<その22>
(596)アルフレッド・やぎさん……2021/6/29(591)アルフレッド・スズメバチふたたび…2021/5/5 (592)アルフレッド・お役立ち論議その2…2021/5/11 (593)アルフレッド・背中…2021/6/1 (594)アルフレッド・カチカチ山(4)…2021/6/12 (595)アルフレッド・粉ミルク缶(3)……2021/6/22 (597)アルフレッド・副反応……2021/7/15 (598)アルフレッド・五輪の名目……2021/7/23 (599)アルフレッド・三人きょうだい……2021/8/10 (600)アルフレッド・ゴーヤその1……2021/9/23 |
(601)アルフレッド・ゴーヤその2……2021/9/23 (602)アルフレッド・紙の重み……2021/9/25 (603)アルフレッド・久々のヤギミルク……2021/10/10 (604)アルフレッド・さらにヤギミルク……2021/10/20 (605)アルフレッド・いま浦島……2021/10/2 (606)アルフレッド・親ガチャ……2021/10/29 (607)アルフレッド・ご馳走……2021/11/9 (608)ご挨拶 むらき数子……2021/11/19 (609)表彰状……2021/12/5 (610)移住……2021/12/16 |
(611)猫の手……2022/1/7 (612)かるた取り……2022/1/27 (613)虎か猫か……2022/2/4 (614)虎かライオンか……2022/2/19 (615)虎か獅子か……2022/2/19 (616)虎か豹か……2022/2/28 (617)虎は何色?……2022/3/18 (618)右往左往……2022/3/18 (619)赤と黒……2022/3/26 (620)白とピンク……2022/4/10 |
(620) 白とピンク | ||
アルフレッド― 女将さんが株分けした雪柳が今年も白い花を咲かせました(※1)。 去年、皆さんに紹介した株(※2)は、今年も満開。 「猫のコマル君のおふくろさん」からきょうだい株の写真をいただきました。
今年はとくに見事な花をつけてくれたので、見せたくなって写真を送ります。 とても実物のようにはいかないけど。 後ろのピンクのはわたしが植えたもの。 小型の桜みたいできれいです。 手前の枯れ木はモモの墓の桃の木。 この隣にむらきさんの雪柳を植えたんですが、そっちに精気を吸い取られたのか今年は花をつけません。 三太― 猫のコマル君の庭は、5階建てマンションの屋上だ。 若い頃、5階から地上に転落しちゃったことがあったんだと。(※3) おかあ― 今年は、去年より冬が寒かったんで、梅の開花が半月以上遅くって、アッというまに満開になってアッという間に散ってしまった。 白いスモモの花が、地味に頑張ってる、ようやく、花桃が咲き始めたのが3月25日。 うちの花桃は、一株で白とピンクの両方の花が咲く、いわゆる「源平」。 アルフレッド― 日本では、二項対立というと「紅白」なんですね、長年続いてるという大晦日の歌番組も「紅白歌合戦」だし、今年の大河ドラマも「源平」そのものだし。 僕の国では、15世紀に、王座をめぐって血で血を洗う内戦が30年も続きました。 僕が生まれるずっと前のことなので、また聞きですが―(※4) ようやく、勝ち残って王座に就いた者が、赤薔薇と白薔薇を組み合わせた「テューダー・ローズ」を紋章とした、ので、「バラ戦争」と呼ばれるようになったようです。 「テューダー・ローズ」は「赤×白=ピンク」ではなく、赤い花弁の真ん中に白い花弁が共存しています。
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(619) 赤と黒 | |||
アルフレッド― 女将さん、ウクライナ侵攻以来、すっかりウツに落ち込んでます。 三太― 言葉が出ない、失語症っていうのかも。 72歳・八重さん- 日々のニュースを見ると本当に悲しくなります。 破壊されていく街、人々の生活、生命……守るためには武器を手にして戦うしかないのかと。 ウクライナ大統領は「圧力によって平和を取り戻すことができる」と演説しましたが、「戦争を放棄している日本」にできる「圧力」ってなんだろう? 今日のNATO会議などのニュースをみると世界大戦になるのではないかと恐くなります。 私は戦争反対の署名や気持ちばかりの支援金ぐらいしか願いや祈りを伝える事は出来ないのですが、それは自分の気休めにしかならない気がします。 三太― 「気休め」上等、何もしないより絶対にいい! アルフレッド― 女将さんときたら、体を動かしてごまかしてます。 なんと、生け垣に仕立ててる雪柳を1株掘りあげちゃいました。 おかあ― 急に「夏日」だなんて、気温が上昇したもんで、雪柳が突然いっせいに芽吹いた。 で、枯れてしまった株が目に付いたんで、葉っぱが茂るまえに、抜き取って元気な株を植え直した。 ふと、上を見上げたら、ピンクの梅が突如満開になっていた。 下を見たら、池の水面が、動いてる―黒い金魚!(※1) 生きてたんだ! しかも、去年より一回り大きくなって、ひれがヒラヒラ優雅になって! アルフレッド― 女将さん、大感激しています。 「赤と黒」が仲よく泳いでるのが撮れた、「歳々年々同じからず」だって。 三太― おとうが対抗上、撮った、名付けて「人面魚」だと。
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(618) 右往左往 | |
