(140) 三太三の午(さんのうま) | |
Sinceさんが、おらに、素敵なシッポをつけてくれた(※1)。スミツカレの写真も見せてくれた(※2)。 これで赤いヨダレカケつけて、お稲荷さんの鳥居の前に座れば、キツネそのものだ。 三の午が楽しみだ。 質問が来た― 「初午、って何ですか?」 おかあ、あせった。 「初午」ってのは、お稲荷さんのお祭だ。二月の最初の午の日、っていう土地が多い。 暦の上じゃあ、一年365日、毎日が十二支のどれかの日ってことになってる。午の日の翌日は「ヒツジの日」、その次は「サルの日」「トリの日」「イヌの日」と続く。 365を12で割ると、5余る。つまり、毎年、日がずれていく。 今年は2月6日が初午だったから、十二支ひとめぐりして6+12=18日が二の午だ。 じゃあ、18+12=30日が三の午だ。 ところが、2月は28日までだから、今年は「三の午」っていう日はナシなんだと。 せっかく支度ができたのに〜〜 よし、だいぶ先だが、大晦日の夜、装束稲荷へ行って「王子・狐の行列」(※3)に参加しよう。 おかあたちヒトは、お面かぶったりキツネ・メイクしたりして狐に化けなきゃなんねいが、おらはスッピンでいける。 ※1 三太キツネ (138) 三太初午(はつうま) ※2 スミツカレと赤飯 (139) 三太二の午(にのうま) ※3 江戸時代、大晦日には、関東各地の狐が王子稲荷(東京都北区岸町)へ参詣したそうです。狐たちは田んぼの中の榎の木の下に集合して、装束(しょうぞく)を整えてから森の中の王子稲荷をめざして行列して行ったそうです。 21世紀には、ヒトが狐に化けて行列しています。 →「With Fox 江戸の石狐〜狐の行列」 / 「王子 狐の行列」 |
(139) 三太二の午(にのうま) | |||
おらのシッポを真っ直ぐにする方法―アイロンかけるか、添え木当てるか・・・おかあが実行しないうちに二の午になった。 ゴロー先輩のふるさと・茨城県西じゃあ、初午のご馳走は「赤飯とスミツカレ」だそうだ(※1)。 スミツカレは、初午の前日に作る、少し残したのをタネにして二の午前日に作ってもいい。茨城だけじゃねい、埼玉・群馬にかけての北関東の畑作地帯の郷土食だ。 名前も材料も「家ごとに味が違う」て言うくれい、いろいろだが、茨城県西じゃあ、大根とニンジンを「鬼おろし」ってえでっかい竹製のおろしでガリガリおろして、節分に撒いた大豆と酒粕・鮭の頭・油揚げと一緒に煮て醤油を加えるのが基本だ。 大量に釜で煮込んで初めてあの味が出る、とか言って、おかあ、自分じゃ作らねい、スーパーで売ってる商品も買わねい。 「七軒のスミツカレを食べると中症(ちゅうしょう=中風)にならない」って、って聞いたのをいいことに、おかあ、毎年、食べ歩きしてる。ゴロー先輩の仲良し・Sオネエサンと一緒によばれに行ったこともある(※2)。 おかあ、二の午にゃ、古河市の知り合いのうちでスミツカレよばれるつもりだ。七軒とは言わねいが、年にいっぺんは食いたくなるんだと。 おらにお土産は? おかあ「スミツカレには、酒粕が入ってるからね、アルコールは君にはまだ早い。孫ブルの盟友(※3)はいい年だけど、らりって大恥を世界中にさらしたでしょ、『酒の上だから』とか『薬のせい』とかのいいいわけは国際的には通用しないからね。」 おら、立派な成犬だぞ。 おかあ、都合わるくなると、子ども扱いして・・・ ※1 『三和町史 民俗編』(茨城県猿島郡三和町(現古河市)、2001年。)第3章いきる・くらす 第八節 食べる。P。379、380
※2 ゴローちゃんファンクラブ, 10.ゴローの食生活改善 ※3 2009.2.14、中川昭一財務・金融相はローマでの主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)後の記者会見の際、眠気をこらえた様子でろれつが回らず、ちぐはぐなやりとりを繰り返した。その「もうろう会見」の映像は世界に流れた。 「眠気こらえて? 中川財務相、かみ合わない記者会見(2/15)」 「米ABC、中川氏に「目覚ましにはエスプレッソもある」(2/16)」 麻生首相は「盟友」をかばい続けたが、野党ばかりか与党内からも辞任を求められ、中川氏は2.17財務・金融相を辞任した。 「首相憔悴 盟友・中川氏辞任で涙目(20:38)」 一番上にもどる |
(138) 三太初午(はつうま) | |
