毎日毎夕、駅に通って、待合室で乗降客を送迎している、無人駅の実質駅長、写真は『朝日新聞』(※2−2)にもバッチリ載ってる。
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(493)アルフレッド・狛犬さん ね | |
アルフレッド― 猫のコマル・ガブリエル君(※1)に会えなくなった、って女将さん、しょんぼりしてますね。 三太― 大正12(1923)年生まれの大姐御(※2)にも会えなくなった。 お盆だ、って、心の中でお線香あげてる。 ひつじの若葉― 立川のヤギさんたちにも会えなくなった、って、新聞に出てた。(※3) 立川の先生― 立飛のヤギの継続観察さすがです‥、地元にいながら知りませんでした。 跡地(元陸軍飛行第5連隊格納庫跡地)には温泉付きの高級ホテルを建てるとか、歴史が抹殺されていきます。 若葉― お別れ会には、ヒツジのサトル君も久々に参加したんだって。 立川での仕事って、観客の人気は高かったけど、労働者にとっては、木陰のない平地での過酷な仕事だったと思う。 ヤギさんたち、那須の山のなかで暮らせるハッピー・リタイア!!だといいな。 おかあ― 若葉図書館で、ガブリエルに遇った!(※4) 初対面の相手に、挨拶ぬきで頭突きをかます、引き分けるヒトをガブる・・・ コマル君のほうがよっぽど紳士だったと思う。
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(492)アルフレッド・狛犬さん つ | |
アルフレッド― 【ツツが無しや】って、鉄砲を数えているんですね。 真夏にウサギ狩りをやるんですか?(※1) ライオンドワーフは、僕の一族ではありません。(※2 写真) 三太― 違う違う、【ツツ】=鉄砲、じゃなくって【ツツガ】だ。日本の古い言い回しで、「お元気ですか」「ご無事ですか」ってえ、挨拶だ。 おかあ、猫のウメちゃんのおかーさんに、正月に「陽気がよくなったら一緒に鎌倉へ行きましょ」って言ったっきり、春が過ぎて、ニュースが真夏日だって言う頃になっちまった。(※3) 気になって「つつがなきや」ってえ、メールを送ったけど、猫のウメちゃんのおかーさんから返事が来ない。 いつもなら数時間のうちに返信くれるのに、って、ますます気になって、電話かけた。 わかった、猫のウメちゃんのおかーさんのPCが故障してたんだ。PCに「ツツガ」があったんだ。 アルフレッド― 「ツツガ」って、要するに、さしさわり、ってことですか。 おかあー う〜ん、ツツガムシ病というのは、ツツガムシって名前のダニの幼虫が媒介する感染症。風土病として恐れられた時代もあったんだって。 猫のウメちゃんのおかーさん― 大変遅くなりましたがパソコン修理から戻って来ました。 情報ファイルは毎号届いていますのでご安心下さい。 ファイルのおかげで三太くんとはダチのつもりでいますよ、一緒にお散歩行きたいです。 三太― メル友っていいもんだ。 おかあ、「つつがなしや ともがき」って歌いながら、おらのお散歩グッズを持ち出してきた。 猫のウメちゃんのおかーさん― 暑くてもお散歩は欠かせないものよね。 梅雨明けしたような暑さがこれから続きそうです。 三太くんもおかーさんも気を付けて行ってらっしゃい(^^)/ ※1 尋常小学唱歌「故郷」 http://www.d-score.com/ar/A02040801.html 一番上にもどる |
(491)アルフレッド・狛犬さん そ | |
図書館で、ソウルの本が並んでるのを見たおかあー ソウルの宮殿で会ったのは、ライオンじゃなくって、ヘッテだった。(※1) ソウルの街角にいたのは、虎かな、ライオンかな・・・(写真 2008.8.27撮影) アルフレッド― みーんな、僕の一族です。 ひつじの若葉― 「レオ 壮快 豪快 痛快」だって(※2)。 アルフレッドの一族って、すごいんだね。 アルフレッド― いや、それほどでも、と、謙遜して見せるのが、「日本の伝統」なのですかね。 ま、もともと、僕ら、ライオンですから。 ヒツジが丘の牝牛さん― レオ、って言ったら、レオナルドでしょう。 おかあ― レオナルド・ダヴィンチ? こないだ、図書館で『レオナルド・ダ・ビンチの童話』という本も見せてもらった、ライオンのお話もあった。(※3) ヒツジが丘の牝牛さん― 古いですねえ、レオと言ったらディカプリオですよー。 ディカプリオは気候変動に取り組む国連平和大使に任命されていて、環境保護活動家でもあります。 彼がレポーターとなって作られたドキュメンタリー映画は「地球が壊れる前に」です。(※4) ヨロシク(^^)
