<その19>
(501)アルフレッド・狛犬さんく…2018/11/7 (502)アルフレッド・狛犬さんや…2018/11/7 (503)アルフレッド・狛犬さんま…2018/11/9 (504)アルフレッド・狛犬さんけ…2018/11/9 (505)アルフレッド・狛犬さんふ…2018/12/14 (506)アルフレッド・狛犬さんこ…2018/12/14 (507)アルフレッド・狛犬さんえ…2018/12/28 (508)アルフレッド・狛犬さんて…2019/1/1 (509)アルフレッド・狛犬さんあ…2019/1/13 (510)アルフレッド・狛犬さんさ…2019/1/25 |
(511)アルフレッド・狛犬さんき…2019/2/3
(512)アルフレッド・狛犬さんゆ…2019/2/13 (513)アルフレッド・狛犬さんめ…2019/2/27 (514)アルフレッド・狛犬さんみ…2019/2/27 (515)アルフレッド・狛犬さんし…2019/3/27 (516)アルフレッド・狛犬さんえ…2019/3/27 (517)アルフレッド・狛犬さんひ…2019/4/14 (518)アルフレッド・狛犬さんも…2019/4/30 (519)アルフレッド・狛犬さんせ…2019/5/18 (520)アルフレッド・狛犬さんす…2019/6/5 |
(530)アルフレッド 黒猫(1) | |
プチ家出、高原へ行く特急に乗ったおかあ― あれ、ケンだ!(※1) 斜め前の席に、5歳位の男の子。 首伸ばして見たら、隣にお母さんらしいヒトがいた、一人旅のケンじゃあなかった。 海辺へ行く特急マリン号に乗った一人旅のケン、5歳、終点の駅まで乗る。 隣の席に客が来た。 すらっとやせた黒い猫・サンゴロウだ、終点の一つ前の駅で降りるんだと。 なんとなくうまがあって、弁当をとっかえっこした、鮭むすびと、サンドウィッチと。 サンゴロウは、チラシの裏に書かれた地図を頼りに、宝探しに行くんだと。 「来るか?」 「うん」 アルフレッド― ああ、それでこのごろ、女将さん、図書館行くたびに、『サンゴロウ シリーズ』を借りてきちゃ、夢中になって読んでるんですね。 そういえば、むらき家は今年はネコ年でしたね(※2) おかあ― 黒猫サンゴロウの産みの親は、竹下文子さんと鈴木まもるさん。 おてつだいねこの産みの親も、竹下文子さんと鈴木まもるさん。(※3) ってことは、サンゴロウとおてつだいねこはきょうだいネコなんだ。 ふ〜ん、同んなじ両親から生まれたきょうだいでも、ぜ〜んぜん、似てない。 全然違ってるきょうだいを生み出す両親に敬服。
一番上にもどる |
(529)アルフレッド 婦人雑誌(4) | |
おかあ(=女将)― 鹿犬って、どんな犬なんだろう? そもそも鹿か、犬か… 「歩く百科事典」と呼ばれた男― 「鹿犬」は甲斐犬の別称ではないでしょうか。 「鹿犬型」で検索すると、 甲斐犬には「鹿犬型」と「猪犬型」がある、 あるいは「甲斐犬が国の天然記念物に指定された当時僅かにいた猪犬型甲斐犬は既に絶滅し、現在の甲斐犬はすべて鹿犬型甲斐犬です。」 https://www4.hp-ez.com/hp/kaiken/page2 などの記述が複数見つかります。 おかあ― 鹿犬型? 鹿型? 鹿みたいなツノがあるのかな… 呟きながら、1942年、昭和17年の雑誌(※1)めくって見たおかあ― あっ! 鹿犬だ! アルフレッド― ああ、『写真週報』ですね。 フォトジャーナリズムが盛んになった時期でしたからね、アメリカでは1936年に『LIFE』が、僕の国・イギリスでは1938年に『PICTURE POST』が創刊されていました。 日本では国策宣伝のために内閣情報部が1938年に創刊したのが『写真週報』でした。(※2) 三太― 写真週刊誌だけど、最後のページ「照準器」はマンガなんだ。 「出征 軍用犬勝号」ってえ幟を持ってるオジサンと歩いてるのが「鹿犬」だ、って、おかあ思った。 いや、ツノに見えたのは化粧まわしなんじゃないか、ほら、おもちゃの土佐犬が着けてるアレ。 ※1 『写真週報』1942.1.21、p。21「照準器」 |
(528)アルフレッド 婦人雑誌(3) | |
アルフレッド― 女将さん、何、悩んでるんです? 女将(=おかあ)― 『主婦之友』の広告にね、「鹿犬」ってあるんだけど、どんな犬なんだろう、って・・・ 三太― 『主婦之友』って、いまどきの通販カタログ顔負け、いーっぱいいろんな広告が載ってるんだ。 例えば、1938(昭和13)年4月号、「犬印滋養糖」、これは和光堂って会社が出してた、牛乳やコナミルクに加える赤ちゃん用食品だ。 同じ号に、番犬を薦める広告- 「非常時には日本犬を! 日本犬全国的有名不朽の元祖 ○柴犬○鹿犬○秋田犬 昔は飼育 今は訓練 日本犬柴犬研究所」(→写真 『主婦之友』1938年4月号) あと、何回も、同じ広告が載ってる。 女将― 柴犬はわかる、三太だから。 秋田犬も、ずーっと昔子どもの頃「蘭」って雌の秋田犬を飼ってたからわかる。 けど、鹿犬ってのは、全然わかんない、ネット検索してみても出てこない。 誰か、教えてほしい。 アルフレッド― 80年前の広告で悩んでるけど、最近のニュース見てますか? 今年6月の国会で、「改正動物愛護法」が成立しましたね(※1)。新聞では「チップ義務化」を見出しにしてますが、犬猫の販売等可能な時期を「生後7週」から「生後8週」に変えたんです、この1週間の差は大きいと思います。
|
(527)アルフレッド 婦人雑誌(2) | |
アルフレッド― 女将さん、日本の男女はハグってしないんだと思ったんですが・・・ 女将― そうなのよー。 こないだ言ったのは、80年前の復員兵と妻の組み合わせについてだった。 男女・夫婦というだけじゃなくって、同性の親子でもハグするって振る舞い方が無かったんだと思う。 私も、父親はもちろん母親ともハグするなんて思いもしなかった。 三太― おらも、ハグは苦手だ。 そもそも、体に触られるのがイヤだ。 若い頃は、触られると反射的にガブッとやったもんだ。 ふと、PC画面みたおかあ、のけぞった。 「人前で大学4年生の息子が母親にハグ……もはや「マザコン」は恥しくないのか」 https://news.infoseek.co.jp/article/bunshun_13051/ って、酒井順子さんが書いてる。 おかあより若い酒井さんが、「私の中に存在する昭和一桁の魂が、親子のハグに対して、「欧米か!」と小さく叫んでいるのです。」と書いているのを読んで、おかあ、憮然としている。 昭和戦後もすでに化石か・・・ 一番上にもどる |