アルフレッド― 女将さん、こないだ、駆けずり回ってましたね。 三太― ああ、日頃の備えがないと、どうなるか、ってえ見本。 おかあ― ある日曜日の夕方、前々日の昼に隣の席に座っていた知人が「陽性」と診断されたと知りました。 私は「無症状の濃厚接触者」ということになりました。 その週は、私もつれあいも、それぞれに対面の予定がありました。 一刻も早く、「陰性」だと確認しなければ…… ところが、日曜の夕方から月曜朝にかけては、検査の予約を取れず…… 市の「陰性の検査結果を確認する必要がある無症状の方」を対象とする「無料PCR検査」は、月曜日はお休み。 月曜日、朝から、検査を受けられる病院・クリニックを探して回りましたが、PCR検査の結果が出るのは翌火曜日。 東京都が無料配布している「抗原検査キット」は、申し込んでから、現物が郵送で届くまでには1~2日かかります。 藁にもすがる思いで、2か月に一回ほど利用している薬局に電話して「抗原検査キットがありませんか?」と聞いてみました。 「うちには今、在庫がありませんが、系列店に聞いてみましょう」と言って探してくれました。 ありがたかったです。 コミュニテイバスに乗って、隣の市の系列薬局にたどり着いて、「抗原検査キット」1個2200円を購入しました。 帰宅してキットを使って検査、結果「陰性」が出たのが午後5時でした。 ど~っと、くたびれました。 アルフレッド― 【教訓】ワクチンを受ける受けないにかかわらず、「抗原検査キット」を入手しておくよう勧めます。常温保存できます。 東京都の無料配布申込はこちら→ https://tokyo-testkit.com/ |
(617) 虎は何色 | |
アルフレッド― ※1 (616) 虎か豹か 第849号 2022.2.27 |
(616) 虎か豹か | |
おかあ― 虎は日本には居なかった、から、よけいに、いろいろに想像された。 今の日本、たいていの人は、虎は黄色に黒のシマシマ模様だと思ってる。 江戸時代の日本人は、縞柄だけじゃなくって、斑点の豹柄だと思ったり、 雄雌で柄が違うと思ったり。(※1) 龍虎と言ったように、超能力の持ち主だとも思ってた。 「虎は一日で千里を行き、千里を還る」って。 アルフレッド― で、その写真はなんです?(※2 写真) トラ柄のテヌグイですか? 三太― 手拭じゃあねい、「千人針」だ。 これを腹に巻いてると「弾丸除け」になるからって、出征する男に持たせるのが、日中戦争じゃ大流行した。 女一人が一つずつ、赤い糸で結び玉を作る、千人が合力すると効きめが高い、って。 虎みたいに無事に帰ってきて欲しい、ってえのが秘かな願いだった、と言われるけど、 防弾チョッキじゃないから、弾丸除けにはならない、現実はシラミの巣になった。 おかあ― 「赤紙」が来てから出征する日まで数日しかない、短時間にたくさんの女性に結んでもらうために、駅前や街頭に立ってお願いしたり、 女学校に持ち込んだりしたって。 一人一つずつなんだけど、「寅年の女性は、年齢の数だけ結んでいい」って例外があって、 1926年(大正15年)生まれのタネちゃん― 「学校では廊下に千人針の布がいくつも並べてあり、休み時間になるとそれをしないと遊ばせてもらえなかった。 私は寅年だから年齢の数だけ結ぶわけ、恐怖の千人針だった」(※3) 「五黄の寅年」生まれの女性は、さらに年齢の二倍の数結んで欲しいって頼まれた。 なんと、寅年生まれなら男の子も結んだんだって。(※4) 戦争中に頼まれた寅年生まれは、昭和13(1938)年、大正15(=昭和1=1926)年、大正3(1914)年、 明治35(1902)年、明治23(1890)年、明治11(1878)年、…生まれの人たちだった。 昭和25(1950)年生まれから以降の寅年生まれの人が「千人針」を頼まれることはなくって過ぎてきた 三太― 岩田重則さんって民俗学者が「このようなモノを二度と日本に発生させたくない」って言ってる。(※5) おら、大いに同感だ。 繰り返す、「戦争はイヤだ!」(※6) ※1 1860年「虎嘯生風 龍吟起雲」『病よ去れ 悪疫と呪術と医術』古河歴史博物館,2001年 |
(615) 虎か獅子か | |||
アルフレッド― 三太― ※1 コロナワクチン1回目と2回目は個別接種会場でファイザーを受けました。 (597)アルフレッド・副反応 |
(614) 虎かライオンか | |
猫のウメちゃんのオカーサン― 情報ファイルいつもありがとうございます。 「机上展覧会」(※1)の写真どれも可愛いくて、私もこの様な年賀状欲しかったよ~とジタバタしました。 多分頂けないので、来年は展覧会に出品できるような作品を私も作ってみようと密かに決意したのです。 きっと昨日の鬼に笑われましたね。 三太― 遅れて届いた作品を紹介しよう。 例年、旧正月に年賀状をくれる超国際派のMATさん。 前の年に行ったあっちこっちの国々での写真がギッシリ満載、写真の隙間に細かい文字がビッシリ、というパターン。 けど、さすがのMATさんも、コロナで出国できなくて、今年の年賀状に載せた写真は自分の顔写真一枚だけ。 裏返してみたら、シリアのマラちゃんが描いたトラがいた。(写真) ↓ 噺家先生― 僕は、落語「動物園」で虎を演じています。 ”ガァーオ” アルフレッド― 【落語】って何ですか? 【動物園】はZoo ですね、今はやりのZoom じゃなくって。 検索してみました。 「朝が弱く、力仕事が苦手で、口下手」な男が見つけた仕事、 「午前10時出勤、昼食・昼寝つきで一日一万円」って条件だそうです。 仕事の内容は「移動動物園で、虎の皮をかぶって、虎のふりをする」 噺家先生― さて、その顛末は…… 僕も念のため、ネットで検索したら、名人・桂米朝師匠(音声)と桂枝雀師匠(動画) が出てきました。 “オミクロンを避けて、自宅で動物園”お勧めです。 アルフレッド― やあ、落語って英語でも楽しめるんですね。 英語のタイトルが「White Lion(白いライオン)」。 僕も忙しいです。 噺家先生― ところで今年は寅年、阪神タイガースが活躍する年ですが、どうでしょう? ファンは“阪神半疑” ※1 (613)虎か猫か 第846号 2022.2.3 |
(613)虎か猫か | |||||||