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(490)アルフレッド・狛犬さん れ | |
ひつじの若葉― レオって、レオパード、レパード leopard のことでしょ? 日本語だと「ヒョウ」って。 おかあ(=むらきのおばさん) え? 改めて聞かれると・・・ おかあ、例のごとく、図書館のおねえさんに相談しに行く。 おねえさん、<レオ>ってタイトルの本を探してくれた。(※1) おかあ― わっ! この『おそざきのレオ』って、どう見ても虎! 『キングレオ』は、ヒトの雄。 『レオは おうさま』は、雄ライオン。威張るだけの王様なんかいらない!って、動物たちに廃位されちゃったんだ。 アルフレッド― 日本でレオって言ったら、『ジャングル大帝』のライオン・レオのようですね。マンガ界の帝王であり、鉄道会社の野球チームの看板獣を1978年から40年間勤め続けてますから、日本で一番有名なライオンなのではないでしょうか。 若葉― 『ジャングル大帝』のレオは、耳の先としっぽの先だけが黒くって、あとは全身真っ白なんだ。 かこのおじさんの描いた、いずみがもりのからす・「オモチくん」は真っ白だったね。(※2) アルフレッド― 女将さん、出ていきましたよ。 あの格好は、若葉の森の保全活動ですね。 興奮して帰ってきたおかあ― 若葉の森で、カラスに脅された! (※3) アルフレッド― 女将さん、【子育て中! 襲うことがあります からすの ママ パパ】ってプラカード作って飛び出して行きましたね。 若葉の森には、保育園のこどもたちがよく来ますからね、園庭の代わりに。 ゾンビが、保育園にゃ園庭がなくてもいい=待機児童数を減らせる、って政策を進めてきましたからね。ゾンビの頭には、子どもにとっての保育の質、なんてないんでしょうね。(※4)
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(489)アルフレッド・狛犬さん た | |
> おかあ(=女将)― たいへん たいへん たいへんだー アルフレッド― なんです、女将さん? きこりの じいさまが たいへんで、くまの ふうふが たいへんで、しかの おやこが たいへんで、いのししの きょうだいが たいへんで、うさぎの かぞくが たいへんで、りすの しんるいじゅうが たいへんで、女将さんも たいへんなんですか? 三太― いや、今日は絵本(※1)のお話じゃなくって、リアルにおかあ、たいへんなんだ。 2年も前の或る日のこと訊かれたもんで。 或る役所の会合のテープ起こしを見せられて、「間違いありませんね?」って訊かれた。 2年も前のことなんて、おかあが覚えてるわけがねい。 おかあ、「たいへん たいへん たいへんだー」って、『日記』ひっぱりだしてきた。 アルフレッド― ほお、女将さん、日記なんて書いてるんですか、意外と几帳面なんですね。 三太― 日記ったって、スペースが小さいの、いいことに、ほんのちょっとメモするだけだ。 2年前の或る日の欄にゃ、会合名も会場名も、自分だけに通じる略称しか書いてねい。 発言者の名前だって、日記に書いてあるのはAさんだけだ。 テープ起こし見ながら、おかあ― そうか、BさんCさんも発言したんだっけ。 (と言いながら、「B、C」を日記に書き加えて) <こうして歴史はねつ造される>。 アルフレッド― 女将さんは私人ですが、公人中の公人なら、いつ誰と会ったか、本人が思い出せなくても、新聞の「○○動静」欄で確認できますね。(※2) 三太― ところが、「○○動静」にすべて載ってるわけじゃねんだと。 とにかく、どんな証拠をつきつけられても、「あなたが作ったストーリーだろう」って言えばいいんだ。 これって、家庭内論戦においても有効な論法だ。 浮気の証拠写真なんて、あなたがねつ造したんだろう、って開き直ればいい。 検察だって、「意図」が認定できないからって、不起訴にしてくれることもあるんだから。(※3)