(526)アルフレッド 婦人雑誌(1) | ||||
アルフレッド― 女将さん、なんか、古〜い婦人雑誌にはまってますね。 女将=おかあ― 1938(昭和13)年の『主婦之友』見始めたら、あれこれ思いが浮かんでね。。 こないだ、5月号の「煮干しの天ぷら」のこと話したでしょ。 12月号の「農村向の銃後家庭料理」には「囲炉裏天ぷら」があった。 「囲炉裏に鍋をかけ、家族中が鍋をとりまき」揚げながら食べる。「囲炉裏に限らず、焜炉でも火鉢ででもできる」って書いてある。 揚げたてはおいしいに違いないけど、家族5人が熱した油の鍋に箸を突っ込む、ってのは 、コワーイ! 主婦が奉行を務めたとしても・・・ 当時の人たちは、数年のうちに、お米も油も、指定された店で、割当られた量しか買えない「配給」が現実になるなんて、想像もしなかったでしょうね。80年隔てた今の私たちが想像できないように。 『主婦之友』に毎号載っている口絵を見てくとね、出征兵士の妻を描いたのがある。(※) 赤紙が来て、夫が家を出て行った日から、無事を願って供える「陰かげ膳ぜん」。 戦死した夫の遺骨を、<健気に>迎える「無言むごんの凱旋がいせん」。 生還した夫に、不在中に成長した子を見せる「父ちゃん帰る」。 当時、二十代半ばだった私の母は、夫の戦死=「無言の凱旋」を何よりも恐れていた。 この口絵を見た時、陰膳を供える母の姿が目に浮んで・・・私はまだ生まれてなかったんだけど。 アルフレッド― 日本の男女は、やっと生きて逢えた、というときにも、ハグってしなかったんですね。 子どもを抱き上げるだけで。 おかあ― この絵の男の子は父親に抱かれてゴキゲンだけど、実際には、泣き出したと思う。 父親のセリフ「よしよし、ヒゲが痛いか」 ほんとは、<知らないオジサン>に突然抱き上げられて、頬ずりなんかされて、怖かった・・・。
一番上にもどる |
((525)アルフレッド 天ぷら | |
アルフレッド― ※1 1976『おばけのてんぷら』作・絵せな けいこ ポプラ社(2019第149刷) ※2 『主婦之友』1938年5月号、p.480 一番上にもどる |
(524)アルフレッド アルフレッド 猫の手 | |||||
猫のウメちゃんのおかーさん― ご無沙汰しております。 いつも情報ファイルの送信ありがとうございます。 楽しみに読んでいる三太くん情報今回は私も焦りましたよ。 みるみる痩せていく三太くんを見て手作り雑炊を止めて 「食べられる物を食べさせる」という方針に変えたこと…おかああっぱれでしたね。 三太くん「天むす」美味しくて良かったねぇ。 今はどうしているのかな? 私も雑炊大好物ですよ。 今は年寄りでもタンパク質を摂るよう言われますから雑炊に肉・魚をちょい足しして食べています。 たまには天むすでも買ってこようかな。 三太くんこれから暑い夏が来るからね。美味しい食べたいものを食べて元気に過ごしてくださいね。 三太くんの元気がおかあの元気の素だからよろしくね。 おかあ― お見舞い、ありがとうございます。 私のほうは、「三太めし」を作る「仕事」をしなくなったかわりに、刻みこまなくなった野菜クズを、「生ごみ」として庭の穴に埋める、穴掘りという「仕事」がふえてます。 忙しい・・・誰か手伝ってほしい・・・ アルフレッド― 日本では昔っから、「猫の手も借りたい」って言うそうですね。 イギリスには、一日中、猫の「トラ」をこきつかっていたパン屋が居ましたが・・・(※1) 三太― 玄関のチャイムが鳴った。 エプロン持った、しましまねこが、労働時間や食事の条件まで申出てきた。 家事全般なんでもやります、ってえ売り込みなんだけど・・・(※2) おかあ― しましまねこさんの、庭の草取りの仕事ぶり見ると、うちの穴掘りは、任せられないと思っちゃう・・・ アルフレッド― 『十年屋』の執事・カラシはどうです?(※3) 三太― ああ、オレンジ色のもふもふの毛並みに緑の目をした猫だね。黒い蝶ネクタイとベストでおしゃれに決めてる猫だ。 仕事もできる。 お茶菓子だって、お客に合わせて、いろんなのを出す。ココナッツ入りクッキー、いちごジャム入り紅茶、マフィン、ホットミルク、きいちご味のゼリー、カフェラテ、栗のシフォンケーキ、砂糖入りコーヒーとイチゴタルト。 おかあ、カラシだけじゃなくて、雇主の十年屋も好みなんじゃねいか。 おかあ― 十年屋さんは、カラシを引き抜かれないように、気を配ってるようね、イワシ缶2個とかボーナス出したりして。 プラス鯖缶で、カラシ、うちに来てくれないかしら。十年屋さんも一緒に。 アルフレッド― ゾンビが「お父さんも恋人誘って、お母さんは昔の恋人を探し出して」って言ってますが、不倫を奨励するのが【自由】で【民主】な国なんですか?(※4) ※1 2006『ねこのパンやさん』ポージー・シモンズ作絵、松波佐知子訳、徳間書店(原著イギリス、2004) ※2 2002 『わたし おてつだいねこ』 竹下文子、鈴木まもる画、金の星社 ※3 2018『十年屋 時の魔法はいかがでしょう?』 廣嶋玲子、佐竹美保画、静山社
※4 安倍首相「お父さんも恋人誘って」=期日前投票訴えで口滑る? 一番上にもどる |
(523)アルフレッド 箸使い | |
おらの食生活、この半年、大きく変化した。 おかあ手作りの「犬まんま」またの名「三太めし」、つまり雑炊、或る日、喉を通らなくなった。って言うか、口をつける気にならなくなった。 食器を見るのもいやだ、食いもんの匂いを嗅ぐのもいやだ、ってソッポ向く。 「食べたくなければ、食べなくていい」ってえのが、おかあの子育てだ。お腹が空けば食べるんだから、無理に食べさせることない、って。 ところが、おら、食べない。食べようとしない、みるみる痩せてきた。 おかあ、焦った。あれやこれや、手をかえ、品をかえ・・・ついに、手作り方針を放棄して、市販のドッグフードもあれやこれや、試しに試して・・・ 「なんでもいいから、食べるものを食べさせる!」 小さなサイコロ状の豚カツ、クリームパン、チーズ、しゃぶしゃぶ肉、スパゲッテイカルボナーラ、うどん、サンドイッチ・・・ 手のひらに載せてみたり、指先でつまんでみたり、スプーンの大きいの、小さいの・・・ 毎日毎日、お試し。いつしか食べるようになり、体重も戻って来た。 昨日、おかあ、お米のご飯をソラマメ位に丸めたおむすびの上に、天ぷらの切れ端を載せて、箸でつまんでおらの口元に持ってきた。 おとうが言った「天ムスだ」 これは美味かった。 アルフレッド― 三太君は、お箸で食事してるんですね、東アジアですねー。 「お箸の国のヒトだもの」というコピーがあったそうですね、30年前。 柴犬の三太君は日本犬だと思っていたんですが、実は東アジア犬なんですね。 一番上にもどる |