おかあ、台所のテーブルに油揚げを山積みした。豆腐を薄く切って油で揚げたもんだ、「アブラゲ」とも「オアゲ」とも言う。 オアゲを袋に開いて、稲荷ずし(=オイナリサン)作るんだ。初午の日のご馳走、お稲荷さん(=稲荷神社)のお使い姫として働いているキツネたちにプレゼントするんだと。 テーブルの足元を見て 「あれ? 催促に来たの?」 お座りしてるおらが、キツネに見えたんだ、って。 おらの耳は小ぶりだが、キツネにもいろいろあるから、間違われてもおかしくねい。ゴロー先輩のでかい耳(※)ならバッチリだが。 おかあ「君のしっぽが真っ直ぐなら、鳥居の下に座ってれば目の前にオアゲと稲荷ずしの山ができること、請け合いだね」 おかあ、手を動かしながら、おらの巻き尾を真っ直ぐにする方法考え始めた。初午は過ぎても、二の午までにゃ12日間あるから、って。 山積みしたオアゲと格闘すること30分、開いた袋を大鍋で煮始めた。 おかあの味付けは若い頃から薄味だ、「上品なのよ」。 調味料ケチってるだけじゃねいのか? 袋にすし飯を詰める。できあがった稲荷ずしを大皿に山盛りにしておいて、おかあ、出かけた。 行った先で出された「男の料理」は、公民館の料理教室のじいちゃん達が作った稲荷ずしだ、おかあのより甘味だった。 おかあ、おらをお稲荷さんに行かせることばっかり考えてて、稲荷ずしの味見はさせてくれなかった。味つける前の袋のできそこないを、くれただけだ。 やっぱり、ケチだ。 ※ むらき家の先代犬・ゴローの大きな耳は ゴローちゃんファンクラブ のトップページ、または (65) 三太「ふたり合わせてパピ五郎」(その1)むらき家のお雛さま でご覧ください。 一番上にもどる |
(137) 三太ママボーイ | |
今朝、おかあを起こしに行った。 寒くなって、おかあが、朝寝坊するからだ。 寒くなったって、おらの腹時計にウインター・タイムはねい。 ドアの前で、「キュン、キュン」って声かける。黙って異性の部屋へ入るような無作法はしねい。声かけるの忘れるときもあるけど。 部屋へ入ると、ベッドの横に脇腹をゴシゴシこすりつける。 おかあが布団から出した手をなめる。 やっと起き上がったおかあの膝に両手かけて伸び上がる、おかあに首のうしろから背中や脇腹をポリポリ掻いてもらう。 掻き方が気に入らねいと、おら、「瞬間湯沸かし器」なって噛み付く。 おかあ、いっつも、おらの牙との距離を測ってる。 ゴロー先輩は、おかあに牙を剥くことはなかった(※1)。 ソファーの上で仰向けなって、おかあの膝枕でお腹掻いてもらってご機嫌だった。 おとうがうっかり、おかあの椅子に座ると、立ち退くまで抗議し続けた。 おかあとべたべた相互依存の、ママボーイだった。 おらたち柴犬は、「愛想がない」って言われる。 おらも、べたべたした関係は好きじゃねい。 おら、いっつも、適度の距離を測ってる。 ※1ゴローちゃんファンクラブ 22.反抗期(?), 58.ゴローのお仕事 綴り方編 一番上にもどる |
(136) 三太瞬間湯沸かし器(3) | |
やっちまった。 掃除器だの、包丁だのいじってる間、「外にいなさい」って、庭の鎖につながれてた。 やっと、おかあが出てきて、鎖をはずそうとしたとき、手がもつれて、おらの逆鱗に触れた。 ガブッ! 以来、おかあ、左手に包帯して手袋はめてるもんで、あらゆることがままならない。落ち込みっぱなしだ。 丘の上のオバサンにぼやく、 「まったく、このトンデモ犬が・・・」 「三太、駄目でしょ、おかーさん噛んだりしちゃ」 って、お説教しながら、オバサン、ほんとにこの可愛い三太が噛むの? って疑ってる。 鉛筆で手書きするより早い、ってだけが自慢のキータッチも駄目だって。 本日、ここまで。 一番上にもどる |
(135) 三太瞬間湯沸かし器(2) | |
ハカセさんから、やっと「返信」がきた― 実に申し訳ない。期限までにお返事をさしあげませんでしたが、まげて、今年もどうぞよろしくお願いいたします。 権力者たちは、以前よりずっと、武力を行使しても構わないという姿勢に転じ、現実的にも、狂気に満ちた武力弾圧をしたり、その準備をしている、9条のあって無きがごとき状況をどうするか、 年をとると瞬間湯沸かし器状態。毎日、湯気をたてて怒っています。 おかあ、若い頃は、ヒトって年とれば、丸くなって穏やかになるんだろうと思ってた。 誰かの文章で、70になった母親が「年とったことが、腹が立ってしかたがない」って言ってる、ってのを読んだことがある。 おかあ、このごろ、ヒトは年とると気が短く怒りっぽくなるんだ、ってわかってきた。 年とともに穏やかになってきたおらと正反対だ。 赤ん坊だった「チッコイの」をお守りしてたゴロー先輩(※)の好々爺ぶりにゃ遠く及ばねいが。 ※「むらき数子の情報ふぁいる」「ゴローちゃんファンクラブ」76.忍耐の日々 一番上にもどる |
(134) 三太瞬間湯沸かし器 | |
猫のウメちゃんのオカーサンから― 情報ファイルの継続受信を希望します。 三太君の様子も知りたいですからね〜。 「サンタかサタンか」と言われていた頃に比べると、ずいぶんと大人になった様ですが、オトーさんの言う「瞬間湯沸かし器」は健在なんですね。 おかあ「ほんとにお湯沸かしてくれると、光熱費が助かるんだけど」 一番上にもどる |
(133) 三太トンデモ犬 | |||