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(488)アルフレッド・狛犬さん よ | |
◎おらあ三太だ! ひつじの若葉― 欲張りすぎた猫が、育てたヒヨコって、アヒルじゃなくって、鴨だったんだー(※1) アルフレッド― からすのパンやさん一家の生みのお父さんが、亡くなりましたね。(※2) 三太― うん、おら、かこのおじさんから、鬼ごっこの理論を学んで実践して来た。(※3) おかあは、缶蹴りのこと教えてもらった。(※4) おかあ― かこさとしさんの膨大な仕事の、ほんの一部しか見てないけど、私は『ぼくのいまいるところ』が一番好きだな。 かこさんの絵本は、こないだ行った山の村でも、「保母さんがすすめる一冊」欄に『からすのパンやさん』をあげていた。(※5) 保育所の子どもも保母さんも、険しい山の上の自分たちの保育所のすぐうしろに、からすたちの<いずみがもり>があるような感じだったんでしょうね。 若葉― ふう〜ん、『からすのてんぷらやさん』読んでみるね、パンやさんの続篇なんだって。(表紙) えっと、裏表紙には― “いずみがもりに「からすのパンやさん」がありました。 ちいさかった4わの子どもたちは、おおきくなって りっぱなわかものと、きれいなむすめになりました。 火事でお店がやけてしまい、おちこむてんぷらやさんを励ます、心やさしいレモンちゃんのおはなし。“ 本文――てんぷらやが、お店再開にこぎつけた翌日、火事で目を傷めていた天ぷら屋の息子 “イワくんは みえない めを いたわってくれた おれいのこころを こめて― レモンさんに、ぜひ てんぷらやの およめさんに なってほしいと たのみました。“ だって。 なんで、4わの子どもたちは「立派な娘と、きれいな若者」にならなかったのかな。 お礼の心で、家の嫁になってほしい、って、どういうこと? ※1 1980『よくばりすぎたねこ』さとうわきこ作、PHP研究所
※5「●保母さんがすすめる一冊 (大谷へき地保育所) 『からすのパンやさん』」『広報むらおかの窓』?209、1990.4 |
(487)アルフレッド・狛犬さん か | |
アルフレッド― 神頼み、したんですか? テラさん 三太― 犬の神社へ行った(※1)、ってえ、写真見せてもらったっけ。お受験の合格祈願だったのか。 テラさんのおかーさん― お正月に、東伊豆の神祇大社へ行ったんですけど、そのときは、お受験のこと、公表してなかったもので。 テラ13歳。歳をとったせいかますます誰とでも、どの犬とでも、赤ちゃんとでもフレンドリーにできるので、ふと思い立ち、セラピー犬に向いているのでは?と、日本アニマルセラピー協会の説明会へ行ってみました(※2)。 昨日、我が愛犬テラ、三島訓練所でセラピードッグ認定試験(※3)を受けました。 試験料5000円・登録料2万5000円かかりますが(涙)・・・。 試験の前に、トリミングに出してきれいにして、私のほうがドキドキしながら受験。 飼い主以外の人のコマンドを聞けるか、他の犬と一緒のスペースでもOKか、口や耳、お尻など人にどこを触られてもOKか、など30分くらいの試験です。 テラ、歳の功で、難なく合格。 アルフレッド― 合格おめでとうございます。 セラピー犬デビューはいつですか? 13歳のハローワーク(※4)、「就職」ですね。 三太― おら、むらき家に来た時から、13年間ず〜っと、「アニマルセラピスト」として働いてる。(※5) 担当する患者はおかあとおとうに限ってるが、365日24時間勤務、無給、無断外出は警察沙汰にされる、苛酷な仕事だ。 「国勢調査」では職業とみなされねいけど、まぎれもなく「就労」してる。 ひつじの若葉― むらきのおばさんちへ、「職場進出」(※6)して来たわけ? 「パンパカパーン!!」ってファンファーレで送り出されたりして? おかあー 「職場進出」とは言わないような気がする。三太はオスだから、かな。 アルフレッド― 日本では女性が仕事するとき、わざわざ、「職場進出」とか「社会貢献」とかって、価値づける言い方をするんですね。 日本の男性はみんな、「自分は職場進出している」とか「社会貢献したいから働くんだ」とか、思って働いてるんですか?