(522)アルフレッド 猫ネコねこ | |||
おかあ― ギョッとした!! ゆうべ、三太と散歩して帰ってきたら、玄関の脇の空中に、巨大な影! 化け猫? 恐る恐る、一歩近づいて暗がりをのぞきこんだ。 キジ猫と目が合った、お隣との境の塀の上を歩いてた。 キジ猫の動きで防犯灯が一瞬光った、で、巨大な影が空中に浮かび上がったわけ。 おら、影、見なかった。 おらの目の高さからは、キジ猫が向きを変えて塀の上を去って行くのだけ見えた。 今日、散歩。 道の角でパッタリ遭遇したのが、真っ白な○○。 おかあ、一瞬、犬のスピッツだと思った。 スピッツにしちゃ小柄だし細身だ。 猫! なんと、白髪のおじいさんが真っ白な猫にリードつけて立っていた! おかあ― 真っ白な猫っていえば、スノーホワイト(※1)。良家の飼い猫だけど、町へ出ては界隈のボスをつとめてる。 イッパイアッテナの飼い主は新築の家に猫用ドアを設置したし。 野良猫のルドルフも飼い猫のブッチーも、繋がれたことはない。 繋がれて、独り歩きを禁じられてたのは、ブルドッグのデビルだけ。 猫は、ひとの家を自由に出入りして暮してたし、私も猫を飼うってそういうもんだと思ってた。部屋に閉じこめて飼ってるひとがいるって聞いて、すごーくビックリしたっけ。 アルフレッド― ほお、日本での、犬・猫の飼い方は、30年くらいで激変したんですね。 僕が日本に来た2014年には、犬は屋内飼い、外ではリードつけてるのが当たり前になっていました。三太君がノーリードで庭にいると、通るひとが珍しがって見てますよね。 猫も、家から出さない、独り歩きさせないのはペットショップで買って飼うようになったからですか。 環境省や自治体が「完全室内飼育」を推奨している、と新聞が書いていますね(※2)。 猫が塀の上を独り歩きしているなんて、いまや珍しい光景ということのようですね。 おかあ― 確かに、近所を歩いても、猫を見ることが少なくなったような気がする。 みんな、家の中にいるんだ。 けど、リードつけて散歩させてるのは、初めて見た!
|
(521)アルフレッド・狛犬さん フラリーマン | |
アルフレッド― 女将さん、なに、憤慨してるんです? 女将(=おかあ)― 『平成家族』っていう本読んだらね、【フラリーマン】って言葉が出て来て。 「仕事が終わってもまっすぐ帰らずに書店やゲームセンターなどで時間を潰す男」のことなんだって。 うちじゃ、ワンオペ育児の修羅場で、妻が、1秒でも早く帰って来てほしい、って思ってるだろうに。 単身者ならいいよ、仕事外の時間をどう過ごそうが。 けど、他者と共同生活始めたからには、お互いに自由を制限されるのも、お互いにガマンするのも、あたりまえだろうに・・・ 三太― おかあ、エラソーに言うけど、おらとの共同生活14年、どうだった? おらのメシ作るのメンドウだったり、散歩に行くのがうざったくてグズグズしてる日もあっただろ? おらこと、捨てたかった時もあっただろ? 瞬間湯沸かし器だったおらだって、噛みつかねい、ギャン鳴きしねい、モノを齧らねい、独り歩きしねいって、セルフコントロールに努めてきたんだぞ。 おかあ― わかった、【フラリーマン】ならぬ【フラリーガール】だった時もあるって、認める。 「石の上にも三年、三太とも十年」だもんね。(※2) アルフレッド― 「石の上にも三年」という言葉は、「もう古い?」とか「石選びが大事」とか新聞にでてますね。(※3) 朝、散歩に行く。 おかあの身支度が遅いんで、先に玄関ドアを開けてもらって出る。 おかあ、おらが庭にいるもんだと思ってる。 現実――門扉が開いてる、おら、独りで先に出た。 道路に出たとこで、出勤するお隣のオトーサンに出会った。 お隣のオトーサン、おらがノーリードで独り歩きしてるの見てビックリ おらんちのインタフォン鳴らして「三太くんが独りで歩いてますよ!」 おかあ、大慌てでリード持って走り出す。 こんなに真剣に走ったこと、ウン十年ぶりだ。 百メートルくらい、息があがった。 おら、去年、林を伐って造成された宅地を探検してた。 造成が決まって以来、おかあ、見るのもイヤだ、って近寄らねいから、おらも行かれなかったんだ。 職人さんの車もまだ来てないんで、気兼ねなしに見て回った。 探検を終えて道路に出たとこで、おかあに出会った。 お隣のオトーサンは【フラリーマン】じゃあねい、サラリーマンだ。
一番上にもどる |
(520)アルフレッド・狛犬さん す | |
アルフレッド― 女将さん、スザンヌとこの頃よくつきあってますね。(※1) 女将(=おかあ)− そう、元気な40代女性3人組(スザンヌ、ペトラ、トニ)のお話。卵料理専門のカフェ『カックルベリー・クラブ』を共同経営してる。 スザンヌは、カフェで朝食からランチ、さらにアフタヌーン・テイーまで出して、小さいながら書店もやってる。それだけでへとへとになりそうだと、私は思うんだけど、自宅には犬2匹、農場の納屋に馬とラバを飼ってる、身辺に何かと事件が起こると首つっこんでいく・・・ おとぎ話だとは思うんだけど、けっこう、アメリカの田舎町での行事とか暮らしぶりが描かれてるのが面白くてね。 こないだ、スザンヌは、町はずれの工業団地に、軍放出品の店を訪ねて行った。 “<スタン軍曹の軍放出品店>と赤、白、青で描かれた看板を誇らしげに掲げていた。その下には小さな文字で、第二次世界大戦、朝鮮、ベトナム、イラク、と書かれていた。”(※2) スザンヌ自身の夫も湾岸戦争に従軍していた軍医だったようだし、ペトラの夫はベトナム戦争からの復員軍人だし、21世紀の『カックルベリー・クラブ』の附近にはPTSDの復員兵が現れたり、民間刑務所が開設されたり・・・。カフェの手伝いに来てるキットの婚約者が州兵として海外派兵されるとか・・・アメリカって、ずーっと戦争してる国なんだなあ。 ※1 『卵料理のカフェ シリーズ』ローラ・チャイルズ、東野さやか訳、?ランダムハウス講談社、??武田ランダムハウスジャパン、?〜?原書房