ねずみ年も残りわずかだって、おかあ、『トンデモネズミ大活躍』(※1)読み始めた。 ところはイギリス、青一色で後ろ足はカンガルー、耳はウサギ耳、しっぽのないトンデモネズミが生まれた― メールがきた 横浜のN.M.おばさん 「声を大きくして言いますね。特に三太との日々の風景が断然面白い。 ともかく笑ってしまいます。 それからちょっとそんな関係うらやましいなーー。」 おかあ、「ほんとは、トンデモ犬なんですよ」ってこぼしてる。 とんでもない! おらにゃ立派なシッポがある。純正柴犬の巻き尾だ、背骨の真上に厳正中立、きっちりと巻き上げてる。 おとうと野川べり散歩したとき、でっかい亀に遭遇した(※2)。おら、初めてで、緊張してるうちに、シッポの巻きが少し緩んだ。ふだん、シッポが載ってるあたりの背中の毛が、直径5センチぐれへこんでるの、この写真(※3)で分かるかな? おかあいわく「三太のシッポのお皿」。
トンデモネズミは、トンデモネコと決闘するためにマン島へ渡った。 「ようこそおいでくだすった!」って、もてなしてくれたトンデモネコにはシッポがない、尾なしだ。(※4) マン島にゃ、トンデモドリもいる、これはシッポのないメンドリだ。 そっか、マン島ってえのは、シッポのない「尾なし」の島なんだ。マン(=ヒト)にもシッポがない。 ヒトはシッポがないのを隠すために服を着てるんだな。 ※1 『トンデモネズミ大活躍』ポール・ギャリコ作、矢川澄子訳、岩波書店、1970第1刷、1991第12刷、表紙 ※2 「三太、野川で亀に遭遇」 ※3 「三太、シッポの巻きが緩み、「シッポのお皿」が現れる」 ※4 「トンデモネズミとトンデモネコ夫婦」(『トンデモネズミ大活躍』p.277)
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(132) 三太サンタクロース | |
埼玉県の川口さんから―
「身近でも不況の嵐が吹き荒れています。 親戚の町工場も先月からパッタリ注文がなくなりました。川口はどこも大変のようです。 もうすぐクリスマス、サンタに来てもらいたい気分です。 また、ゆっくりお話したいですね。」 おらでよければ、今すぐ、毎日でも、川口さんちへ行きてい。 一番上にもどる |
(131) 三太スリリングな時間 | |
おら、パソコン見たくて、おかあの膝に手をかけて覗き込む。 おかあ、「メール来たら、ちゃんと見せてあげるから、ここに座ってなさい」 おらのタタミ(=座布団※)をもってきて、自分の椅子の足元に置いた。 おら、唸った、おらのだぞ。 「だいじょうぶ、取りゃしない、って。お座り」 なだめられて、おら、タタミに乗って丸くなった。 でも、ほんとに取らねいか? 寝てるふりしながら、おかあの一挙手一投足にピリピリしてる。 おかあのつま先が動いた、おら、反射的に牙剥いて唸る。 「鼻ひんまげて。ハンサム台無しだよ。」 言いながら、おかあ、噛まれるんじゃねいかって、内心ビクビクしてる。 小一時間、椅子の上と下とで、牽制しあってた。 どうやら、取る気はねいようだ。 おら、伸びをして、テーブルの下の定位置に行ってくつろぐ。 立ち上がった、おかあ「いやあ、スリリングな時間でした」 ※ (112) 三太タタミ替え タタミ=今年の誕生日にプレゼントされた座布団。 一番上にもどる |
(130) 三太人気投票 | |
おかあ、一日の大半、パソコンの前座ってる。資料がちっとも整理できない、溜まる一方だってイライラ、イライラ。 おら、伸び上がって、おかあの右手に手かけてパソコンを覗き込む。 おかあ「邪魔しないで! うるさい!」 おとう「三太だって、メール見たいんだよ。気にしてるのさ」 おら、そわそわ、そわそわ。 「返信」が少なかったら、おら、「情報ファイル」からおろされちまう。 メールが来た 調布の平和おばさん― 「ワンちゃんが大好きな私は三太物語を楽しみに読んでいます。 三太君元気で愉快なニュースを沢山産み出してね。」 横浜のI.N.さん― 「三太君の人気は抜群だと思いますよ。」 東京の行政書士さんから― 「三太さん断固支持。」 親馬鹿おかあ、にこにこ。 おらの首もつながったかな。 一番上にもどる |
(129) 三太支持率 | |
孫ブルの支持率、よくわかんねい。 調査した新聞社とか放送局とかによってかなり違う。 おかあ、「『情報ファイル』を読み続けたい人は、返信してください」って書いた。 「「読まない人は『無用』と返信してください」って書いても、全然開かない人は、それも読まないでしょ」 そりゃそうだ。 「情報ファイル」はおらが乗っ取った(※)、おらのもんだ。 つまり、おらへの人気投票だ。 返信が少なかったらショックだ。 おかあと二人、世をはかなんじまう。 読者の皆さん、よろしく頼みます。 ※(5)三太 ジェンダーフリー 「おら、おかあの常識をぶっこわして、「情報ファイル」を乗っ取る。」 一番上にもどる |
(128) 三太 種(たね)、種、種 | |