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(486)アルフレッド・狛犬さん わ | |
◎おらあ三太だ! 三太― おかあ、忙しがってるんで、今日は、若いころの発言(※)をくりかえすにとどめる― おかあ、「性別にとらわれないで生きられる社会が理想だ」なんて、言ってるけど、ほんとはジェンダーに骨がらみだ。 ポチは「○○○トウをぶっこわす」って言って、永田町を乗っ取った。 おら、おかあの常識をぶっこわして、「情報ファイル」を乗っ取る。 アルフレッド― 三太君が「情報ファイル」を乗っ取って12年もたつのに、「常識」はなかなかぶっ壊れないみたいですね。 こないだの山の村での見聞は、女将さんの「常識」をかなり揺るがしてるようですが。 〇〇〇トウも、誰に乗っ取られてもぶっ壊れてないし。 ※(5)三太ジェンダーフリー (第210号 2005.10.17) 一番上にもどる |
(485)アルフレッド・狛犬さん お | |
アルフレッド― 『おとどけものでーす!』って、呼んでるようですよ。 女将(=おかあ)― 魔女のキキかしら? (※1) 三太― 空を飛んでるの、見なかった。キキじゃねいみたいだ。 春野運送は海辺の町にある宅配便屋だ(※2)。 荷物を積んでるのは、おらんちあたりでも良くみる車だ。 しゅっぱーつ! 町を抜け、トンネルを抜けるとまだ雪が残ってる。 峠の道をくだって、山の村の子どもたちに、薄緑色の箱を届けていく。 「おとどけものでーす」 どこの家にも子どもがいる。 おかあ― こないだ行った山の村(※3)では子どもに一人も遇わなかった。 村岡町だった1989年(平成元年)には、9カ所の保育所に通う子どもが168人いた。幼稚園が3つ、109人。 合併して香美町のうちの村岡区になってる2015年(平成27年)には保育所は3カ所、子どもは63人。幼稚園が3つ、38人。 念のため、香美町のホームページを見なおしたら、この春、2018年4月っからは、村岡区の保育所はたった1カ所、定員75(予定)になっちゃった! 面積165.66?の地域に、保育所が1つと幼稚園が3つ。しかも、この村岡区では、5歳児になるとき、みーんな、幼稚園に移るんだって。つまり、保育所には五歳児はいない、幼稚園は年長組だけ、って。 山の村で、子どもを見るのはほんとに稀。 おんなじ兵庫県でも、西宮市(※4)は面積100.18?のとこに、保育所とか幼稚園とか認定こども園とか、要するに小学校入る前の子どもが集団で過ごす施設が240幾つもある。それでも足りなくて来春、「認可保育園(定員120人)を新設する。(※5)」 『朝日新聞』によると、昨年4月に「待機児童が200人以上いた57市区で計23万1667人が申し込み、計6万735人が落選した。落選率は26.2%」だったって(※6)。 アルフレッド― おんなじ日本と言う国の、おんなじ県で、そんなに違うなんて、信じがたいですね。 過疎地でも都会でも、日本のヒトは、子どもを育てるのにものすごーく苦労してる。 ゾンビがいくら欲しがっても、子ども2人以上産む夫婦はふえそうにありませんね。
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(484)アルフレッド・狛犬さん る | |
ひつじの若葉― 知ってる? 魔女のキキの生みのお母さん(※1)が、【国際アンデルセン賞】受賞するって。 むらきのオバサン(=おかあ)― 『ルイジンニョ少年 ブラジルをたずねて』っていうのが、角野栄子さんのデビュー作だそうね、まだ読んでないんだけど。 『魔女の宅急便』の、アニメ(※2)見たの、いつだったかなあ・・・ 女の子が、僅か13歳で知らない町で一人で生きていく、っていうのにも、男の子を救う、っていうのにも、なんか、まぶしいみたいな、嬉しいみたいな感じがしたっけ。 若葉― 舞鶴市の相撲会場で、倒れた市長を救ったのは、即座に心臓マッサージを始めた女のヒト(※3)。突発した緊急事態に、「私がやります!」って・・・すばらしい行動力。 私もああなりたい・・・ 王子様を待ってるだけで、自分は何〜んにもしないヒロインなんて、うんざりだよ。 むらきのオバサン― 『魔女の宅急便』、アニメを見て何年もたってから、初めて原作を読んだ。 で、原作とアニメの違いに、脚本の【力】を感じた。 宮崎駿ファンとして、『魔女の宅急便』『風の谷のナウシカ』、毅然とした女の子を描いてて大好きなんだけど、『風立ちぬ』には失望した・・・。 アルフレッド― キキは飛ぶ特技を活かして、宅急便屋を始めたんでしたね。 若葉― 16歳になったら、薬屋も始めたよ。くしゃみの薬を作って売るんだって、「くすりぐさ」を栽培して。 アルフレッド― 女将さんも、何か植えましたね? 三太― ああ、この冬、落葉をいけこんだ床に、ドウダンつつじとオレンジの苗木を植えた(※4)。 この一年、おらの散歩圏でも、市役所近くでも、隣りの区でも、なんかやったら木を切る例が多くって。 ささやかながら、レジスタンスのつもりなんだろ。