一番上にもどる |
(519)アルフレッド・狛犬さん せ | |
世間じゃあ【10連休だ】ってかまびすしかった。 おかあ、エジコのこと、考えてて、アタマが擦り切れちまった。 で、おらも、うちの【犬ツグラ=新聞ボックス】に入ってお休み。 新聞紙は下に敷くだけじゃねい、衝立にもする、おら15歳、年の功だ。 一番上にもどる |
(518)アルフレッド・狛犬さん も | |
アルフレッド― 【も・く】? 何ですか、それ? 女将=おかあ― もく、っていうのは、藻のことみたい。 昔、秋田県の八郎潟は日本第二の大きな湖だった頃、水深が一番深いところでも4−5mという浅い汽水湖だった。浅くて湖底まで日光が届くので藻類がとても豊富に繁った、それをモクって呼んでたんですって。モクは、「田畑の肥料としてだけでなく、布団の綿の代わり、椅子の芯や掃除布の代用としたり、落とし紙として使われており、日常生活の中で欠かすことのできないものでした。」(※1) アルフレッド― それで? 三太− モクは、秋田のその辺りじゃあ「エヅメ」って呼んでたエジコん中にも敷いたんだと。 民俗学の大先生が、言ってる(※2)― 【エヅメ】 東北地方独特の赤ん坊を入れておく桶である。楕円形でおよそ巾一尺七寸、長さ二尺一寸、高さ一尺一寸、前方が三寸ほど低くなっている。 桶の底へ藁または灰を置いて、その上へ茣蓙を敷く。つぎにモク(藻)を入れ、綿の入った蒲団を前後におき、赤ん坊の尻を出したままいれて、蒲団で包み、動いても蒲団がはみださないやうに紐をかける。 かうしておけば、大小便はモクをとほして藁へたまる。赤ん坊もあまり不快を感じないで保温もいい。一面衛生的ともいへよう。 農事に追われる農民の創作としては、けだし傑作である。野良へ一緒にエヅメを運んでおけば、安心して夫婦は働けるのである。 モクがおむつになるのであるから、洗ふのも簡単で、数回使って新しく代へても安い。 モクは八郎潟に生えてゐる水草で、部落へ売りにくる。 またエヅメボウといって細い棒をエヅメの下において、エヅメを動かしながら、子供を眠らせる工夫もされてゐる。 農繁期のいそがしさからひとりでに考へられたものであらうが、切実な生活の面がうかがへるのである。(南秋田・金足) 天気のよい日など、洗ったモクと小便蒲団とエヅメとが乾してあるのは、東北だけにみられる変った風景であり、おだやかな感じがする。(南秋田・脇本)」 アルフレッド― ほお、70年前の日本人は、「衛生的」という言葉を、そんな風に使っていたんですね。 女将― そうね、赤ちゃんが大小便をしてすぐにモクを取り換えれば、いまどきの合成樹脂製の「紙おむつ」とおんなじかもね。 でも、その頃、家庭訪問をして歩いた保健婦さんたちは、エジコには、入れっぱなし、蠅にたかられっぱなし、家の中でも一番暗い納戸に置かれっぱなし、を見ていた。朝、野良へ出る前にお乳を飲ませてエジコに入れたら、昼もエジコから出さずにお母さんがエジコに屈み込むようにしてお乳を飲ませて夕方、野良から戻るまでそのまんま、って。 アルフレッド― 昼もエジコから出さないんですか? どうして? 抱っこしながらお乳を飲ませるんじゃないんですか? 女将― 少し大きくなった赤ちゃんは、エジコから出すと、また入れられるのを嫌がって泣いたり暴れたりするでしょ。それをなだめてエジコに戻す間も、お母さんは周りの家族から「子どもにかまけて怠けてる」って見られるのがつらかったんでしょうね。 子育ては「ほまつ仕事」だ、って、本来の仕事の片手間にやるもんだ、って軽んじられていたそうだから。 三太― て、ことは、エジコの中は半日以上も垂れ流しだったんだ。 女将=おかあ― そう。保健婦さんが、訪問すると「乳幼児は薄暗い部屋の片隅でエジコに入れられ、泣き疲れた頬に涙の跡を残して眠り、真っ黒になるほど、ハエがたかっているのも珍しくなかった。 そのエジコに、三、四歳ころまでも閉じこめられている子供もあった。」(※3) おばあさんが納戸からひっぱりだしてきた「嬰児籠から赤ちゃんを出すと、赤ちゃんは背伸びをするように全身を伸ばします。そして、ふんわり温かい大小便のにおいがむーんと鼻をつきました。泣きながらこすりつけたのか、足の踵やお尻の皮膚が破れて血が滲み出ていることもありました。(※4)」 ひつじが丘の牝牛さん― 現代の私たちからすれば「子ども虐待」だなと、想像しただけで辛くなりました。 生活全般において育児に割ける時間はほとんどないに等しい状況は、親にとっても子供にとっても「苛酷」の一言につきますね。 ※1 大潟村のHPの「大潟村百科事典」「歴史」「干拓前の八郎潟」 https://www.ogata.or.jp/encyclopedia/history/2-2.html |
(517)アルフレッド・狛犬さん ひ | |
三太― おかあ、久しぶりに、調布の魔女の館、助産院へ行った(※1)。100均のモノがいっぱいあった。 アルフレッド― “100均=ヒャッキン”って何です? 三太― 100均、つまり、ワンコイン100円で、たいていのモノが買える店。そこで買ったモノを「これ、100均」なんて言う。 アルフレッド― ああ、イギリスの、“1ポンドショップ”ですね。 おかあー 調布の魔女さんにね、エジコのこと聞きに行ったんだけど、「LGBTパレード」の虹色のプラカードを100均でせっせと作ってる最中だった。 調布の魔女− LGBTの子どもたちが、壮絶ないじめに遭うのに、もうこれ以上私は我慢ができないのです。 LGBTの子どもが、リストカットしないで済む社会にしたいのです。 学校も親も、無関心すぎます。 「東京レインボープライドパレード2019」、一緒に歩いてくれる方を大募集です。 エジコ(イジコ)、知っています。あそこまで児を縦に起こさなくても、まん丸くして寝かせるとぐずらずによく寝てくれるので 授乳クッションなどを使って、またおくるみなどでくるんでまん丸いポーズを保つようにし、(胎内のポーズですね)寝かせています。 助産院だけでなくどの病院でも取り入れているところが増えていると思います。 これは、「まん丸ねんね」というテクニックです。 おかあ、調布の魔女さんが教えてくれた通り、「まるまるねんね」って検索してみた。 ズバリ、商品開発のきっかけは「イジコ(嬰児籠)でした」って書いてる、「天使の寝床」(※2)がヒットした。 ※1 調布の魔女の館を訪問したのは9年前でした。 (189) 三太産後にイワシ缶?(第407号 2010.6.26) 一番上にもどる |