「ご飯よー」 呼ばれるまでもねい、おら、食卓の前で正座してる。 おらの食卓は玄関のあがりかまち、たたきで「お座り」をしてると、行儀いいって褒められる。 食器見たおかあ、「あれ、残したの?」 かぼちゃの種だ。おら、種まで食う気ねい。 ゴロー先輩も、一人っ子時代にゃ種は残した。パピー姐御と二人っ子だったときゃ、一瞬でも早く食べ終えようと種も残さなかったそうだが。(※1) おら、はなから一人っ子だ、種は食わねい。 食後の散歩。 久しぶりにインコが2羽、電線に止まってる。(※2) おら、インコが食ってるとこ見たことねい、何食ってるんだろ? 丘の上のオバサン「うちの隣の畑のヒマワリ、花が終って種が実ったら、インコが来て、花がらに5,6羽もぶらさがるようにして、種を食べてたわよ」 おかあ「ヒマワリの種、ヒトが食べる文化もあるね。日本じゃあんまり食べないけど」 二人がしゃべりながらポリポリ食ってる、【柿の種】なら、おらも食いてい。 ※1 (56) 三太きょうだい愛 13年前、むらき家には「パピー」と「ゴロー」という2匹の犬がいました。 (66) 三太「ふたり合わせてパピ五郎」(その2)テーブルマナー ※2 ワカケホンセイインコ 、(96) 三太食物連鎖 (103) 三太危機管理 一番上にもどる |
(127) 三太庭仕事 | |
菊の季節だ。 おかあ、毎朝、おらとの散歩から帰るなり、庭いじり。 穴掘ったり、落ち葉入れたり、苗ポットから移植したり・・・ 植物の成長が、去年よか1週間早いみていだ、って、あせってる。 おらも、おかあの作業の監督に忙しい。 一区切りついて時計見ると、1時間のつもりが2時間半たってる。 おらの昼飯の時間だ。 おかあ、庭で一日のエネルギー使い果たしちまう。 図書館から、返却期限が過ぎた、って、催促がきた。 本は、読むもんだ、積んどくもんじゃねいぞ。 一番上にもどる |
(126) 三太魔女修行その9 | |
おらと市立図書館行く用意してるとこへ、大学の先生から【指導】が来た― 「子ども室の本ばかり読んでないで、大人の本も読みなさい」 おかあ「三太おいて出かけるの、心配だから・・・」 おらのせいにすんな、って。 おああ、ぐずぐず言いながら大学図書館へ行った。 【魔女】ってえ件名で探したら、何百件とある、目エ回ったおかあ、カウンターの「ハカセ」さんに相談しに行った。 「ハカセ」さんは超ベテラン司書のお姉さんだ。大っきな眼鏡とスリムな姿、ウン十年前、初めて会ったときから「本籍は『ひょうたん島(※1)』に違いない」って、おかあもおとうも思ってきた。 「ハカセ」さんが分厚い本を何冊も持ち出してきたの見て、おかあ、小さい声で言った 「なるべく、字が大きくって、薄い本がいいんですけど・・・」 「昔も怠け学生だったけど、相変わらずね」 「目が疲れて、読むのしんどいんです」 「『リカちゃん人形(※2)』も、トシってことか」 おら、びっくり。 おかあが、『リカちゃん人形』だって? 「ハカセ」さん、昔っから、ちゃんと見えてたのか? ※1「ひょっこりひょうたん島」のハカセは、男の子です。 → http://www.nhk-character.com/chara/hyotan/zinbutu.html ※2「リカちゃん」は1967年誕生の人形です。 → http://licca.takaratomy.co.jp/profile/index.html 一番上にもどる |
(125) 三太魔女修行その8 | |
『あたしもすっごい魔女になるんだ!』(※1)。このフランスの女の子のママはすっごい魔女だ。 「まほうは あぶないの、おあそびじゃ ありません。こどもは こどもの あそびを していなさい。」 「いやだ! あたし まほう つかいたい。」 って反抗してる・・・。 日本の宮崎アニメ『魔女の宅急便』のキキも、テレビの『魔女っ子メグちゃん』も、アメリカのテレビ『奥様は魔女』 のサマンサも、魔女の娘だ。(※2)。 魔女になれるのは、魔女の子だけなのか? 魔女の子は魔女にならなきゃなんねいのか? 『魔女図鑑−魔女になるための11のレッスン−』や『新魔女図鑑』見てもわかんねい(※3)。 イギリスのハリー・ポッター(※4)も魔法族の子で、赤ん坊のときから、プリンス扱いされてる。 血筋で決まってるのか? 日本じゃ、『天皇伝説』ってえ映画(※5)が、血筋をうんぬんしてるってんで、上映するな、って、黒いクルマ大好き犬が吼えまくってる。 でも、ホグワーツ魔法学校で学んでも魔法力がない、ってえ魔法族の子もいる。最優等生のハーマイオニーは、魔法族じゃねい、「マグル」だ。 だいたい、ハリーの伯母さん=ハリーの母親の姉さんは「マグル」だ、魔法族じゃねい。ってえことは、ハリーの母親が突然変異で魔法族になっちまったんだ。 おかあ、「血筋じゃないんだ! 目指せ『西の魔女』!」 ※1ミッシェル・ヴァン・ゼブラン作、金原瑞人訳『あたしもすっごい魔女になるんだ!』小峰書店、2004年。 ※2『魔女の宅急便』 . 『魔女っ子メグちゃん』 . 『奥様は魔女』 ※3 マルカム・バード作・絵 岡部史訳『魔女図鑑−魔女になるための11のレッスン−』金の星社、1992年。 角野栄子著 下田智美絵『新魔女図鑑』ブロンズ新社、2000年。 ※4 ハリー・ポッター 第1巻は、『ハリー・ポッターと賢者の石』J.K.ローリング作 松岡佑子訳、静山社、1999−2008年。 ※5 渡辺文樹監督「天皇伝説 一番上にもどる |