アルフレッド― 寒中お見舞い申し上げます。 女将さん、恒例の年賀状「机上展覧会」やりましょう。 女将(=おかあ)― そうね、今年は寅年だから、まずわが家のトラにオープニングを勤めてもらいます。(※1) 続いて、「身代わり寅」のパレード。(※2) アニメの世界では、『TIGER&BUNNY』に登場するキャラクター「鏑木・T・虎徹」が一番人気だそうだけど、 うちに来た年賀状にはいなかったから、パス。(※3) お隣・韓国では、昨年、絶滅危惧種に指定されている韓国トラに赤ちゃんが生まれたんだって。(※4) 韓国は「虎の国」というだけあって、虎の絵も多種多様。(※5) 虎は韓国の民話のスターだって、ずうっと前に書いたことがあった。(※6) 韓国の昔話は、「むかし、むかし、虎が煙草を吸っていたころ……」で始まる。今日は煙 草はやめて、踊ってもらいましょう。(※7) アルフレッド― 女将さん、虎の近縁の僕はお呼びじゃないんですか? 三太― ライオンはまたの機会に。 おかあの友達にゃ、十二支の何年だろうと、いつもネコ年、ってえ頑強な猫派がいる。 おかあ― コロナ禍がオミクロン株で第6波、うちの周りにも迫ってきた。 学級閉鎖、宿泊療養、自宅待機、休業……お見舞い申し上げます。 コロナの終息を願って、猫のメイちゃんの「早くどこかに行きたいなあー」。(※8) 三太― オイル先生んちでは、昨年、猫ミチャさんが昇天した。 「38年ぶりのペット不在に耐えきれず(?)11月に14歳の保護猫の里親になりました」 ムサシ君だ。(※9) 調布のデコちゃんは、昨年で、毎年作ってきた干支人形がひとめぐりした。(※10) 4月に予定した展覧会が、コロナで開けなかった、残念だ。 リベンジを期待しながら、今年は何を作るのかな、って思ってたら、猫だった! ※1 写真1、虎のマグネット
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(612)かるた取り | |
アルフレッド― 女将さん、お帰りなさい。 発表(※1)、無事、終えられたんですね、良かった、良かった。 三太― 大先輩たちに取って食われちゃったんじゃないか、って心配してたんだぞ。 女将(=おかあ)― オネエサマたちからも、年下の先輩からもいじめられないで済んだ。 別世界から生還した、って気分。 ず~っと、新聞もメールも溜まってて、「諸日程」も更新してこなかったんで、後片付けがた~いへん。 アルフレッド― とりあえず、恒例の年賀はがきの「机上展覧会」(※2)、やりますか? 三太― おかあ、年賀はがきを溜めといた箱、持ち出してきて、並べ始めた。 元旦から3週間以上たってる。とにかく、一枚一枚、見て行く。 おかあ― 今年の干支の、トラの絵柄選び、だけやってるわけじゃない。 年賀状に記されている、その人の近況・異動を、住所録の備考欄にメモしていく。 何年もリアルでは会ってない人を思い浮かべて、胸の中で対話する時間。 アルフレッド― トラ猫のイッパイアッテナとブッチーが、こたつの上にカードを散らしてます。(※3) 「かるた取り」やるんでしょうか? 三太― 「かるた」じゃあねい。 ブッチーの元の飼い主・金物屋からの年賀はがきを探してるんだ。 ブッチーは、引っ越し先について行かなかったんで、元の飼い主がどうしてるか、ずっと気になってたんだ。 アルフレッド― 元の飼い主の移転先の住所、を知ろうとしてたんですね。 知ってどうしようとしてるんです? 三太― うん。金物屋は、甲府の町で「ほうとう屋」になってるってわかった。 で、ブッチーとルドルフ、猫2匹は、江戸川区から甲府市へ、電車の旅に出た。 おかあ― 東京都から山梨県へ、県境をまたいで行ったのね。 このお話を斉藤さんが書いたときは、まだコロナが流行ってなかったんだ。(※4) アルフレッド― 山梨県の県議会には、女性は一人だけだそうです。(※5) ※1 (611)猫の手 |
(611)猫の手 | |
アルフレッド― 年の瀬から、女将さん、忙しがってますね、あんまりご無沙汰すると読者さんたちに心配かけますよ。 女将(=おかあ)― 年末に、コロナ以来初めての遠出、日本海側に行ったら、大雪に遭遇しちゃった。 会食はキャンセル、鉄道は運休、 バスも案内所の人が「動いてはいるんですが、今どこを走ってるのかわからないんです」。 雪に閉じ込められる、立往生の恐怖。 ルートも宿も日程も変更して、ほうほうのていで帰宅した。 新潟の豪雪地帯で育った友だちが 「初めて東京の冬空を見たとき『なんなの、これー!』と思った」 って言ってたのを思いだした。 することがいっぱいあるのをおいて出かけてたもんで、忙しい。 知力・体力・気力ともに、年々低下してるから、年々忙しくなる。 「猫の手でも借りたい」って、昔の人が言った、そのとおり。 三太― 図書館のジロちゃんが、『ねこの商売』って本、貸してくれたぞ。(※1) 女将― 電柱に貼り紙があったんだって。 「ねこのて おかしします」って。 まねきねこ派遣協会、ってとこに電話すると… 三太― やってきた三毛猫「みけ」が説明した業務内容は、 「おそうじでも、るすばんでも、はえとりでも、ねずみの見はりでも、にゃんでもいたしますが、 いちばん得意なのは、客ひきでございます。」 おかあ、何を頼みたいんだ? 女将― う~ん、今、一番やってもらいたいのは、代わりに原稿まとめてくれること。 そうそうたる大先輩たちの前で発表することになってるのに、まだ原稿が出来なくて… 「みけ」の報酬は「客引き=招き猫」一日働いて、「はながつおの、ばんごはん」つまり「おかかご飯」だって。 原稿まとめてくれたら、「はながつお」1袋といわず、3袋でも5袋でも払うんだけど。 猫のコマル君のおふくろさん、どう思う? 猫のコマル君のおふくろさん― 「おかかご飯」とは、いまどき、質素だね。もっとグルメな猫缶、要求してもいい。 けど、そもそも、「おかかごはん」目当てで「客引き」を買って出るなんて、猫じゃない。 猫は「居る」だけでいいんです。(※2) 年末、偶然目に入ったテレビ番組で、なにかのきっかけで捨て猫を助けて里親探しなどにのめりこんでしまった人のお店に、 猫目当てのお客が集まるようになり、コロナ禍で危機に瀕していた商売が盛り返したという話をやっていました。 残りの人生で猫に恩返ししたいとのこと。 この場合「居る」だけで客引きしちゃったわけだけど、これが猫なのです。 アルフレッドー 猫のコマル君のおふくろさんには、「おとみさん」(※3)がお気に召すと思います。 薄墨色の縞々、おだんごのようなしっぽの猫です、本名「とみ子」。 一人っ子だったのに、おかあさんが赤ちゃんを産んで以来、子守どころか、 ぎゃあぎゃあ騒がしいのは嫌だって、ご飯のとき以外は二階に閉じこもってます。 二人目の赤ちゃんが生まれて、子犬の「べんけい」がもらわれてきて3年、9歳になるいまも2階に閉じこもっているので「おとみさん」と呼ばれています。 三太― そういうわけで、おかあ、発表の準備で背中の炎が燃え盛ってて、ダウンもしてられないんだと。 「情報ファイル」の発信もしばらくお休みするから、読者さんによろしくって言ってる。 ※1 2018 『ねこの商売』 林原玉枝文、二俣英五郎絵、福音館書店 |