(516)アルフレッド・狛犬さん え | |
アルフレッド― 女将さん、エジコにこだわってますね、エジコって何んです? 女将(=おかあ)― 赤ちゃんをいれておく容器、って言ったらいいのかな。 写真とか各地の資料館の「昔の暮らし」コーナーで見るだけで、使われてる現場を私は見たことがないんだけど。 去年の夏に行った青森県で、1930年代生まれのおばさんたちから「子どもはエンツコに入れていた」って聞いた。 1950年(昭和25)生まれの人も「使ってるの、見た」って。 エジコって、私は覚えてたんだけど、所によって、いろんな名前で呼ばれてたのね、東北地方では「エジコ」が多い中で、青森では「エンツコ」。 新潟の図書館長さんは「ツグラ」って書いてるし、「フゴ」に出入りしていたような気がする、って言ってくれた人もいるし。(※1) で、私はエジコ=嬰児籠、って文字で覚えてたし、"藁で作ったモノ"と思いこんでいた。 ところが、青森県の深浦で、「嬰児籠(えじこ)」の説明に「町内では木製が多い。秋田沿岸より西海岸は、木製のものがほとんどだという」ってあって、要するに、木の桶(※2 写真)。 それで思い出した、4年前に島根県で見た木の箱、「子守箱」って説明があったけど、あれも「エジコ」だったんだ、って。「猫座」とも書いてあった(※3 写真)。 三太― 「猫つぐら」って、聞いたことあるぞ。 おかあ― そうそう、藁製の「猫つぐら」とか「ねこちぐら」とかっていうのは、今売ってる商品、結構な値段。 「製作に要する日数は約1週間。使用するわらはコシヒカリ約20把。」(※4)だって。 ヒトの赤ちゃん用だと、もっと大きいから、もっとたくさん藁が要ったでしょうね。 うちじゃ、新聞ボックスを三太の専用にしてあげてるから、「犬ちぐら」買わなくてもいいよね(※5)。
一番上にもどる |
(515)アルフレッド・狛犬さん し | |
ひつじの若葉― 「シャーシ製作が進行中」って?(※1) 三太― 「移動式えねこや」って、トレーラーハウスの、シャーシ(車台)が組み立て中なんだ。 「移動式えねこや」は、太陽光発電パネルと蓄電池で電気を自給自足する木製の小屋なんだけど、シャーシの上に載っけてあって、移動する時は他の車に牽引してもらう。 つまり、運転する人は、普通免許だけじゃなくて、牽引免許が必要なんだ。 おかあの免許はペーパーになって久しい、牽引免許に挑戦するなんて夢のまた夢だ。 おかあ(=女将)― 牽引免許は無理でも、私にもできることがある! 今、クラウドファンデイングを募集してるでしょ、一口3千円から10万円までいろんなコースがある。 私の友だちは、『志はあるけど、お金はない』というヒトが多いから、「3千円を300円ずつ10人でシェアしよう」って言ってみた。「500円玉、一個ずつがいいよ」って応じてくれるヒトがいて、あっという間に一口分になった。 アルフレッド― なるほど、300円で夢をシェアするんですね。 おかあ(=女将)− 「えねこや」は自然エネルギーでやれるんだ、っていうポジテイブなとこ、夢に近づけるのが、いいのよね。 4月には深大寺(※2)の境内で製作ワークショップをやるんだって。体動かすのは若いヒトにまかせといて、お蕎麦食べに行こう、ゲゲゲの鬼太郎に逢えるかも知れないし。 ※1 「移動式えねこや(動くおうち)で、地球にやさしい暮らしを提案したい!」 https://faavo.jp/tokyochofufuchu/project/3475/report#pj-single-nav |
(514)アルフレッド・狛犬さん み | |
三太― 「ミュージアム干支コレクション アワード 2019猪」人気投票の結果だ(※1)。 グランプリの「ペッカリー(ヘソイノシシ)」、なんともはや、これがイノシシ? アルフレッド― 女将さん、今年はイノシシの机上展覧会、やらないんですか? 女将― 今年は、応募作品がすごーく少なくってねえ。 イノシシってキャラが、扱いにくいせいかな。 抜群だったのが、調布のデコちゃんのイノシシ。 がんばって、3頭、家族イノシシを作った。十二支のなかでも、とくに難しくって、何回も作り直したんですって(→写真、※2)。 三太― ペッカリーは、中南米のエクアドル海岸あたりで3000年くらい前に生まれて、今は岡山県備前市の美術館にいるんだと。 おんなじ美術館にゃ、【ナスカにゃん】てえ、ペルー出身の猫神さまもいる(※3)、ネコ派は必見! 猫のウメちゃんのおかーさん― 今年はたった1枚、むらきさんからの年賀状が当たりで、私も記念切手シート(※4)貰いましたよ?。どうもありがとう。 招き猫の図柄に驚き、ちょっと嬉しかったです。 「2019年は猫年」に1票です。 猫のこまるのおっかちゃんのおふくろさん― ベトナムには猫年あるんですよ。 知らなかった? 兎の代わりに猫です。 いわれは知らない。 ひつじが丘の牝牛さん― 「移動式えねこや」の1/30サイズの模型(※5、写真)、見ました? えねこやの中から猫のハコちゃんが、じ?っと見てるんですよ。 自分のネコ小屋にしようと思ってるんでしょうか。 この「移動式えねこや」は電気を太陽光で自給自足する「動くおうち」なんですよ。 自然エネルギー100%で快適に過ごせる小屋空間をたくさんの人に体験してもらいたいと現在、クラウドファンディングで材料費の資金集めをしています。(3月30日まで!) 小屋づくりワークショップも行って、4月末の完成を目指しているんです。 みんなで楽しくつくって活用していきたいと思っていますので、ぜひぜひご協力お願いします?! 詳しくは、こちらのサイトをご覧ください⇒ https://faavo.jp/tokyochofufuchu/project/3475 三太― 猫のハコちゃんもおらも、金やカード持ってねい。 けど、志のあるヒトは、おかあに言ってくれれば、ひつじが丘の牝牛さんに取り次ぐって。