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(483)アルフレッド・狛犬さん ぬ | |
ひつじの若葉― 「抜け毛アート」って、知ってる? おかあ=むらきのオバサン― 何それ? 三太の抜け毛なら、やっとピークを過ぎたとこだけど。 ひつじの若葉― ヒトって、ものずきだねえ、私の毛を加工するだけじゃなくって、このごろ、ネコやイヌの抜け毛を集めて遊んだり、小物や帽子なんか作ったりしてるんだって。 ペットロスを癒されてるヒトもいるんだって。(※1) アルフレッド― ロスっていえば、ゆうべ、女将さん、大騒ぎしてましたね、 「三太が居ない!」って、テーブルの下覗いて、カーテンの陰探して・・・ 三太― おら、夜食のあと、庭に出た。 いっきに桜が満開なったって、テレビが言ってた。 おらも夜桜見物といきたいんだが、うちにゃ桜はねい。 スモモが満開なってんで、夜スモモ見物することにした。 そのまんま、スモモの根元で丸まっていい気分で寝てたら、 「居た!!!」 おかあの懐中電灯で照らし出されて、目が覚めた。 おかあ― 今日撮った、アルフレッドと三太のツーショット。 見て。(※2写真)
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(482)アルフレッド・狛犬さん り | ||
アルフレッド― 女将さん、旅行してたんですか? 女将― そ、旅行っていうほどじゃない、一泊二日の駆け足だったから。ただ、準備と後片付けで、忙しくって・・・ アルフレッド― で、どこへ? 女将― 兵庫県の、山の中。平成の合併前の村岡町に「へき地保育所」というのが6カ所もあったって聞いたんで、見に行ったら、平成14年度(2002年3月末まで)までで廃止になって、「子育て・子育ち支援センター」になってた。 村岡区では平成27年度(2015年)、3つの保育所に合わせて71人、小学校3校合わせて217人。(※1) 三太― 調布市は、人口が1年間に2600人も増えた。おらんちの前の小学校では、2年続けて50人位ずつ増えるってんで、この冬、3教室のプレハブ校舎を建てた。(※2) 過疎と過密と、すご〜い、偏り。 女将― で、アルフレッド、君にも遇ってきたよ。 アルフレッド― どこに居ましたか? 女将― 姫路の公園。 JRの播但線にも、山陽電鉄にも、初めて乗って、「手柄」駅から歩いて、「手柄山中央公園」行ったの。 「太平洋戦全国戦災都市空爆死没者慰霊塔」という、軍人ではない戦没者の慰霊施設。(※3) 塔の形は「刀を地中に突き立てた形で「もう戦争はしない」ということを表現している。」 慰霊塔への途中に、ライオンが2頭。どっちも口開けてるから、「ア・ア・タテ・タテ」型ね。(※4写真)
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(481)アルフレッド・狛犬さん ち | |
アルフレッド― 「ち・み・もう・りょう」って、なんです? 女将(=おかあ)― 漢字で書くと「魑魅魍魎」、とっても難しくって、書けない、読めるけどね。 ようするに、お化けとか妖怪とか、らしい。 おかあ、深大寺のだるま市に行った。 ものすご〜いヒト、人、人。露店もい〜っぱい。 おかあ、「妖怪カステラ」買った、調布の名物だ(※1、写真)。 これから会うテラさんのおかーさんにプレゼントしようって。 おかあ― 「妖怪カステラ」って旗見て、てっきり、水木しげるさんの、鬼太郎とか猫娘とかだと思って買ったんだけど、ポケモンだったみたい。 帰ってきたおかあ、郵便物を見る。 『鐘声通信』第461号(2018.3.2)に、こんなこと書いてあった― 群馬県に、かつて柏木義円(1860〜1938年)という牧師がいました。身は片田舎の安中の地にありながら、世界を眺め、日本に警鐘を鳴らしていました。