(610)移住 | |
アルフレッド― 女将さん、今週は3日もクリニック通いしてますね、ダイジョブですか? 女将(=おかあ)― 一日は前から予約してたんだけど、お腹がジワーッと痛むのが重なったんで、急遽CT検査したり、歯医者さんにも行ったりで。 寒さが本格的になってきたせいかな、去年も11月に腹痛でダウンしたっけ。(※1) アルフレッド― 読者さんたちが心配してくれますよ、三太君の「移住」のケアのあとの「ひっこしうつ病」じゃないか、って。(※2) 三太― おかあも、経験もして年もとってきたから、おらが「アニマルセラピスト」(※3)をやめても、なんとかやってけるだろう。 けど、おらがこの一年、散歩の回数と距離を減らしてきたもんで、お供のおかあの運動量もすご~く少なくなってた。 そこへ介護で生活リズムめちゃめちゃの日が続いたもんで、体にはかなりこたえたみたいだ。 おかあ― 今日、クリニックの帰り道、ホームセンター行ってチューリップの球根買いこんできた。 リアル三太がいなくても、球根植えようという気になって。(※4) ペット用品売り場には行かない。 アルフレッド― フランスでは、ペットショップでの犬と猫の販売を禁止する法律ができましたね。(※5) 日本では、劣悪な環境で子犬子猫を大量生産・流通させる生体販売ビジネスの規制はまだまだですが。 三太― 今年12歳になる「由莉」ちゃんは、動物病院で保護されたんだと。可愛がられて穏やかな性格に育ったようだ。(※6 写真) 「由莉」ちゃんもおらみていに長生きして、一人っ子の「お姉さん」を支えてあげてほしい。
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(609)表彰状 | |
前号「ごあいさつ」にたいして、多くの読者の皆さまからメールをいただきました。ありがとうございました。 |
(608)ごあいさつ むらき数子柴犬・三太(推定18歳)が、2021年11月13日夜10時半に永眠しました。 7月半ば以来の夜鳴きが10月にはひどくなっていました。 11月11日の夕方から四肢の痙攣が始まり、最後は静かに息を引き取りました。 三太は2005年6月21日に東京都動物愛護相談センターから迎 えました。飼い主の手を噛むこともしばしばあり、体に触られ るのをいやがる不愛想な犬でしたが、最近4年ほどは撫でられ、 抱っこされる穏やかな犬になっていました。 どうもありがとうございました。 (写真は2017年11月17日撮影、「三太、14歳の秋」です) ******************************* 「おらあ三太だ!」は、生身の犬・三太も、ぬいぐるみのライオン・アルフレッドも、人と会話するという設定そのものがフィクションです。 「犬がしゃべるはずないでしょ!」と拒否した方もありますが、多くの読者はフィクションであることを承知でつきあってくださったと思っています。 今後ともおつきあいいただければ嬉しいです |
(607)アルフレッド・ご馳走 | |||
アルフレッド― ※1 「きみまち阪壱ノ座」http://k-ichinokura.com/
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(606)アルフレッド・親ガチャ | |
アルフレッド― 或るカップルの結婚に対して、「結婚反対」とデモした人たちがいます。 カップルのどちらかから損害を受けた人なんですか? 女将(=おかあ)― そういうわけではなさそう…… 三太― おらの好きな日本国憲法(※1)にゃ、第24条に「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し」とある。 第三者が賛成だの反対だの言うなんて、人権侵害だ。 そもそも、「あの人は、特別な家に生まれた人だから」ってえのが、第14条の「門地により…差別されない」に反してる。 或る家に生まれたからって、その人のせいじゃないだろ? アルフレッド― この頃の日本では、「親ガチャ」という言葉が流行ってるようです。 おかあ(=女将)― 「子どもは、親を選んで生れてくるんです」と主張して講演する人に会ったことがある。 彼女は自分の親との関係に満足できる、幸せな人だなあと思った。 親との関係に苦しんでる人はいっぱいいるし、なんでこの家に生まれたんだろうって悩んだり恨んだりしたことのない人って、どれだけいるかしらね。 子どもは親を選べない、っていう「親ガチャ」は、古今東西、不変の事実。 生まれついた、生みこまれた環境・条件の中で、どう生きていくかが、個々の人生なんだと思う。 三太― 子どもが親を選べるのは、河童の世界(※2)くらいだ。
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(605)アルフレッド・いま浦島 | |
アルフレッド― 女将さん、どうしたんです? 狐につままれたような顔して 女将(=おかあ)― 昨日、池袋東口へ行った。久しぶりだったから、念を入れて検索して行った。 バリバリ今風のとしま区民センター(※1)が建っていた。 2019年11月にオープンしたそうだけど、中池袋公園が変わらずにあったから、そこだ、と分かったけど。 レトロというのがピッタリだった豊島公会堂が無くなってた…… 何回か、集会や映画見に行ったのが、はるか昔だったんだ…… アルフレッド― で、図書館のジロちゃんから借りた本は何です? 女将― 『小さいおうち』って小説、2010年に出版されて、2014年には映画化された。(※2) 私は2011年には読んだし、映画もすぐに見てたんだけどね。 必要があって読み直し始めた。 小説は初めっから、主人公のタキさんが80代になって「心覚えの記」として書いたノートということになってる。 1930年代の、満州事変から日中戦争の時期の東京が「非常時」という戦争景気に賑わっていた、ということは、 『銃後史ノート』に加わって勉強した私なりに知っているつもりなんだけど、タキさんのノートが、あまりにリアルなんで、 ほんとに大正7(1918)年生まれの実在した人が14歳からの十数年間を回想している手記だと、錯覚してしまう。 作者の中島京子さんは1964年生まれだから、資料を読み込んで作り上げたお話なんだと、アタマでは承知している、 それでも『小さいおうち』を実在の手記として『資料として引用』してしまいそうになる、すご?い怖い。 『怖い絵』(※4)という本を書いたのは中野京子さんだった。 中島京子と中野京子を混同したのは、私一人じゃないらしいけど。(※5) ※1 としま区民センター (toshima-civic-center.jp) |