(124) 三太ブルブル | |
永田町でボスが交代した。 こんだのボスのジイチャンは「ブルドッグ」だった。 じゃあ、こんだのは「プチ・ブル」か? いや、華麗なる閨閥と大資産を誇るブル一族を「プチブル」なんて言ったら、ほんとのプチブルが迷惑する。「孫ブル」って呼ぶのがいいかも。 孫ブル、9月29日の所信表明演説(※1)で、 「わたくし麻生太郎、この度、国権の最高機関による指名、かしこくも、御名御璽をいただき、第九二代内閣総理大臣に就任いたしました。」 って言った。 孫ブルにゃ、天皇絶対の旧憲法と、国民主権の現憲法の区別がねいんだ。 旧憲法の華族たちとおんなじで、孫ブルは、「国」ってのは「自分たち支配者のモノ」って思ってんだ。 だから有権者に向かって「下々の皆さん」って言うし、戦死者の慰霊は国がやるべきだ(※2)、って言う。「国(=支配者のモノ)」を守るために死んでくれてありがとう、恨まないでね、ってわけだ。 靖国神社ってとこにゃ、「軍犬慰霊像」もある(※3)。「りりしいシェパードの軍犬」だと。 おらたち柴犬は、皮革用に供出(※4)か? ブルブル〜 ※1首相官邸ホームページ「第170回国会における麻生内閣総理大臣所信表明演説」 ※2「靖国に弥栄(いやさか)あれ」(麻生太郎公式サイト) ※3靖国神社「境内のご案内」 ※4 1944年末、特攻出撃・空襲の日常化という敗色濃厚な中、国は毛皮を取るために犬を献納あるいは供出させた。 →(9)三太 マイホーム主義(第215号 2005.12.1)、(24) 三太鎮魂譜(第230号 2006.3.19) 一番上にもどる |
(123) 三太魔女修行その7 | |
フランスの11歳の女の子、ヴェルトのお話『魔女になんかなりたくない!』(※1)。 魔女修行させたがるママに、ヴェルトは、「ぜったいに魔女になりたくない」って、反抗してる。 おかあ「せっかく、魔女になれるのに、もったいない!」って、ため息つきながら、読んでる。 「もったいない」「もったいない」って、繰り返してるおかあ、「もったいないオバケ」(※2)に似てきたぞ。 「もったいないオバケ」は、ののちゃんちに時々現れるバアチャンだ。魔女の変種かも知んねい。 ※1 『魔女になんかなりたくない!』M.デプルシャン作、末松氷海子訳、津尾美智子画、文研出版、2002 (フランス、1996『VERTE』) ※2 「ののちゃん」は、いしいひさいち作、『朝日新聞』連載中の四こま漫画。 「ののちゃん」に「もったいないオバケ」が登場 - あっ! - Yahoo!ブログ 一番上にもどる |
(122) 三太魔女修行その6 | |
◎バアチャン(西の魔女)と孫(東の魔女)の真ん中にいるオレンジさんから― 私のこの夏の思い出。 「西の魔女が死んだ」の映画を素敵な恵比寿の映画館で見てきました。 昨年、梨木果歩「西の魔女が死んだ」(新潮文庫)を読みました。 じんわり暖かいのもがたくさん伝わってきて泣いちゃいました。 ルドルフ・シュタイナーの「いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか」という本があるのですが、その心得をわかりやすく説いたような本だなぁと感じました。 一番上にもどる |
(121) 三太現地視察 | |
先週の土曜日はたいへんだった。 市長さんが来る、ってんで、うちの前、たっくさんの人が集まってきた。 カブト虫の木のおばさんが来た。杉並の猫オバサンが来た、多摩の魔女さんも来た・・・子ども連れのママもいる、90歳くれいのおじいさんもいる・・・どんどん増えてきた、S先生が来ててもわかんねい。 おかあ、あわてて、おらをうちん中へしまいこんだ。犬肉好きのS先生(※1)に見つかんねいように、って。 みーんなが市長さんと一緒に「若葉の森」を見て歩いてるあいだ、おら、留守番させられてた。 「若葉の森を壊さないで」って、小学生たちが若葉小の校歌歌ったり、クワガタつかまえてきてプレゼントしたりしたんだと。 おらだって、市長さんにアピールしたかったのに。 あとで、おかあが、写真(※2)見せてくれた。 「調布3・4・10号線 計画見直しを」ってボード持ったヒトがいっぱいだ。 まるで、市長さんも一緒にデモやってるみていだ。 おらもデモやりたかった。 ※ 1 (36) 三太韓国旅行 ?異文化交流 ※ 2 2008.9.6調布市長の「道路計画の現地」視察の写真は http://pzd.atso-net.jp/road_issues/でもご覧ください。 一番上にもどる |
9.7掲載新聞『朝日』『東京』 ★わかばの森出発点の地図 ★「国分寺崖線の緑を守り、調布3・4・10号線を考える会」ニュース4号 |
東部公民館学習室での、「協議」。発言する街づくり推進課・湊課長 |
?-0-2 市長が実篤記念館横でクルマを降りて入間川の洪水と道路計画の不安を訴える声を、
