目次
その1(0〜10)
(0)  読者体験大募集!!
(1)  読者のジャガイモ体験発表!
(2) ジャガイモ堀りの手伝いに行きました。
(3) 作付と法律
(4) 「わたしもじゃがいもを掘りました」
(5)  ジャガイモめし
(6) 「ジャガイモの皮剥き」
(7) 北海道のイモ
(8) 北海道のイモ 続き
(9) 「ドイツ婦人を見習え!」
(10) 「皮ごと食べれば」

その2(11〜20) / その3(21〜30) / その4(31〜40) / その5(41〜)
  

10.「皮ごと食べれば」

「新潟県の21才」さんから―
先日無農薬・有機栽培のジャガイモを食べる機会があり、栄養があるから皮ごと食べたほうがよいとききました。
ふだんから皮をむかずに食べるような自然派生活だったらもしかしたら「精動」に操られなかったのかも・・・?
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
皮を剥くか剥かないか、は、好みとか上品ぶるとか、によるのだと、むらきも思ってました。今回、ジャガイモ関係の本を10冊ほど見るまでは。
梅村芳樹『皮までおいしいジャガイモ料理』(創森社、1998.4)で目からウロコ。

なぜ、日本に皮つきのジャガイモ料理がないのか、それは、梅雨期に収穫した芋が腐らぬように日にあてて干す、流通時にも遮光しないという生産・流通の風習から、規定されたようなのです。
日にあてた(曝光)ジャガイモは、皮の下に緑色の有毒成分が生成されて、苦(にが)い。消費者としては、苦い皮を剥いて捨てざるを得ない。
「自然派」でいたくても、苦い皮は食べたくないよね。
ドイツ婦人のまねをせよ、というのは、日本の事情を無視した見当違いのお説教だったのでした。

 






9.「ドイツ婦人を見習え!」

「奥さん! 今日、政府(おかみ)から出た法律をごぞんじ?」
隣りの細君が甲高い声を張りあげて飛び込んで来た。
「この頃はまァ、ほんとにいろんな法律が出ますのね。だけど、今日のはまだあたし知りませんわ。」
「さう、今日のはね、主人よりも、あたしたちにとって大事な法律なのヨー」
「あらッ、どんなことなんですの。」
「馬鈴薯(じゃがいも)ハ生(なま)ノママ皮ヲムクベカラズ、皮ゴトユデルベシ・・・ッて法律なの。」
「あらッ、どうしましょう。あたし、たったいま皮をむいてしまひましたわ。」
 どんより曇った空を、飛行機が三台、五台と、物凄くうなりながら、北の方へ飛んでいった。

   この会話は、決して嘘ではありません。欧州大戦の時に、四面敵に囲れて、糧食が非常に不足したドイツでの話なのです。(下略)

総ルビ付きの以上の文章は、1938(昭和13)年5月28日発行された『戦時婦人読本』の冒頭です。編纂は国民精神総動員中央連盟、時期は国家総動員法が公布(4月1日)施行(5月5日)された直後です。(中嶌邦監修『女と戦争 第12巻(近代女性文献資料叢書12)』大空社、1992。所収)
 「一切の民需品は軍需品になる」のだから、「皮をむくか、むかないか――台所をあづかる奥さんの、一寸した注意が、全国的の問題になれば、一国の国民の栄養にまで影響するとあっては、主婦の任務はまことに大なりといはなければなりません。」と、総動員体制への主婦の協力義務をコンコンと説いているパンフレットです。
 このドイツ婦人の合理性を説くジャガイモの皮・エピソードは、なんと、1917(大正6)年3月の『主婦之友』創刊号に載ってました。昭和恐慌下の農村向けの雑誌『家の光』にもくり返し出てくるし、日中戦争開戦頃に聞かされた女学生もいました。第一次世界大戦での敗北・戦後インフレをしのいで、世界に奇跡の復活を示しつつあるドイツって、東亜の盟主をめざす日本人の憧れの的だったんですね。

 なんで、サツマイモじゃなかったんだろう、って?
  ドイツにはサツマイモがなかったんじゃないかな・・・。

 






8.北海道のイモ 続き

「北海道へ行って、ひたすらイモばっかり食べてたの? ウニとか時季なのに」と言われました。
実は、四泊五日の、四晩すべてが、宴会料理。カニ鍋・ホタテ飯・ウニ・鮭・カレイ・イカ・海老、定番の刺身はもちろん煮物・揚げ物・焼物・酢の物・蒸し物・・・数え切れない。食べ切れない。あーあ、ゴローに持ち帰りたい、と毎晩、思ってました。
「ジャガイモ談義?」に、宴会料理のことや、朝食バイキングで味噌汁・ご飯を食べたことなどを、書かなかったのは、そんなことは「あたりまえ」だと思ったからでした。朝食バイキングに「肉じゃが」は珍しいな、と印象に残ったので、書いたのでした。
2003年現在の日本で、ふつうのご飯が、「ジャポニカ種のうるち米を精白したもの100%を、味をつけずに水だけで炊いた『白飯』だった」、なんて、書く人いないでしょ?