(604)アルフレッド・さらにヤギミルク | |
アルフレッド? 読書の秋です。女将さん、図書館から何借りてきたんです? 女将― えっと・・・ 三太― 読書の秋ったって、おかあが借りて来るのは、お楽しみ系ばっかりだ。 マーガレットってえ女の子は、自分の船に、好きなヒト・好きなモノだけ乗せて出帆した。(※1) 弟ジェームス、雄鶏、雌鶏、ヤギ、ひよこ、おおはし。りんご・もも・オレンジの木。畑の野菜。 なんでヤギ?と思ったら、ヤギミルクを飲むためだと。 おかあ(=女将)― お勉強の本だって借りてきた。 日本の中世の歴史・・・(※2) え、「犬を飼ってはならない」って掟を決めてた村があったんだって! 近江国の今堀って村、今の滋賀県東近江市。 なんでだろう??? ※1 1976『わたしのおふねマギーB』アイリーンン・ハース作、絵、うちだりさこ訳、福音館書店 |
(603)アルフレッド・久々のヤギミルク | |
アルフレッド? 女将さん、ようやっと発送した紙(※1)に、いろいろな反響をいただいてますね。 女将― 産婆・益永スミコさんが乳不足の産婦さんにヤギを斡旋してあげたのは、戦争末期、1945年頃のことだった(※2)。 1944年生れのタヅコさん? 私が小四の時、父が子山羊を購入し、私が世話係で、学校から帰ると、草を刈り、食べさせて、小屋を掃除してから遊びに行ったものです。 お湯で乳房を温め、搾り、それを家族で飲んだり、近所の体の弱い方に差上げていました。 乳を搾るといっても簡単ではなく、私にだけ懐き、足を縛らなくても沢山出してくれました。 六年の修学旅行の折、帰ってみたら、乳房がパンパンに腫れていて、可哀想で、泣きながら、乳を搾ったものです。 私が幼い頃台所に「火の用心」「産児制限」のポスターが貼ってありました。 母が県の婦人会の仕事でよく出掛けていたのは「生活改善」活動だったのでしたが、嫁である母が出歩くことを祖父母は快く思わず、 時々トラブルになっておりました。 三太? タヅコさんの育ったのは、埼玉県。渋沢栄一(※3)の育った血洗島=深谷市のすぐ隣の本庄市だと。 おかあ? タヅコさんちは大きな農家だった。おんなじ頃、東京の私のうちでも、ヤギ飼ってた、非農家だったのに(※4)。 山羊飼育って、やっぱり、その頃の国策だったのか…。 ※1 おかあはフラフラになって紙を発送しました。(602)アルフレッド・紙の重み |
(602)アルフレッド・紙の重み | |
アルフレッド? 女将さん、どうしちゃったんです? ご無沙汰が長いと、読者の皆さんに忘れられちゃいますよ。 三太― おかあ、この半月、紙との格闘で、へとへとなんだ。 女将(=おかあ)― 益永スミコさんに10年前に、「書かせてください」とお願いして、 「何書いてもいいよ」とまで言っていただいたのに、なかなか文字にできなくて。 ようやく、書きあげて、卒論提出した気分。(※1) 三太― 印刷ができてきた、かさばって重?い段ボール箱。 おかあ、積み替えるのも容易じゃないもんで、台車に積んだまま、カーポートの、おらの寛ぎスペースを占拠しちまった。 おかあ― 贈呈分を封筒に入れて、郵便局に運ぶのも、重くて重くて…自転車がぐらつく… 紙って、つくづく重たいモノなんだ。 こういう時は、うちにクルマがあって、自分で運転できるといいと思う。 アルフレッド? 女将さん、免許は返納しましたからね。 おかあ― ヤギは強いから三太に「蹴倒されないように」って注意してきたけど、運搬用の役畜じゃあない。 それに、ヤギだって、紙ばかり食べてたらお腹こわすと思う。 茱萸坂のヤギは、うまく読めない紙原稿を飲み込んでたんじゃないかな。 三太― おかあ、原稿書いてる間、資料読むふりして読んでたろ、紙鑑定士のお話(※2)。 おかあ― 見られたか。 <紙鑑定士>っていう資格がほんとにあるのかどうか、わからないけど、おんなじような紙でも、 重さの違いなんかから製造元・流通先・購入者なんかを割り出していく、ってのはすごい設定。 「自然堂紙店」の社員、実は創業者の娘である真理子さんは、「紙屋の娘だから」小さい頃からフォークリフトを運転してたって。 クルマなら何でもござれで、ショベルカーまで運転しちゃう・・・すごーい! 憧れちゃう! ※1 むらき数子「「生めよ増やせよ」から「生むな、ふやすな!」へ、そして…… |
(601)アルフレッド・ゴーヤその2 | |
秘書役アルフレッド? 西部の魔女さんからメールをいただきました。 西部の魔女― 収束の目途の立たないコロナ禍、途切れることなく「むらき数子 情報ファイル」を届けていただきありがとうございます。 皆さまの多様なお知らせや活動を知ると共に、元気も一緒にいただいていると思っています。 我が家のゴーヤですが、酷暑のせいか今年はよく育ち、むらきさんちのようなの(833号の写真)が収穫できるようになりました。 おかあ(=女将)― お宅ではたくさん採れたゴーヤはどんなふうに処理してます? 西部の魔女? ゴーヤ栽培初心者としては、収穫しても調理に苦慮しています。 辺野古新基地建設反対!の座り込みの時に立ち寄った、牧志公設市場の店で食べたチャンプルーの味が忘れられず、 色々試してはいるのですがイマイチです。 どなたか、美味しく作るコツを教えていただけたら嬉しいです。 今夏はゴーヤかき揚げを作ってます。薄切りにして、とうもろこしを加え、かき揚げにして岩塩で食べるのは悪くありません。 友人が作ったゴーヤの佃煮は中々オツな味でした。 チャンプルー化した政治はいただけません。材料が悪すぎます! アルフレッドー 茱萸坂のヤギ、突然、降りちゃいましたね。(※1) オリンピック・パラリンピック一色だった報道が、「政局」「政局」… 女将― たまたま、必要があって、『ベルツの日記』(※2)をパラ読みしたんだけど… ベルツさんが今の日本を見たら、何と書き遺すでしょうねえ。