一番上にもどる |
(513)アルフレッド・狛犬さん め | |
アルフレッド― 【めんくらった】って言うんですかね、日本語だと― 三太― どうした? アルフレッド おかあが、出てったと思ったら、バタバタ戻ってきて、アルフレッドを引っ掴んで飛び出してったのは目撃したんだが アルフレッド― 女将さんに、ひだまりサロン(※1)へ連れてかれたんです。 人形師のレモンさんに紹介するから、って。 会場へ入って行ったら、舞台―といっても、机一台ですが―を準備していたレモンさん、僕を見るなり、舞台に立たせたんです、オーデイションもリハーサルもなし、ぶっつけ本番そのもの。 あれよあれよ、って、いやも応もなく、 レモンさんに、僕は踊らされてしまったんですよ。 英国紳士たる、この僕が、です。(→写真) 女将=おかあ― ごめんごめん、想定外の展開に、私も呆然としてた。 あとで、レモンさんが、何か、いいもの見せてくれる、って言ってたから、勘弁してあげて。 三太― そっか、ライオン=獅子のアルフレッドが踊った、獅子舞そのものだったんだ。 ノブコさんだったら「ぬいぐるみが踊るわけないでしょ!」って言うだろな。 おかあが、知り合いの地方議員にカンパを送金した、って言ったら ノブコさん、「議員にカンパするなんて、考えたことなかった」って。 おかあ― ひとサマザマ、懐具合もサマザマだから、押しつける気はないけど、 <この人に、議員を続けて欲しい>という気持ちを示したかったのでね。 握手するだけに行ったって、往復の電車賃やなにかで、千円すぐかかっちゃうこと思えば、うちにいてできることだから。 限られた財布から、何にどう使うか、悩みは尽きないんだけど、 たとえば、ウオッチドッグを飢え死にさせないための寄付(※2)とか、 原発に反対する<ネガテイブ>だけでなく、提案する<ポジテイブ>クラウド・ファンデイング(※3)とか・・・ ※1 (511)アルフレッド・狛犬さん き |
(512)アルフレッド・狛犬さん ゆ | |||
アルフレッド― 「雪だ、た?いへん!」って、女将さん、飛び出して行きましたね、朝の6時前に。 女将=おかあ― だって、予報が「大雪」って言ってるし、起きて見たらチラチラ降り始めてたし。 電車のダイヤが乱れたら、新幹線に乗り損なっちゃうから。 東京駅あたりでも、屋根がうっすら白くなったくらいで、やんだから、影響なくて済んだんだけど。 豪雪地帯の人はほんと、たいへんだと思う、お見舞い申し上げます。 アルフレッド― で、どこへ行ったんです? 女将― 高槻市。 アルフレッド― 去年、大阪府北部地震の被害の大きかったところですね。 女将― ちょっと歩いたところでは、地震の跡は気づかなかった。 城跡公園へ行ったら、鉢巻きしているタコがいた。(※1、写真)調布のタコは真っ赤だったけど(※2)。 アルフレッドの仲間にも遇った。 みーんな、大きな白いエプロン掛けてた。1頭だけ赤だったけど。 これから床屋さんに整髪してもらうんでしょうね。 けど、お客さんにこんな怖?い顔されたら、床屋さんもビビるだろうな。(※3 写真)
一番上にもどる |
(511)アルフレッド・狛犬さん き | |
アルフレッド― 女将さん、珍しくニコニコしてますね。 女将― うん、年賀はがきのお年玉、抽選結果調べたら、今年は大当たり。切手ばかりだけど。 三太― この数日、腹具合がよくねい、って、ろくに食わねえで寝てばっかりいたくせに、いそいそと郵便局へ出かけてった。 当ったハガキで賞品の「お年玉切手シート」をもらうんだ、って。 おかあ― なんと、今年は郵便局も、「ネコ年」なんだ!(※1) 見て、どう見ても、イノシシでもブタでもなくって、招き猫でしょ? 欄外にはイノシシの姿もあるけど、切手としては、ネコだけだ。 おかあ、近所の「ひだまりサロン」(※2)に行く。今年最初だから新年会ってこった。 レモンさんの一人人形劇、亥年最初の役者は、ブタかイノシシか? 指人形で登場したのは、『三匹のコブタ』だった。 おかあが、「ネコ年じゃないの?」って訊いたら、レモンさんが「黒猫」って出して見せた。 どう見ても、黒にゃあ見えねい。(↓写真) レモン― 作ったときは黒かったのよ。 しばらく寝かせてたの。 久しぶりに出してみたら、こんな色になってた。 またの日、おかあ、ニュース発送作業に行く。 作業を終えて、ふと、おかあのセーター(※3)に目をやったノブコさん― それ、何? ネコ? おかあ― そう。今年はネコ年だから。 ノブコさん― ネコ年なんて、ないでしょ! アルフレッド― ノブコさんは、「犬がしゃべるなんて、ありえない!」って、「おらあ三太だ!」を読まないヒトなんですね、「諸日程」は活用するけど。 女将さんの友だちには、いろんなヒトがいるんですねえ。
おかあが新年に着始めたセーターは白地に黒のぶち猫です。 |
(510)アルフレッド・狛犬さん さ | |
アルフレッド― 『桜守(さくらもり)』の佐藤さんは、冬には休むんでしょう?(※1) 女将― そうはいかないんですって。 冬に休むのは桜の木のほうで、世話する桜守は、桜の植えかえや新しい植えつけ(植樹)という大仕事をする時期なんだって。樹木が成長を止めて休んでいる間に。 アルフレッド― なるほど。 たいていの人が桜を気にするのは1年のうちの1週間から2週間だけでも、桜守には「桜が散って芽がでてからが、1年のはじまり」なんですね。 で、三太君は、何してるんです? 三太― おら、冬の仕事してる、チューリップの球根の世話。 おかあが11月に植えっぱなしにしてるんで。 おらの体温で、あっためてやってる。 ニワトリだって、カラスだって、卵を産みっぱなしにしねいで、あっためるだろ。 キウィはパパが巣作りや子育てするのがあたりまえだし。(※2) 卵がでかくてパパの体でカバーしきれねいキウィを思えば、おら一人でチューリップの球根10個くらい、ラクなもんだ。ロバに手伝わせるまでもねい。 数日後、おかあ― あ、チューリップの芽が出てきた! 三太― なんと、おかあ、おらが座ってたとこに、植木鉢をいくつも置いちまった。 おらが座って、チューリップの芽をつぶさないように、って言うんだが、 要するに、おらを花壇に入らせないためだ。 ゾンビの遠隔地飼い主が作ってる「壁」を、非難する資格、おかあにあるか? 読者さんたち、どう思う?