朝鮮植民地支配に対しても、組合教会の朝鮮伝道のあり方や、三一運動への弾圧などに鋭い批判を加えたりしました。その主な舞台となったのが自ら発刊した『上毛教界月報』で、459号まで出し続けました。 前号で本通信が460号となり、ひそかに目標としていた『上毛教界月報』を越えました。号数だけでなく、内容面においても同誌に少しでも迫れるよう、今後もメンバーの意欲が続く限り、努力を重ねたいと思います。(編集部より) すご〜いミニコミだなあ、って感心してるおかあ、おら、481号だぞ。 柏木義円先生にゃあ遠く及ばねいけど、おらなりに頑張ってんだ。 読者の皆さん、これからもよろしく。 ※1 水木 しげる(1922年- 2015年)は、日本の妖怪漫画の第一人者。東京都調布市の名誉市民。代表作「ゲゲゲの鬼太郎」 一番上にもどる |
(480)アルフレッド・狛犬さん と | |
多摩のかぐや姫さんから― 三太くん、前号、なんでお休みだったの? 三太― 11年たっても、元・学校の先生だ、出欠にキビシイ。(※1) 欠席理由は「家庭の事情」ってえか、「家事都合」。 保護者が、抜け毛を追い回してるだけでくたびれた、って、欠席届をちゃんと出さなかったんだ。 おかあ、久しぶりに会った[太郎のカッカさん]とおしゃべり。 前々号でとりあげた、アーサー・ビナードさん(※2)って、すご〜いヒトだ、って。 日本語が上手な外国人だというだけじゃなくって、言葉の背景の、大人になって出会った日本と自分が育ったアメリカ合州国との、それぞれの教育や歴史、価値観の違いを見渡しながら、国境を越えて人としての立ち位置を示してくれてる、って感嘆したら、 太郎のカッカさん― 私はラジオで聞いてるけど、本になった文字を読むのでは伝わらない、アーサーの声の調子・抑揚なんかから、話者との関係までもうかがえる。 たとえば、「玉砕」と「玉音」がどっちも「玉(ぎょく)」だけど、どう違ってどう同んなじなのか、というアーサーの問いかけは、そういうもんだ、と思い込んできた私には目からウロコがポロポロなんてもんじゃんない、バッカバッカ剥げ落ちた。 おかあ― 「玉音放送」を、東京陸軍幼年学校の焼け跡で聞いた西村京太郎さんは、87歳になって書いた本『十五歳の戦争』(※3)に、「玉砕」のこと書いてる。 惨憺たる戦闘だった筈の日本の “守備隊の戦いを「玉砕」という言葉で美化したのだ。 日本の守備隊を美化すれば、戦争自体も美化され、敵のアメリカ兵も、美化されてしまう。敵のアメリカ兵だけ、悪の権化のように思えといっても、無理な話である。玉砕という美しい言葉が続けば続くほど、アメリカ兵も、美化されていくのである。“って。 「玉音放送」を聞いたとき、西村さんは14歳、当時は幼年学校生徒。 一期上までは学費を払う学生だったけど、1945年4月1日入校した西村さんたち四十九期生から学費が免除され、逆に、月五円の給料が貰えることになった。学生ではなく、兵士になった。 アルフレッド― 75年前の日本では「少年兵」と言っても、いろいろなコースがあったそうですね(※4)。 今の世界標準で言えば、みんな、「子ども兵」(※5)ですね。
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(479)アルフレッド・狛犬さん へ | |
「平和に対する罪」(※1)を問われた人たちがいたのはどこだろう?って、図書館の司書さんに尋ねたアーサー・ビナードさんは、 「いわゆる『スガモ・プリズン』のことですね。今はサンシャインシテイに生まれ変わっています」 と聞いた瞬間、どうして「サンシャイン」と命名したのか、パッと見えた思いがした。(※2) 太平洋戦争中、「思想犯」を収容していた同じところに、敗戦後、「戦犯」が収容された。 “支配者が入れ替わると、きのうの「ヒーロー」がきょうの「犯人」にされるものなのだ。”って。サンシャインとイメチェンしたのは、“歴史を消し去ることにもなりかねない。”って。 昔、或る国に、政権打倒を共謀し、密輸や殺傷事件などに関わったテロリストたちがいた。内戦を勝ち抜き、革命に成功した彼らは「志士」と称えられ、リーダーは「元勲」として権勢を極めた。(※3) 彼らは、自分たちが作った体制を批判する人を「思想犯」だと弾圧した。 今年は、「明治150年」だ。 おかあ、おとう、珍しく二人そろって真剣にテレビ見入ってる。(※4) 凶暴化して殺処分しかない、ってとこまでいった飼い犬を更正させている訓練士さんと犬たちが映っている。 おかあもおとうも、つくづく、凶暴だったおらが、よくぞフレンドリーになった、って、深い感慨にふける。 おかあ― 石の上にも三年、三太とも十年。太陽政策!(※5) 翌日、お客さんが来る、おかあ、大きな賭けに出た。 おらをノー・リードで、リビングに居させて、お客さんをお迎えさせようって。 ピンポーン。 若い女の人が入ってきた。 おら、おかあのうしろに控えて、穏やかな表情で迎えた。 儀礼的に匂いをかいで挨拶すませると、テーブルの下の定位置に引っ込んで、2時間、存在を消していた。 おかあ、ウソみたいだ、って・・・感涙にむせぶ。 記念すべき「平和な日」だ。