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(600)アルフレッド・ゴーヤその1 | |
アルフレッド? 女将さん、前号は欠席でしたね、三太君も。 三太― ああ、寄る年波にゃ、この猛暑はこたえる。 読者のみなさんやおかあが、一歳年取るあいだに、おらたち犬は7歳年取るとも言われるし、 「小?中型犬だと(犬の年齢+4)×4=人間年齢」(※0)ってえ式にあてはめると、おら、(17+4)×4=84歳 ってことになる。 アルフレッド? オリンピックの次に、パラリンピックです。 三太― 猛暑とコロナのもと、子どもたちを学校単位で動員する「学校連携観戦」、東京都は7月9日にオリンピックに動員するのをとりやめた。(※1) その時よりも状況が悪化しているのだから、当然、パラリンピックへの動員もとりやめると思ってた。 8月18日時点じゃ東京都の全部じゃなくって、江東区、渋谷区、杉並区、新宿区、墨田区、江戸川区が「観戦」「検討中」だと(※2)。 都教委は5人の委員のうち4人が「やるべきでない」って表明した(※3)し。 ところが、東京五輪・パラリンピック組織委員会は8月20日に「実施すべきとの考えを示した。」(※4)し、都知事は実施するつもりだと(※5)。 江戸川区では、都知事が表明した8月20日に、保護者に参加を問い合わせるという文書をメール・ホームページで通知した(※6)。 すぐに、「『パラリンピック学校連携観戦』を行わないことを求めます」という署名運動が立ち上がって、8月23日12時40分時点で49,481人の署名を 区長に提出した(※7)。 「江戸川区は、パラリンピック学校連携観戦をただちに中止してください」というキャンペーンも行なわれてる(※8)。 女将― 図書館のジロちゃんが「予約本が来ました」って連絡くれたんで、借りに行ってきた。 パラリンピックのこと書いてあるんじゃないか、って『戦争障害者の社会史』(※9)を 読み始めたんだけど… 猛暑でちっともアタマに入らない… アルフレッド? で、写真は何です? 女将― うちのグリーンカーテンで実ったゴーヤ。 なんで、こんな形になるかねえ… 世の中、わかんないことばっかり。 ※0 「犬の年齢を人に換算する新たな計算式」 |
(599)アルフレッド・三人きょうだい | |
アルフレッド― 女将さん、Zoomで誰と話してたんです? 女将― 大学生たち。 「昔は、子どもが多かったんですねえ」って言うから、昭和の10年代、1940年頃の「産めよ増やせよ」のことかと思ったら… 大学生が言ったのは、1980年頃、昭和の終わり頃のことだった。 私の友だちがその頃に「うちの近所には子ども、3人きょうだいの家が多くて」って書いてた文章を読んで、 言ったんだってわかったんで、1982年の「完結出生児数」(※1)は、2.23。 時代は「子どもは二人まで」だった(※2)、って解説したんだけどね。 それにしても、40年前を「昔は」って、言われちゃって、ショック。 三太― 「人は自分が5歳くらい、ものごころついた頃よりも前のことは、すべて『昔』だと思うもんだ」って、おかあ、前から言ってたじゃないか。 藤井青銅さんが、そっくりのこと書いてる、「人は、ものごころついた時すでに世の中にあるものは、ずっと昔からあるに違いないと思いがちです。」(※3)って。 藤井さんは「一般に、人は一世代前に反発し、二世代以上前には好意を持つ。」とも言ってる。 大学生にすれば、自分が生れるよか20年も前のことなんだから「昔」に決まってる。 おかあ― まあ、そりゃそうだ。団塊世代にとっての関東大震災とか、スペイン風邪みたいな感じかな。 アルフレッド― 今の大学3年生、20歳前後、ということは、「団塊ジュニア」(※4)の子ども世代にあたる、第三次ベビーブーマーになると思われた年代の人達ですね。 国会で「第3次ブームは起こらなかった。なぜだと思いますか」って首相に質問した議員がいました(※5)。 第一次ベビーブーマー「団塊の世代」である首相は、「子どもを産み育てることのできる環境になっていなかったということだ」と、 「不妊治療の保険適用や男性の育児休業の促進」をあげました。 おかあ― 首相があげた施策の対象になれるのは、正規職にある男女だけみたい。 「結婚・出産しているのは結婚前・出産前に正規雇用の人」が多いという指摘があるように、(※6)、産む人はすでに産んでる。 非正規職で低収入、不安定ゆえに、産まない・産めない人たちには届かないんじゃないかな。 アルフレッド― で、女将さん、物置から何持ち出してきたんです? 三太― タイルカーペット。 おらがフローリングの床で足を滑らせたの見て、ゴロー先輩のために敷いていたのを思い出したんだと。 ま、おかあの顔立てて、その上に寝てみせてやった。(→写真) つまり、ゴロー先輩の【おさがり】。 おら、むらき家の一人っ子だ。けど、初子じゃねい。 犬種の子どもとしては第三子。(※7) むらき家は三人きょうだい、ってことになるのかな。
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(598)アルフレッド・五輪の名目 | |