聞いています。 |
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?-3 視察の終点・若葉町3丁目第3緑地の入り口で、市長に署名簿を手渡す岡本すみえさん。
署名簿は、第二次分として5,785筆。
5月21日の第一次分とあわせて、総数13,766筆(うち有効署名数 13,422筆)
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?-6 若葉小学校の校庭で、市長を囲む。背景は左手は若葉図書館・若葉の森。
調布駅南口・グリーンホール前に「調布市緑と公園課」が掲げている看板
『調布市緑の保全基金』に載せてある写真が、この若葉小学校屋上から撮影した若葉の森です。 参考:「調布市緑と公園課」が掲げている看板 → こちら
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?-7-5 若葉小正門を出て、若葉図書館・下屋敷坂へ向かう。
「調布3・4・10号線 計画見直しを!」のボードを掲げる人びとの中の市長。
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?-4 若葉町3丁目第1緑地、
毎日の通学路の下屋敷坂わき「若葉の森」で、市長に訴える若葉小の子どもたち。 |
?−3 若葉町3丁目、道路計画によって立ち退き対象にされる現場
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?−4 視察の終点・若葉町3丁目第3緑地入り口で、あいさつする市長。 このあと、解散を告げようとした瞬間に、スピーカーの電池がなくなりました。 |
(120) 三太魔女修行その5 | |
おかあ、千葉県のKさんに久しぶりに会った。小学校の校長先生だ。やたら、ニコニコしてると思ったら、この春定年退職したんだと。 それだけじゃねい、「孫が生まれたんだよ」って、胸ポケットに手をやった。 「お孫さんの写真、見せて」って言ってもらいたくってうずうずしてる新米ジイチャンだ。 おかあ「退職して、毎日、どう過ごしてるの?」 Kさん「毎日、魔女になる本読んでるよ」って、『魔法鍵師カルナの冒険』シリーズ(※)を出して見せた。 そっか、ジイチャンも魔女修行に励んでるのか。 おかあ、あせって、近くの図書館へ探しに行った。 けど、カルナのシリーズは所蔵してねい、って、断られちまった。 魔女への道は遠そうだ。 ※月見草平『魔法鍵師カルナの冒険』シリーズ、MF文庫J、2005年〜 一番上にもどる |
(119) 三太魔女修行その4 | |
おかあ、こんだ、『だれも知らない小さな国』(※1)てえ本、読み始めた。 20年だか30年だか前に読んだきりで、すっかり忘れてる、たしか、コロ ボックルってえ身長3センチくれいの小人たちのお話だ。 コロボックルにゃ魔法の力があったのかな・・・ 日本のどこか、海に近いところ。田んぼが埋め立てられて宅地化が進む、コロボックルが住む小山「鬼門山」は、道路計画でつぶされる、って。 まるで、おらんとこの「若葉の森」(※2)のお話だ、っておかあ、ドキドキしながら読む。 小山の周辺の人間は、小山をつぶして道路にするの、仕方ないと思ってる。 コロボックルに味方する人間はたった一人、いや、二人だけ・・・ おかあ、魔女修行そっちのけで、コロボックルに会いたがってる。 ※ 1 佐藤さとる『だれも知らない小さな国』初めての出版は1959、講談社。 ※ 2 国分寺崖線のうち、調布市若葉町あたりの樹林を破壊する道路計画が進められている。 (102) 三太かぶと虫の危機 一番上にもどる |
(118) 三太魔女修行その3 | |
多摩の魔女さんに「おらを海へ連れて行って!」って、弟子入り志願のメール送った。 海から帰ってきた多摩の魔女さん、日焼けした背中をカリカリ掻きながら 「三太くん、ほんとに海へ行きたい? 海は広いし、魚も泳いでいるよ。 んじゃあ、海には来年ぜひ一緒に行こう。 今年はもう海はくらげだらけでダメだ。7月末でもすでにいた。今年は1ヶ月早いとのこと。やっぱり温暖化のせいでしょう。」 入門の手土産に、日焼け止めクリームなんか、どうだろう? 買ってきてもらおうと思ったんだが、おかあ、上の空だ。 権海孝(グォン・ヘヒョ※1)ってえ、韓国男優にのぼせてる。『冬のソナタ』でキム次長(※2)、『私の名前はキム・サムスン』じゃシェフ・イ料理長(※2)を演じてた、渋〜い、いい男だ。声もいいって。 8月10日の「平和の灯を!ヤスクニの闇へキャンドル行動〜ヤスクニ・戦争・貧困」って集会行ったら、予告にゃなかった権海孝さんが登場して歌った。 おかあ、ドサクサに握手してきた、んだと。 多摩の魔女さん「おかあさんって、けっこうミーハーなんだね。」 おかあの魔女修行は見込あるんだろか? ※1 「合祀取り下げを求めて!