 






7.北海道のイモ

北海道に行ってきました。北海道でイモといえば、ジャガイモ。
○まずは、新千歳空港内のラーメン屋で、「ジャガイモ・ラーメン」1000円。イモでできた麺ではなくて、茹でたイモが具として載ってました。
土産品の「いももち」はレトルト、6個、たれ付き、500円。馬鈴薯+ばれいしょ澱粉。
同じく「とろーりチーズのポテトチップス」700円。
○札幌市の「北海道開拓の村」の食堂の「イモモチ」は海苔付き、2個300円、熱々がすごーくおいしかった。
○ 支笏湖畔の「イモモチ」は海苔なし、2個250円、ジャガイモ+片栗粉。
「イモ天」はジャガイモ丸のままの天ぷら、3個250円。
支笏湖畔・丸駒温泉ホテルでは朝食バイキングに、「肉じゃが」。
○ 札幌の東隣の江別市篠津のT家の耕作面積は30町。米とレタス・人参・小豆など。作目ごとに機械も違うので、ジャガイモは生産していない。ジャガイモは自家用に少し作るだけ、サツマイモは北海道には合わない。
○ 江別市三原の7人家族の開墾農家の娘・永上シナヲさんは、1922(大正11)年、
「小学校二年生頃だったと思います。学校から帰ったらしなければならない仕事が二つありました。一反歩の畑の草取りです。『つきぼー』と言っていた道具を持って畝の間を走り回ります。・・・もう一つの仕事は、夕食の支度です。その頃、白い御飯は特別の日の食べ物でしたから普段はじゃがいもやとうきびがたくさん入った御飯を食べていました。
 私の仕事は百個のじゃがいもの皮むきと干したとうきびの粒を石臼で挽いて粉にすることでした。」(櫛田栄子『母たちの風景』叢書・江別に生きる7、1997)

  7才の子が毎日100個の皮むきと1升のとうきび挽き! シューンとしました。
「昔の子どもはよく働いたもんだ」と中年以上からよく聞きますが、子どもが働かなくてはならない貧しい時代・社会を思い、子どもを働かせなくてすむことをありがたく思います。

 






ゴローと、同じ鍋のイモを食った仲の、オニイチャンから―
「うちの皮むき器(高級セラミック使用の京セラ製)には『芽取り』はついておりませんです。」

ハイテク時代になっても、家庭での皮剥きは手作業なんですね。
給食や外食産業の業務じゃどうしてるんでしょうね、どなたか報告ください。

30年前のあやしげな船では、クプクプ少年の、ボーイとして最初の仕事が、ジャガイモの皮むき。65個も!
  皮むき器なし、ナイフで、指に二、三ヵ所も傷をつくって。かわいそー。
(北杜夫『船乗りクプクプの冒険』)

梅村芳樹著『ジャガイモ : その人とのかかわり』(「作物・食物文化選書」古今書院、1984.5p.195)によると、ヨーロッパではジャガイモは19世紀に普及し、爆発的な人口増加と生活水準向上をもたらした。にもかかわらずジャガイモに対する評価は低い、と次のように述べている―
「『ジャガイモの皮剥き』という言葉。この仕事は馬鹿でもできる仕事、意義を見い出せない最低の仕事を示す言葉として、ヨーロッパ人の間で使われている。」

オヨヨ、「ジャガイモの皮剥き」にこだわっている「情報ファイル」はサイテー、か

 






6.「ジャガイモの皮剥き」

ゴローと、同じ鍋のイモを食った仲の、オニイチャンから―
「うちの皮むき器(高級セラミック使用の京セラ製)には『芽取り』はついておりませんです。」v
ハイテク時代になっても、家庭での皮剥きは手作業なんですね。
給食や外食産業の業務じゃどうしてるんでしょうね、どなたか報告ください。