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(478)アルフレッド・狛犬さん ほ | ||||
“ぼくは、4ねんせいで、おとうとの ゆうじは 2ねんせいだ。” 鉄道マニアの兄弟は、お年玉をはたいて、越後湯沢までの切符を買った(※1)。 雪が降っているところへ行ってみたい、って。 関東平野に住んでると、雪はわざわざ、見に行くものなんだ。 と思ったら、4年ぶりの大雪(※2)、積もらないうちに、っておかあと散歩に出たが、おらの足がもぐって、腹に雪が付きそうになる。 短足どころか、足無しだ、幽霊だって言われそうなんで、早々に切り上げて帰った。 夜のうちに20センチ積もった。 2018年1月22日からの大雪。東京では23日朝までに降りやんで青空が出たが、全国的にはさらに強い冬型の気圧配置が続いて、「列島、凍結」という見出しも載ってる。(※3) 皆さんに、「酷寒お見舞い申し上げます」 翌朝、おかあ、うちの前の道路の雪かき。 車と人が通れる幅を確保し終えて、雪スコをかたづける。 ふと見上げたら、門柱の上のシーサーが雪だるまになってる!(写真1) おかあ、雪スコをまた持ち出した。 いつまで、雪かきやってんだ? おかあ― シーサーが泣きべそかいてるから、相棒を作ってやってるのよ。 三太― 沖縄からおかあに連れられて来たシーサー、おらよりずっと年上だ。 ある嵐の夜に、「うん」は<風と共に去りぬ>。 以来、「あ」は独り、むらき家の門を守り続けて15年。 南国生まれの「あ」、身長15センチ。(写真2) おかあが作った雪の「うん」、身長80センチ。(写真3) おかあ― 「あ」に似せて作ったんだけど、籠神社(このじんじゃ)の狛犬(※4)に似ちゃった。 アルフレッド― ねずのおじさんの分類を借りれば、「ア・ウン・ヨコ・タテ」型ですね。
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(477)アルフレッド・狛犬さん に | |||
ライオンのアルフレッド― 女将さん、庭いじりですか。 女将― そう、お隣が、年末にお庭のこんもり茂ってた樹木、大小50本あったかな、ぜ〜んぶ、抜き取って、更地にして砂利敷いたもんで、建物が丸裸になった。 うちの庭まで丸見え。で、この際、新しい木を植えようかな、という気になって。 落ち葉が集められる今のうちに、穴掘って埋めとかないと、春になって苗木を植えるのに間に合わない。 去年から、三太と散歩する範囲だけでも、あちこち宅地造成が始まってて、樹木が減ってるし。 アルフレッドー ふう〜ん、計画的なんですね。 三太― おかあ、「計画性」とは縁遠いヒトだ。 むか〜し、小学校の夏休み前に、「計画的にすごしましょう」って言われたのが耳を素通りして以来、行き当たりばったり、が、おかあだ。 おかあ=女将− それは認めるけど、半年先の開花から逆算して球根植えるくらいのことは、やってる。 ただ、それが、11月が適期だと知りながら、12月になっちゃったりするだけで。 アルフレッド― まあまあ、女将さん、興奮しないで。 で、三太君、いよいよ出番ですね。 三太― おう、まかせとけ! おかあが、おらのポートレートを年賀はがきに載せてばらまいたもんで、反響続々だ。 ひつじの若葉― どんな? 松山に帰省していたあべちゃん― 三太可愛い…。 アシュラ童子さん― 三太くん、なかなかの面構えですね。 深大寺の元気おばさん― 賢そうな三太くんですね。今年もよろしく。 埼玉のブンちゃん― 長男が描いた犬です。三太くんに似ていませんか? さいたま市のK.S.さん― 昨秋訪朝。 かささぎの橋渡りたし 板門店 対話による平和を求めます。9条に手をかけさせたくない 三太くんは元気そうですネ 調布のデコちゃん― 凛々しいむらき三太君から比べるとちょっと気の弱そうな張子の犬ちゃんになってしまったけれど、弱い者も大事にされる世の中になるよう、今年も皆と力を合わせていきたいと思います。 世界の民話研究者さん― 久しぶりの三太君、ずいぶん白髪が増えたような。 年を取るのは私だけじゃないんだと再認識中です。 ※年賀状に三太が登場したのは、2006年、2007年、