〜靖国キャンドル行動に750人」(レイバーネット日本) 上から2枚目の写真:右が権海孝(グォン・ヘヒョ)、左は孫炳輝(ソン・ビョンフィ)。 二人とも、2008米国産牛肉反対キャンドル集会に参加した韓国の代表的な「386世代」。 ※1−1 「386世代(サムバルユクセデ」とは、『なるほど!これが韓国か 名言・流行語・造語で知る現代史』(李泳采・韓興鉄、朝日新聞社、2006.6、p。67)によれば― 「99年ころにできた言葉であり、当時30代で、80年代に学生運動に参加した、60年代に生まれた人たちの世代を指す言葉だ。光州民衆抗争を経験し、全斗煥政権と盧泰愚政権に厳しい姿勢で戦闘的な民主主義闘争を展開した世代である。運動の指導部の多くが、その後、国会などの政界に進出したため、その政治性が強いことが特徴といえるだろう。」 ※2「冬のソナタ」キム次長 ※3「私の名前はキムサムスン」イ料理長 一番上にもどる |
(117) 三太魔女修行その2 | |
おかあ、『ハリー・ポッター』やっと、2巻目を読み終えた。 ホグワーツ魔法学校卒業まで、あと何年かかるだろ? 手っ取り早く、教わろうと、自称「多摩の魔女」さんの門を叩いた。 留守だ。 「多摩の魔女」さん、孫たちと海水浴行ってんだと。 魔女も、夏休みなんだ。 おら、水遊び大好きだ。川にジャブジャブ入ってく。 海はまだ、おかあが連れてってくんねい。 おら、「多摩の魔女」さんに弟子入りして、海水浴のお供してい。 一番上にもどる |
(116) 三太魔女修行 | |
門のとこで、おかあ、ご近所のHおばさんと立ち話してる。 Hおばさんに孫娘が生まれたんだと。 Hおばさん、このところ忙しくて、娘を手伝ってやれない、って嘆いてる。 おかあ、先輩バアチャンぶって言う 「バアチャンの出番はまだまだ先にありますよ。目指せ、【西の魔女】(※1)!」 おかあ、図書館で『ハリー・ポッター』シリーズ(※2)借りてきて、夜も寝ないで読み始めた。第7巻まで読めば、魔女になれるだろう、って。 ホグワーツ魔法学校が養成する魔女と、【西の魔女】は違うんじゃねいのか? ※1 『西の魔女が死んだ』梨木香歩著、楡出版、1994。2008年夏、映画公開。 ※2 第1巻は、『ハリー・ポッターと賢者の石』J.K.ローリング作 松岡佑子訳、静山社、1999。最終の第7巻日本語版が2008年7月23日発売された。 一番上にもどる |
(115) 三太暑中見舞 | |
暑中お見舞い申し上げます。 みんな、テレビで「若葉の森」(※1)、見てくれたかな? おらんちのすぐそばの、鉄砲坂がきれいに写ってた。「さくら」そっくりのパンダ猫(※2)に遭遇した「若衆犬一件」の現場だ。 おかあがおらと一緒に毎日、落ち葉(※3)をさらってる緑地も写ってた。 え? おらが写ってなかったって? デイレクターさんが、おらの肖像権に、過剰な配慮してくれたんだ。 おかあが出演料ふっかけたわけじゃねい。 ところで、「後期高齢者医療被保険者証」(※4)を受け取った章子おばさん、いっとき、体調良くねいって、仕事も休んでたが、みごとに復活した。 今や立派に意地悪ばあさんだ。 おかあ、この暑さでへばってる。予定表を見る気力もなくって、「多摩のかぐや姫さん」のお話の会の日を間違えちまった。 ほんとに、暑さのせい、だけか? アニマル・セラピスト(※5)のおらがちょっと目ぇ離すと、これだ。「意地悪ばあさん候補生」落第だぞ。 ※1 2008.7.14日本テレビ「ニュース リアルタイム」(第330号 2008.7.13) ※2 (108) 三太若衆犬 (第324号 2008.5.13) ※3 (102) 三太かぶと虫の危機 (第318号 2008.3.17) ※4 「あの世行きの片道切符?」後期高齢者医療被保険者証が来た!(第330号 2008.7.13) ※5 三太のお仕事は「毎日トラブル起こしては、おかあとおとうのボケ防止に努めてる、アニマルセラピスト」です。 (3)三太のお仕事… 一番上にもどる |
(114) 三太空撮 | |
「若葉の森」がテレビで映るんだと! こないだ、ヘリコプターが旋回してた、森を映してたんだ。 おらも、映ってるかも。ベイビー親分はどうかな。 みんな、見てくれ! 一番上にもどる |
(113) 三太誕生日の犬 | |