30年前のあやしげな船では、クプクプ少年の、ボーイとして最初の仕事が、ジャガイモの皮むき。65個も!
  皮むき器なし、ナイフで、指に二、三ヵ所も傷をつくって。かわいそー。
(北杜夫『船乗りクプクプの冒険』)

梅村芳樹著『ジャガイモ : その人とのかかわり』(「作物・食物文化選書」古今書院、1984.5p.195)によると、ヨーロッパではジャガイモは19世紀に普及し、爆発的な人口増加と生活水準向上をもたらした。にもかかわらずジャガイモに対する評価は低い、と次のように述べている―
「『ジャガイモの皮剥き』という言葉。この仕事は馬鹿でもできる仕事、意義を見い出せない最低の仕事を示す言葉として、ヨーロッパ人の間で使われている。」

オヨヨ、「ジャガイモの皮剥き」にこだわっている「情報ファイル」はサイテー、か

 






5.ジャガイモめし

「ゴロちゃんファンクラブ川口」さん、略して「川口さん」から、ジャガイモをいただきました。
立派な大粒のはヒト用に、ピンポン玉くらいの小粒のも「ゴロちゃんに」と、袋に入れている「川口さん」に、お父様が目を丸くして、
 「犬が、ジャガイモなんか食べるのか?」

ジャガイモはゴローがうちの子になった10年前から、大事な食材です。
野菜いっぱいの雑炊がいやなら、うちの子にならなくっていいよ、と。
強制したわけじゃありません。若い頃のゴローは一人で遊びに出ては、1時間半くらいして戻ってくることが何回もありました。
オカーサンの雑炊を、ゴローが選んだのです。

「川口さん」の小粒のジャガイモを早速、ゴローの「ジャガイモめし」にしています。
ゴローにかわって、「「川口さん」、お父様、ごちそうさまです」。

芽を取るのは、けっこうたいへん。
『小林カツ代のじゃがいも大好き』(講談社、1995、p.97)に、「皮むき器のサイドにポツンとついているものは、じゃが芋の芽取り。どんな芽でもかき取れるのです。」
とあるので、うちの皮むき器で試してみました。なーるほどねー

(「情報ファイル」もたまには実用家事情報を載せます)。

 






4.「わたしもじゃがいもを掘りました」

「ゴロちゃんファンクラブ川口」さんより―

 母が生前家庭菜園をやっていて、そこを、ついで早20年、植え付けや芽かき、たい肥をやるのは、86歳の父の仕事です。
毎年2月下旬に畑の準備に入り、彼岸入り前には植え付けが終わります。今年は、初めて知人から小型の耕運機を借りてきました。
じゃがいもは、手もかからないし、その間、雑草も生えないので、ほとんど植えっぱなしですが、収穫、保存は、私の役目です。
葉茎が黄色に枯れ始めたころが、目安ですが、じゃがいもが、土から頭をでして、緑色になったのを発見して慌て掘り返します。土が軟らかいので、軍手で堀り、園芸店で捨てられている苗木運搬用の、黒のプラスチックのかごに入れて、はこび、日陰の室内土間(玄関しかないので)に干し、泥が乾いたら、ご近所、親戚、知人、友人に少しずつ差し上げます。
自宅用は、穴の開いた、コンテナで、物置に保管します。多く保管し過ぎると、翌年芽が伸びて、じゃがいもがしわしわになって美味しくないので、12月位まで食べきる量を保存します。
土から顔を出した、緑のは、苦いので、厚く皮をむいて肉じゃがにし、小さいのは、蒸かしてから皮をむき、ポテトサラダにしています。

 






  3.作付と法律

茨城の「猿の木」さんから、前号「ジャガイモ談義?」の
「農地じゃないから、あんなに畑を作ったら法律違反かもしれない。」
の部分について、コメントをいただきました:

1.畑について、誰が何の作物を、どこに、どのくらい作付けても、問題はありません。
2.水田、陸田に稲を作付ける場合、「知らなかった」場合以外、食管行政の上で、作付け調整、所謂、減反がなされているので、市町村の農政課、もしくは農協による耕作者への縛りがあります。
学校の教育目的などでは、問題にされないようです。
大規模農家、あるいは、飯米農家(はんまいのうか。15アール以下の自家消費作付け登録農家。殆どの場合、お勤めに出ている農家と考えられます。)では、面積違反すると、最悪の場合、青刈りなどのペナルティがあります。 農家以外で、何ヘクタールも作ると、農政課がクレームを付けて来るかも。
目に見えない行政指導です。戦時中の食料統制の続きです。
3.タバコの作付け振興に関して、タバコの産地では、同じナス科のジャガイモに付いているウイルス病をとても恐れます。