アルフレッド― 女将さん、押し入れから何持ち出してきたんです? 女将― 2008年初めに、書いたことがあった― 「石原慎太郎は昨年の都知事選で、オリンピックの目的は「道路建設と国威発揚」と言いました。スポーツも食の安全も、働く人の健康も、メじゃないのです。」 三太― フクシマ原発事故以後、「復興五輪」という名目を掲げた。 コロナが流行り始めたら、「人類がコロナに打ち勝った証し」だと言いだした。 まさに、東京オリンピックが開催されようとしている。開幕直前、選手たちの感染・出場とりやめの例が出始めた。 人生を賭けてきた人にとって、どんなにか口惜しいことだろう、と思う。 でも、オリンピック・ファミリーとか五輪マフィアと呼ばれるのは、要するに、巨大サーカスの興行主。世界中からスポンサーを集めて、 世界中のトップクラスの選手をノー・ギャラで出演させる、って、ものすごい興行だ。 巨大サーカス「五輪本土決戦」のために、首都圏は交通規制が敷かれる。全国から集めた警察官たちに守らせているモノは、いったい何なのだ? アルフレッドー 日本の人たちに向けては「コロナに打ち勝った栄光の日本」「国威発揚」と名付けて、記憶されていくのでしょうね。 世界史的には、パンデミックに拍車をかけた「21世紀の愚挙」と呼ばれるのではないですか。 女将― 180年前に、エドガー・アラン・ポーという人が書いた小説を読んだ。(※) 疫病が流行し、領民の半分が死に絶えると、プロスペロ公は、取り巻き千人を連れて館に引きこもって、放蕩三昧。 七つの部屋を「青、紫、緑、橙、城、菫、黒」の色違いにしつらえて仮装舞踏会を催す… ※ 「赤い死の仮面」エドガー・アラン・ポー(上田麻由子訳)、原作1842発表 (『疫病短編小説集 平凡社ライブラリー915』 R.キプリング、K.A. ポーターほか、監訳者石塚久郎、平凡社、2021.3.10 所収) |
(597)アルフレッド・副反応 | |
アルフレッド? 日本のあちこちで、豪雨や土石流・・・被災した方々にお見舞い申しあげます。 で、女将さんは、どうしちゃったんです? しばらく音沙汰ないですが。 三太― ウサギ監督との薪のやりとりで、アタマ使い切ってヨレヨレ。 コロナ・ワクチン接種の予約日が重なって、カラダもフラフラ。 おかあ? ワクチンの予約取りについて、「予約開始時刻に子や孫を総動員して電話・PCから予約取りに殺到して苦労」した実例を、 あちこちの自治体に住む80代のご夫婦からも、70歳前後の友人からも聞いています。 ようやっと取れたのは1回目の予約だけで、2回目はまたはじめっから予約手続きをしなければならない、という自治体もある。 2回セットで受け付ければよいのに。 7月に入って、薬剤不足で予約が実行できない自治体や医療機関が出てきた、と聞くと、日本って、こんなに事務能力の低い国だったのか、と思う。 1回目より2回目に、副反応が出やすいとも聞く。それも、女性のほうが発熱するなど現れ方が強いとか…。 「在宅していられる暇な高齢者」である私は、6月半ばまで、様子見してました。 いまだに、ワクチン受ければ安心という気持になれないのですが、8月には県境をまたいで移動する旅に出たい、 それには接種済みの「通行証」(※1、写真)が必要だと考えて、市内の個別接種、徒歩10分の病院に申込みました。 パソコンで2回セットの予約がすんなり取れて、1回目は、接種後10時間くらいから、接種した側の腕、上膊(じょうはく)ともいう、肩と肘のあいだ、ジ?ンと痛み始めて、 翌日一日、なんとなく痛くて動かしにくかった。けど、発熱もせず、おさまった。 3週間後、2回目。前日に病院から予約を確認する(忘れさせない)メールをもらった。 2回目の当日、接種後5時間から上膊が痛み始めた。10時間後には発熱。だるくて、筋力も気力も出ず。 夜中から明け方まで、三太とつきあって寝たり起きたりしてやり過ごしました。 翌日も37度台の熱と筋肉痛・だるさ。夕方(接種後30時間くらい)に熱がさがりラクになったものの、夜にはまた微熱・だるくて早寝しました。 翌々日には、副反応らしき症状はなくなりました。 接種は「怖れていたほどではなく、チクッともしないで、他の注射より楽でした。」と、副反応も無かったという人もあります。 あるご夫婦は、夫は2回とも副反応なし。妻は1回目には腕が痛いだけだったけど、2回目には38度を超える熱が出た。 彼女の周囲の女性たちから「私は副反応が出たけれど、夫は出なかった」という反応が返ってきたそうです。 どうやら、副反応は、男性より女性に強く現れているらしい。 「やはり女性の方が生命力は強いようです」と言う説=「副反応が出ないヒトは、抵抗力がない、生命力が弱い」という説にはナットクし難い。 「体重の差、じゃないかな」という解釈もあります。 40?のヒトにも100?のヒトにも、おんなじ量のワクチンを打つのだから、体重の少ないほうに、強く影響が現われるのではないか。 性差ではなく、体重の少ないほうが女性である組み合わせが多い、ということでナットク。 アルフレッド? 僕は100年前のスペイン・インフルエンザ(いわゆるスペイン風邪)をはじめ、数々のパンデミックを見てきました。元々生身でありませんから。 生身の三太君たち犬猫は、コロナで翻弄されています。コロナに罹るのでなく。 おうち時間が長くなったからと、子犬子猫が買われてペットブームが起こり、僅か数カ月後には飼育放棄が増えた・・・(※2) 三太― おらとおかあの間には、16年築いてきた絆がある。 毎朝毎夕、おらを抱きあげるたびに、おかあの胸中、ぎっくり腰の恐怖が走る。 おらが倒れて、介助するおかあが倒れたら、共倒れじゃなくて「ドミノ倒し」になっちゃう、って、おかあ、いっつも警戒してる。 ※1「新型コロナウイルスワクチン 予防接種済証(臨時)」 ※2 「「数週間で子犬でなくなったので」“ブーム”に乗ってペットを買った日本人の呆れた言い分」 |
(596)アルフレッド・やぎさん | |
三太― 「やぎさん答弁」って、話題になってる。(※1) 前のゾンビは、カンニングするのに、ペーパー(紙)じゃなくって、プロンプター(※2)って、電子的な仕掛けを愛用してた。 ガースは、何を質問されても、ひたすら同んなじ文章をくり返す。暗誦してるとしか思えない。 あんまりな答え方に、「やぎさんゆうびん」(※3、図)ならぬ「やぎさん答弁」って言葉が生まれた。 アルフレッドー 日本に来てだいぶ経ちましたが、知りませんでした、 日本国のトップが「ヤギ」だったとは! 僕の国では、トップは僕らライオンとユニコーンです(※4)。 三太― おらんちのトップは、昔っから、ヤギだ、「ヤギ生徒」(※5)。 原稿を推敲するにも紙にプリントしてる。ウサギ監督へ提出する薪の束も紙。 「まだ、紙でやってるの?」って、呆れられてる。 ヤギ生徒(=おかあ=女将)― ちょっと、待ってよ。 ヤギは本来、紙なんて好きで食べるんじゃない、って言ってきたでしょ。 私はアシュラ童子さんからのお手紙も、「ちゃ?んと、食べずに読んだ!」(※6) 茱萸坂のヤギと一緒にするな!