おかあ、『紫色のドラゴン』(※1)ってお話読んだ― 「誕生日のプリンセス」が、「誕生日のドラゴン」の「誕生日のプリンセス」にされる。 プリンセスと恋人と象の活躍で、「誕生日のドラゴン」は「誕生日のプリンセス」の「誕生日のドラゴン」にされて、めでたしめでたし。 読者の皆さん、わかったかな? もう一度書いてみる― 「その日に誕生日を迎えるプリンセス」が、「同じその日に誕生日を迎えるドラゴン」への「誕生日のプレゼント『誕生日のプリンセス』」として生贄(いけにえ)にされる。 プリンセスと恋人と象の活躍で、「その日に誕生日を迎えるドラゴン」は「同じその日に誕生日を迎えるプリンセス」への「誕生日のプレゼント『誕生日のドラゴン』」にされて、めでたしめでたし。 ヨーロッパでは、「ドラゴンにつかまったプリンセスを、そだちのいいプリンスが助けにいき、プリンスはドラゴンを殺す、というのがふつうの筋書き」なんだと。 ドラゴンはなんのために、プリンセスをつかまえるのか? 「最後のドラゴン」はプリンセスなんかいらねい、って言ってるのに、ヒトが殺しに来る― おら、「誕生日のタタミ」(※2)を貰った「誕生日の犬」だ。 おかあ、実は、おらのこと、6月生まれのおとうへのプレゼント「誕生日の犬」だと思ってる。 ああ、ややこしい・・・ ※1 「紫色のドラゴン」「最後のドラゴン」は、イーディネス・ネズビット、八木田宜子訳『ドラゴンがいっぱい!』(講談社青い鳥文庫、1997年)の7話のうちのお話です。 参考:「猫じゃらし」15.安兵衛、カムバ〜ック!! 長野晃子『日本人はなぜいつも「申し訳ない」と思うのか』草思社、2003年、p.187-209 ※2 「誕生日のタタミ」と「誕生日の犬・三太」 (112) 三太タタミ替え 一番上にもどる |
(112) 三太タタミ替え | |
おかあ、おらがこのうちに来た6月を「三太の誕生日」と決めてる、「誕生日の犬」だ。 「誕生日のプレゼント」って言いながら、おかあ、新しい座蒲団くれた。イチジョーマンのタタミだ(※1)。 おらのお気に入りの茶色のタタミ(=座蒲団)が、もうボロボロだ、って。 おら、タタミは、坐るだけじゃねい、枕にもするし、歯固めにもする。端っこ齧ってみたら、白い綿が覗いた、引っ張り出すのもいい。 おかあ、毎日、おらのタタミをテーブルの下の定位置に置く。 おら、毎日、気分に合わせて、タタミを置き直す。綿も引っ張り出して坐り心地を良くする。 おら、毎晩、玄関のボックスの敷物も、たたきの真ん中に引っ張り出して敷きなおして寝床を整える。 おらにゃおらの美意識がある。 ※1 三太イチジョーマンのタタミ。初めはカーペット・タイル((80) 三太探検隊)でしたが、リビングで過ごすときのタタミは、茶色の座蒲団とコーンの円座((94) 三太福の神)。 最近、NHKテレビの幼児番組「おかあさんといっしょ」のイチジョウマンのタタミを作ったという畳屋さんに出会って、びっくりしました。
「誕生日のタタミ」と「誕生日の犬・三太」 一番上にもどる |
(111) 三太漆黒の影 | |
猫の「こまる」くん(※1)、日本に里帰りしてるんだ。 「こまる」くんの、おっかちゃんのおふくろさんからの手紙― むらき三太さま 三太くんがいるとカラスが庭に来ないなんてやっぱり犬はえらいんだね。 うちなんてモモがいてもカラスは平気だったし、でかいこまるがいてもそれは同じ。 それどころか、この間カラスが変な声出しているのでのぞいてみたら、こまるが藤の樹の下に小さくなっていて、カラスがフェンスから身を乗り出してこまるを脅していました。でもただ脅すだけじゃすまないという話をききました。動物園で、毛足の長い動物が、カラスに毛をむしられるという被害にあっているんだって。巣の材料にするらしいです。 こまるのふさふさした尻尾を狙われないようにという忠告を受けました。 カラスってすごいね。 * * * * * * * * こまるくんの尻尾の無事を祈りつつ、散歩に出た。 若葉の森への曲がり角で、遭遇! 漆黒の影! カラスじゃねい、黒ラブラドルのベイビーさんだ! 若衆犬一件(※2)以来、おかあが恋焦がれてた意中の犬だ。親分って呼び名にふさわしい、貫禄。 うさこオバサンはおらのこと、「イラストの顔とまったく同じ顔をした柴犬君が小さい身体で堂々、ベイビーに挨拶していました。ウーッってか。」 って書いてくれた(※3)。 昼間でよかった。暗いときだったら、全身真っ黒のベイビーさんと衝突してた。 うさこオバサンは、ベイビーさんに蹴つまずいたりしねんだろか? イギリスのラブラドル・レトリバー・ディドさんは真っ黒じゃねい、チョコレート色だ(※4)。それでも、暗いとこじゃ見えねい、忍者だ。 飼い主のチャップと奥さんが薄暗がりで何度かディドさんに蹴つまずいてから、幅広の黄色い首輪をプレゼントした。はっきりした目印にって。 チャップの仕事は諜報関係ってえから忍者みていなもんだ。でも、自分の犬が忍者だと困るんだと。 ヒトってほんとに勝手だ。 ※ 1.「こまる」はおふくろさんと先輩猫の「モモ」を“困ら”せて王子様になったあげく、ガーナのおっかちゃんの元に行きました。最近、里帰りして、おふくろさんと暮らしています。 「猫じゃらし(その2)16〜22「おいら、こまる」、こまるのシッポの写真は→ 19.おいら、こまる ?ももこおばさんの逆鱗に触れる ※2(108) 三太若衆犬で会えなかった黒ラブのベイビー ※3 想風亭日記 2008.6.9 「緑と水のサイクル」 ※4 ディドは三太が尊敬している「もっぱら頭脳労働を任とする知識犬」です。 (20) 三太お仕事・その2 『犬のディドより人間の皆様へ』チャップマン・ピンチャー〔著〕 中村凪子訳、草思社、1994 一番上にもどる |