農政課による回覧板で、
「タバコ作付け地の150メートル(未確認です)以内では、ジャガイモを作らないで。」
と協力を求めています。
実際は、隣家も無断で自家消費のものを内緒で少し、植えたりしますが、少ない換金作物ですので、タバコ農家からは嫌われます。
抜き取りなどの、行政の強制力は無いようです。 4.農地取得については、畑、田んぼを問わず、40アール以上を実際に耕作している人、あるいは、「農家」として代々存在している人だけが取得出来ます。
新規就農者は、借地で始める例が多いようです。
ただ、農家ではなくなった議員などが、自分の都合で農地を、開発目的で取得する場合、まだ農家で登録されている親の名義で、取得する例は、多く見られます。

 






2.ジャガイモ堀りの手伝いに行きました。

豊島区のゴロー・ファンさんから:

 先週の日曜日、ジャガイモ堀りの手伝いに行きました。
 家庭菜園に物足りなくなった友人が畑を作り、かなりの面積を大根やジャガイモ畑にしてしまいました。なんたって中古の農機具まで買ったくらいで、すごい投資をしてます。
農地じゃないから、あんなに畑を作ったら法律違反かもしれない。
 あまりの量の収穫に、汗みどろになって働きました。すごーく疲れました。
 農業はホントに大変ですよね。今週も収穫してますが、私は台所と食卓だけでよいと・・・・当分は、畑に行こうと誘われても行きたくない気分です。

 掘ったジャガイモは、みんな車なので、もって来た袋などに入れて持ち帰りました。私は、ビニールに入れて車のトランクに。植えた本人は、大きなかごに入れてワゴン車に積んでました。
 保存するところが無くて困ってます。とりあえず、食卓とキッチンの間に袋に入ってころがってます。
 私は八百屋さんに聞いて、「干して乾燥させなさい、でも日に干してはダメ」と言われたので、暗いとこに保存したほうが良いと思うけど、ダンボールに入れたままだと、日中は留守が多くて家が暑くなるので蒸れそうで、空気が入るようにしてます。

 お芋の種類は多様で、男爵・メークイン・赤いも(皮が赤い)・中が黄色(植えた人間が名前を忘れた)の4種でした。中が黄色のおいもが美味しいです。
 私はジャガイモは「ジャガイモ」「おジャガ」としか言ったことがありません。連れ合いが「馬鈴薯」と言うことがあります。

 ポテトフライには皮ごとが美味しい。サラダはもちろん、煮物は煮てるうちに皮がむけてしまいますから、はじめから剥いて煮ます。
 コロッケも皮が混じるから、剥いてゆでます。電子レンジでチンして、じゃがバターは皮付きのまま、やはり朝忙しいときのサラダは皮付きで電子レンジ、アチチと言いながら皮を竹串などで取ります。
 畑で料理するときは、干すどころか、掘りたてを土を落とし皮を剥いて肉じゃがに、皮のままホイル焼きに。

 






1.読者のジャガイモ体験発表!

第86号 読者体験大募集「ジャガイモの皮は、剥いてから茹でるか、茹でてから剥くか」―読者のジャガイモ体験発表! 第1回

茨城県の主婦歴30年さんから、
「あんまり、あたりまえにやってるから、聞かれても何て答えていいか・・・」
 

新潟県の21才さんから:
「コロッケを作るときは茹でた後むき、こふきいもなら皮をむいてから茹でますね。理由は知らないけれど、母親がそうだったので。
でも後から剥いたほうが栄養が逃げないような気がします・・・?」

 






0.読者体験大募集!!

「ジャガイモの皮は、剥いてから茹でるか、茹でてから剥くか」
あなたはそのやり方を、いつ、どこで、誰から、知りましたか? たとえば、「小学校の家庭科で、先生から教わった」とか、「昭和○○年代、新聞の家庭欄で読んだ」「雑誌▽▽で読んだ」とか、「母親(大正○年生まれ)がやっていたから」「自分で身につけた」とか・・
・ 「茹でたら皮のまま食べる」というのも、あり、です。
ついでに、新芽は毒だという知識は?
例によって賞金賞品はありませんが、応募お待ちしています。

 




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