|
(509)アルフレッド・狛犬さん あ | |
ひつじの若葉― アドヴェント・カレンダーだったんですね、シモンのおとうさんが作ってくれたのは。 三太― そうだね、縞猫フローラの絵を描いて、そのしっぽの縞24こを一日一つずつ塗りつぶすように、って。(※1) ひつじの若葉― で、はじめは24まで数えられなかったシモンが、毎日毎日、フローラのしっぽの縞を塗っていくうちに、24まで数えられるようになったんだ。 ところで、シモンが玄関に来た子どもたちからアドヴェント・クランツを買うために、開けたのはぶたの貯金箱だった。 アルフレッド― 女将さん、いぬ年の次、今年は何ドシです? 女将=おかあ― 今年は亥年(いどし)、日本ではイノシシ。中国では豚だって。 レモンさんに訊いてみよう。 人形師レモンさん― 今年の人形キャラはイノシシかブタか、とのお尋ねでしたが、年末年始に腰痛が出て、猪突猛進にはほど遠く、ゆるユルよりもシズシズ歩いてます。 福島県のミユキさん― 原発事故以降福島では「猪」が増え過ぎて大変困っています。 そこで県では干支の猪を「猫」に替えることに決定しました。 三太― 県で決めたって、マジか? 正月早々フェイクか? 福島県のミユキさん― わが家では、被災地飯館村から来た鉄鍋猫の「トラジ」と一緒に年越しをしました。(→写真 三太― おかあ、新品の白いセーター着てきた、大きな黒い水玉か? と思ったら、なんと、猫の顔。黒ぶち猫だ。 うちでも、イノシシ年じゃなくって猫年にするんだ
一番上にもどる |
(508)アルフレッド・狛犬さん て | ||||
アルフレッド― テラさん、見事なデビューですね。 三太― うん、小学校の動物愛護教室に招かれたんだと。 テラさんのおかーさん― 動物と触れ合うと人は良い表情になりますが、特に子どもたちは和やかな表情になります。 眼鏡の男の子は、あとあとまでテラに抱き付いて離れませんでした。 その時の写真が、町の広報紙の表紙に載りました。 全戸配布ゆえ、昨日から犬友たちをはじめ、道で会う人たちに「見たよ?」と声をかけられ、テラ、自分の知らないところで町内の有名「人」になっています(笑)。 アルフレッド― 広報紙の写真を読者の皆さんにも見てもらいましょう。(写真左) サイト「むらき数子の情報ふぁいる」http://www.geocities.jp/muraki_file/santa/sant.html に載ると、グローバル規模の有名犬になりますね、 そもそも、名前がテラ=地球だったんですね。 三太― 12月24日夕方、おかあをお供に散歩に出たら、おかあの知合いの星娘さんに遇った。 80年前の七夕の日に生まれたんで、星娘ってえ名前つけられたんだと。 星娘さんが、おらこと見て「今日、サンタ君に遇うなんて、縁起がいい!」って喜んだ。 おかあ、それで初めて、そっか、今日はサンタクロースの日だ、おらの日だ、って気がついた。 【おらあ、サンタだ!】 おかあ、翌日、朝イチでホームセンターへ出かけてった。 クリスマス当日だから、まだクリスマス・グッズを売ってるだろう、って。 おかあ― あった、あった! ペット用品コーナーで、犬用のサンタ帽子とケープを見つけた。 三太は若いころから服嫌いだったから、帽子をかぶらせるのは無理だろうから、ケープだけにした。 「六日のあやめ」じゃなくって「25日のクリスマス・グッズ」、半額! 三太― おかあの顔を立てて、ケープを着てやった。(写真中) おらあ、サンタだ! ケープを着て散歩に出たら、おらより少し小柄な犬に遇った。 茶色の服に、角がついてる、トナカイだ。 両方のお供が、「サンタとトナカイが揃った!」って喜んだ。どっちもカメラを持ってなかったんで、写真撮れなかったのは残念だ。 アルフレッド― 戌年も残り僅かですね。 今年の主役に敬意を表して、年賀状をもう一度見てもらいましょう。(写真右) 一番上にもどる |
(507)アルフレッド・狛犬さん え | |
ひつじの若葉― エルマーは、ジオジオのバースデーケーキ(※1)を食べられなかった 三太― ああ、エルマーは家付きの妖精だからね、ジオジオの村へ遠出できないから。 エルマーは、家の人が作ったブルーベリーパイがとっても気にいって、また作ってもらいたくって・・・(※2) 若葉― エルマーは、ベッドメーキングしたり食器を洗ったり床を掃除したりして、一生懸命アピールしたんだけど、人間には見えないし気配も感じられないから、ぜ?んぜん、分ってもらえない。カワイソー。 三太― おかあ、幼稚園の園長先生が開いたパーテイーに行った。 みんなで、クリスマスリースを作って、お茶飲みするんだって。 園長先生が用意していた素材より参加者が多いってえ盛況だった。 おかあ、写真撮ったりしてウロウロしてたら、素材が足りなくなって、リース作りからこぼれちまった。 でも、お茶菓子にはありつけたんで、リースがなくても平気だった。 次の日、ピンポーン! 園長先生だ。 リースを貰えなかったおかあがいじけてるんじゃないかって、心配してきてくれたんだ。 片手に先生が育てた大根、もう一方の手に「私も初めて作ってみたんですけど」って、おかあが初めて見るモノ(→写真) おかあ― あ、それって、【アドベ・・・】なんとか、ってモノですか? ワアー! ありがとうございます! アルフレッド― 女将さん、たまたまゆうべ読んだ本(※3)で、アドヴェント・クランツのこと知ったばっかりだったんですね。
一番上にもどる |
(506)アルフレッド・狛犬さん こ | |
ひつじの若葉― ココがね、思いっきりの力をふりしぼって小さな金色の鍵を拾った。(※1) 金色の鍵で開けたタンスに、水色の服と水色の靴があって、着てみたら、自由に動けるようになって。 三太― ココはお店から連れられてきたまま、はだかんぼだったんだ。 若葉― 人形だって、≪もしも思いっきりの力というのを全部ふりしぼりさえすれば≫動くことができる、夢を見ることもできる、んだって。 ココは夢を見に、知らない国へ、出て行った。 白い舟に乗せてくれたのは、キザな銀色ネズミのヤス・・・ マリナさんは、国境なき助産師になった・・・すごーい・・・ 「国境なき医師団」 https://www.msf.or.jp/ って、医師だけじゃなくて、 助産師さんもいるんだ。 アルフレッド― 「国境なき医師団」が募集している職種は多岐にわたります。大きく分けて、医療職と非医療職。医療職は医師、手術室看護師、助産師など。非医療職は、物流管理や建設などのロジステイシャンや、人事・財務などのアドミニストレーターです。(※2)