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(595)アルフレッド・粉ミルク缶(3) | |
アルフレッドー で、女将さん、その写真は? 女将(=おかあ)? ふとしたことから、アルバムひっくり返して見た。 粉ミルクの空き缶、だけど、柄杓なのかな? なんだろう? 三太― だいぶ前に、缶シリーズをやったことあった。(※1) そんときゃ、この柄杓にまだ出会ってなかったんだ。 おかあ? 考えててもわかんない、この柄杓を展示してた島根県の郷土館のヒトに聞いてみた。 島根県邑智郡邑南町郷土館のヒト? 饅頭焼に使用した「粉そそぎ」です。 邑南町内高見集落がイベント等で使用したもので、地元の鍛冶屋さんが作られたものです。 明治の粉ミルク缶を再利用したもので、1954?1961年の間に製造された「ソフトカード 明治粉ミルクL」の缶です。 注ぎ口、柄も他の空き缶を転用したもので、接合はハンダ付です。 おかあ? ふう?ん、「ミルク全盛」時代だったんだ。 農村じゃ、「新生活運動」の時代に、乳不足の赤ちゃんの栄養は米の粉を煮た「すりこ」から商品の「粉ミルク」に変わっていったのか。 戦前の『写真週報』には乳不足に牛乳の薄め方が載ってたし、『主婦之友』にも母乳代用品の広告がたくさん載ってた(※2)けど、 乳製品って、都会の暮らしのモノだったんだ。 戦争中、といっても、日中戦争期だけど、乳業は統制されて、粉ミルクは特別配給の対象になった。(※3) 三太― 牛乳が、軍需品だった、ってこと? おかあ? そう。カゼインの原料だから。 カゼインって、蛋白質だけど、 「カゼインは、製紙、紡績、合板、塗料、農業薬剤、その他各種工業用として需要が拡大していた。」(※4) 三太― 牛乳は、飲料じゃなくって、工業用? おかあ? 「カゼインは当時の木製飛行機の製造に欠かせない軍用品だった。(昭和19年)」だって。 三太― 木製の爆撃機!!!
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(594)アルフレッド・カチカチ山(4) | |
秘書役アルフレッド― 「『情報ファイル』がしばらく来ないけど、どうかしましたか」って、訊かれました。 PCの不調か、女将さんが寝込んだか… 三太― 心配してくれる友達がいるって、ありがたいことだ。 カチカチ山(※1)に迷い込んだおかあタヌキ、この2か月半、柴刈と薪作り(=原稿作成)に必死。 元々、エネルギーレベルが低い、そこへきて、コロナ禍でフレイル気味だ。 おらの散歩につきあうほか、一日中パソコンの前に座って。 気づくと、居眠りしてたりして。 おかあタヌキ? ほうり出して寝ちゃおうと思うと、ウサギ監督(※2)から、やんわりメールが来る。 「その後いかがですか。 ほかの5人の方からはすでに原稿が届いています。 おとりまとめいただきたく、よろしくお願いいたします。」 背中の炎が燃えさかる。 アルフレッド? それで、「情報ファイル」も間遠になってたんですね。 三太― おかあタヌキ、昨日昼、ようやく薪の束をくくり終えて、ウサギ監督にあてて発送した。 夕方、積みあがったメールの山、新聞・手紙の山、山、山…を片づけようとパソコンの前に座ったら、お腹が痛くなっちまった。 もらった動画(※3)のウグイスのさえずりを聞きながら、休養。 だいぶ前に、ウグイスの声の主が実はガビチョウだ、って言って、ひつじが丘の牝牛さんをがっかりさせたことがあった(※4)。 けど、今回の声の主は、真正ウグイスだって、動画撮影者が言ってる。 ひつじが丘の牝牛さんも、目をこらして見てほしい。 ※1 40年以上かかえてきたテーマを、今、文字にしなければと、背中に火のついたタヌキ状態でした。(296) 三太カチカチ山 |
(593)アルフレッド・背中 | |
秘書役アルフレッド― 本を戴きました、歌集です。 三太― 内野光子さんの『野にかかる橋』だ。(※1) おかあ、おらを見ながら頷いてる 動かざる犬を引き立て励ませば耳のうしろの明るむ夕べ 内野さんちの犬も「哲学」してたんだ。(※2) おかあ(=女将)― 内野さんが2018年にミュンヘンへ行ったときの歌がある、 市庁舎の地下なる酒場のアスパラとソーセージの量にたじろぎながら アルフレッド― 女将さんも、2013年に、ドイツでアスパラ味わってましたね、ケルンでしたか。(※3) 内野さんはとっても勁い方だ、って、女将さん畏敬してますが、こんな歌もあります 先を行く夫の背を追う息せきて旧市街広場の人群れのなか 連れの背中を追いかけて歩く(※4)のは、女将さんの特技だと思ってました。 迷子にならないための普遍的な「自衛」策なんですね。
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(592)アルフレッド・お役立ち論議その2 | |
※1 2021年5月2日 長谷川義史作・絵「犬はえらい」『しんぶん赤旗』2021.5.2 |
(591)アルフレッド・スズメバチふたたび | |
※1 第822号☆4.「活かそう!古本、書き損じハガキ、お家で眠る不用品」) |