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(476)アルフレッド・狛犬さん は | |
ライオンのアルフレッド― 正月のことを、「初春」というんですね、これからもっと寒くなるのに。 女将さん、今年の年賀ハガキの机上展覧会(※1)のテーマは? 女将― 今年は「いぬ」。 あえて、犬でない図柄をくださる方もあって・・・ 三太― 「猫のコマル君のおっかちゃんのおふくろさん」からは猫のイラストに、 「犬のように吠えるのではなく 猫のように冷静にしなやかに 考え、行動しましょう。 憲法九条を大切に!」 って。十二支のなに年でも、一貫してゆるがない猫派原理主義者のしたたかな宣言だ。 ただし、犬への偏見には抗議しておく。 マカオのワニさん― 「戌年」に「大熊猫」で失礼します。上野の香香もいいけれど、パンダを見るならマカオ・コロアン島の石排湾郊野公園にある澳門大熊猫館がおすすめ。 ここには開開と心心という親パンダと、健健と康康という赤ちゃんパンダがいるのです。 親のつがいを合わせると「開心」(中国語で「嬉しい」の意)。 そして赤ちゃんパンダは「健康」と、なんとも縁起のいい。 入館料は1時間10パカタ(150円)。郊外にあるため年中ガラガラ。時にはガラス越しにパンダと二人きりになれる。 館内は空調完備で、天候季節を問わず快適な癒しの時間をお約束します。 猫のウメちゃんのおかーさん― 狛犬の写真撮りに行かれず約束を守れませんでした。(ねずてつやさんお奨めの鶴岡八幡宮に行きたかったのですが・・・すみません)(※2) おかあ― いいから、いいから。 狛犬は逃げも隠れもしないで待っててくれるから、陽気がよくなったら、鎌倉へ一緒に行きましょ、ね? 中野区立歴史民俗資料館のおねえさん― インターネットミュージアムというサイト内で、干支の動物を出品して、人気投票しようという企画に、ワンコを出しております。 香川県高松市の犬の張子です。「狆鯛(ちんたい)」と申します。 よろしければ、ポチぽちっと投票していただけると(コメントもいただけると)喜びまする。 投票していただいても、なにもお返しできないのは心苦しいのですが、 いろいろな犬の顔をみて、楽しんでいただけるのではないかと思います。 投票期間は 1月31日(水)15:00までです。 年明け1.6〜「犬の絵馬と動物たち」の展示を担当いたします。 http://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/403200/d025098.html 中野は徳川将軍綱吉がもうけた「犬の御囲」があったところなので、年末は取材があいつぎました。軍用犬についてもちょこっと触れております。 ご興味がございましたら、足をお運びいただければ幸いです。 今年もみなさまにとって、ワンだふるな年となりますよう。(※3写真)
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(475)アルフレッド・狛犬さん ろ | ||||
アルフレッド― 女将さん、今年のクリスマスはどう過ごしたんです? 女将(=おかあ)― ロシアのわらべうたの絵本(※1)読みながら、サンタパン(※2)食べた。 「おーい くまを つかまえたよ」って人を呼んだ子は、 熊を連れてこられないなら、「おまえだけ こっちへ おいで」って言われて、 「だめだよ はなしてくれないんだもん」 なんだか、身近にありそうな話。 三太― むらのとおりの まんなかでは、オンドリが2羽のメンドリにつつかれてる。 今年は酉年だったけど、オンドリが派手なトサカを振り立てて目立ちたがった。 おかあが選んだポルトガルのガロも、オンドリだ。(※2) メンドリたち、ジェンダー平等実現の時代にそぐわねい、って、オンドリをたしなめてんだろ。 ※1 『ねこくん いちばで ケーキを かった―ロシアのわらべうた』ユーリー・ワスネツオフ絵、たなかともこ編訳、岩波書店、2014年。p. 7−8「とおりで」(挿絵) 一番上にもどる |