|
505)アルフレッド・狛犬さん ふ | |
三太― 中野区の資料館のオネエサンからメールが来た。 「ミュージアム干支コレクション アワード 2019猪」に、今年は、「出雲の張り子亥」を出品したんだと。 全国の美術館・博物館の館蔵品(ミュージアム・コレクション)の、来年の干支「猪」の人気投票だ。 https://www.museum.or.jp/eto-colle/ 読者さんも、投票して応援してあげてほしい あれ、おかあ、ドヨ?ンと落ち込んじまった。 おかあ? 酷暑だ酷暑だ、って言ってたのがついこないだなのに、もう年賀状の時期… トシとると、時の経つのが早い、って聞いてたけど、ホントだ… ひつじの若葉― 「出雲の張り子亥」、焼き芋思い出す。大学芋もいいな。 アルフレッド― 日本にはいろいろなイノシシがいるんですね、奈良の「猪形埴輪」は、馬だと思います。 一番上にもどる |
(504)アルフレッド・狛犬さん け | |
ひつじの若葉― 「ケーキを買うな、Kパンを食べよ」って言われたんだけど、どうして? Kパンって何?(※1) アルフレッド― Kパンは、戦時パン(Kriegsbrot)、略してK?Brotのことです。ジャガイモ(Kartoffel)を10%混入したパンですが、20%混入したKKパンも開発されました。 第一次世界大戦、開戦して3か月の1914年10月28日に当時のドイツ政府が定めた規格です。 日本風にいえば「代用食」、「節米」「混食」の奨励です。 小麦の3割を輸入に頼っていたドイツが戦争始めれば、すぐに食糧不足します。 若葉― それで、ドイツじゃ、政府だけでなく、おばさんたちが、やかましく言ったのね。 「戦時台所の七つのKの戒め」だって。 Kパンを食べよ Esst Kriegsbrot ジャガイモは皮を付けたまま調理せよ Kocht die Karutoffeln in der Schale ケーキを買うな Kauit Keinen Kuchen 賢く、油脂を節約せよ Seid Klug spart Fett 蒸し器を用いて調理せよ Kocht mit Kochkiste 戦時料理本をもって調理せよ Kocht mit KriegsKochbuch 戦争の勝利に助力せよ Helft den Krieg gewinne おかあ― ずっと前、三太がうちに来る前に、「ジャガイモの皮は、剥いてから茹でるか、茹でてから剥くか」って、「読者体験大募集」 をやったことがあった(※2) あのとき、紹介したエピソード(※3)の元が、104年前の、ドイツの婦人会「国民女性奉仕団」のお話だったんだ 三太― おかあ、藤原先生の本『カブラの冬』、改めて読み始めた、今年は第一次世界大戦終戦100年だ、って。 ドイツでは、大戦中に、餓死者76万2796人! この数には兵士の戦死180万人は含まれてない。 開戦直前の人口の約1.1%が餓死した・・・ おかあ、どのページ開いても、第二次世界大戦=アジア太平洋戦争中の日本のことと重なるんで、頭がクラクラしてきた。 平成29年度、日本のカロリーベースの食料自給率は38%だって、農林水産省が言ってる(※4)。 これで、戦争なんて選択肢ありか?
一番上にもどる |
(503)アルフレッド・狛犬さん ま | |
ひつじの若葉― マーライオンもアルフレッドの仲間? アルフレッド― そうです。 1972年生まれの46歳。若いです。 オレンジさん― 私は9月に60歳になり、さっそく、映画シニア割引を利用しました。 観た映画は、渋谷アップリンクで「タリナイ」 https://www.tarinae.com/ マーシャル諸島をめぐる旅。 アルフレッド― マーライオンの居るのはマーシャル諸島ではなくシンガポールです。 シンガポールは「アジア四小龍」とか「アジアの4頭の虎」とか言われてますが、そもそも国名「シンガポール Singapore」は「シンハ(si?ha)」=獅子の町、つまり僕の町です。 国章は僕・ライオンと虎が盾を支えていますが、国獣はマーライオンです。 おかあ(=女将)― マーライオンに、東京・水道橋のシンガポール料理店の前で会ったことがある(※1)。 全身真っ白。 本場のマーライオンは夜になると変身するんだって? アルフレッド― 国獣も、観光資源として働いてます。 マーライオンは看板獣そのものですからね、年中無休です。 夜も、ライトアップ、今風に言うとプロジェクションマッピングで、鱗一枚ごとに色違いだったり、賑やかです。 「マーライオン ライトアップの画像」で検索してみてください。 ※1 シンガポール海南鶏飯 水道橋店(ハイナンチーファン) http://www.hainanchifan.com/ 一番上にもどる |
(502)アルフレッド・狛犬さん や | |||
アルフレッド― 山へ行ったんですか、女将さん。 三太― うん、高尾山も山だ。 おかあ― たまたま、行ったら、ちょうど1年ぶり。厳密には、去年より1週間ほど早かったんで、紅葉にはまだだったけど、山頂からは真っ白にお化粧した富士山が良く見えた。 帰り、薬王院のコースを下って来たら、狛犬に再会した。(※1) 阿が化粧直しの真っ最中。 阿と取っ組んでいるお兄さんに「この仕事は何て言うんですか? 石屋さん? 左官屋さん? メーキャップ・アーテイスト?」って聞いたら、監督のオジサンが「なんでも屋だよ」 吽はもう終わってキレイになってた。(阿の写真、左:2017年10月-右:2018年10月)
ひつじの若葉―
一番上にもどる |
(501)アルフレッド・狛犬さん く | |
◎おらあ三太だ!
※2 太宰治「晩年」に就いて 一番上にもどる |