猫のウメちゃんのオカーサンから―

  紙芝居、あれで終り? 物足りない、安兵衛もっと活躍して欲しいのに。
  原作は? 何ていう本?


紙芝居『実録・安兵衛物語』、むらきの実見を時代劇に仕立てた、創作です。


 最近読んだ本(※)に、世界の民話研究者・長野晃子さん(東洋大学教授)が、「竜退治」という国際的民話を紹介していました。つまみ食いすると―

竜(=怪物・敵)を退治して王女と王国を手に入れる主人公の一人勝ちのストーリー。ハリウッドの英雄もの映画も、ギャング組織とか、独裁的権力とか、イデオロギーを異にする集団とか、他の惑星から襲ってくる敵とか、エイリアンのような不気味な生物など、多様な敵を次々に作り出しているが、ほぼこのストーリーである。

日本の民話にも、「竜退治」話型に分類される話として、「猿神退治」がある。毎年、娘を人身御供に要求する猿神(=怪物。ヒヒや大蛇の場合もある)を、旅人が猛犬の援助で退治する。お話は退治したところか、旅人が“またいずこへともなく旅立っていく”ことで終る。講談に出てくる岩見重太郎もこの旅人の一例である。

 “欧米人は、英雄譚とは、英雄が悪と戦って勝利し、最後に幸せな結婚で終るハッピー・エンディングなお話でなければ納得しない。”だから、「猿神退治」は“欧米人にはおよそ納得のいかない語り方の話であろう。欧米型英雄譚に慣れ親しんでいる日本人にも、あまりにも英雄的でない英雄に首をかしげるむきもあろうかと思う。”


 なーるほど、旅人・安兵衛は日本的英雄の典型だったんですね。

安兵衛の後日談、どなたか、語り継いでくれませんか? 水飴、あげるから。


※長野晃子『日本人はなぜいつも「申し訳ない」と思うのか』草思社、2003年、p.187-209




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「安兵衛、カッコ良すぎる」という声あり。

でもねえ、32年前に目撃した実話なんです。自分の目で見なきゃ私も信じられない、ホントの事実です。

あー、あんなカッコイイ場面、もう一度見たい!!

1914(大正3)年4月、茨城県の農村では、ペスト・発疹チフス流行への予防心得として、猫を飼うことを奨励しました(※1)。猫は、穀物や蚕を襲い伝染病を撒き散らす害獣・ネズミを駆除するための実用的な家畜だったのですね。

1939年から1943年、ドイツ軍占領下のワルシャワ。猫たちが課されたのは、ゲシュタポの犬をひきつけるオトリ役(※2)。
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1989年の『ねこのおしごと』という絵本(※3)で、なまけネコ<ぶうたれネコ>が採用されたお仕事とは・・・

数日前のこと、近所の道で、年配女性が、通りすがりの猫に向って
「猫なんだから、鼠捕まえなきゃダメだよ」
とお説教してました。

ヒトが与えた役割がどう変わろうと、猫は猫。

役に立とうが立つまいが、生きてることに価値がある、慎太郎サンにはわかんねーだろーが。




※1「八俣村県是実行組合総会協議案」大木洋士家文書E-35
※2 作カレン・ヘス、絵ウェンディ・ワトソン、訳菊池京子『クラシンスキ広場のねこ』柏艪社、2005.8.15

クラシンスキ広場のねこ

※3作者・筒井敬介、画家・渡辺三郎『ぶうたれねこ?ねこのおしごと』理論社、1989年。

ぶうたれねこねこのおしごと





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○横浜の猫派さんから─

いつも貴重な情報を沢山有難う御座います。とても役立ってます。
特に教科書採択の件、横浜もいよいよ9日と12日委員会があり傍聴に行くところです。要望書を送ったりしていますが、どう転ぶか全く油断できません。

いろいろご活躍かと思いますが、余り詰めずにやって下さい。お願いします。

紙芝居はすっかりお気に入りになりました。個性豊かな登場人物(?)、愛情たっぷりの人々の交わりは、国会も世界情勢も不快指数上がりっぱなしの今、贅沢な上質エンターテインメントです。

ともかく面白い。






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※『血煙高田の馬場』 (短縮版)http://www.infoasia.co.jp/subdir/matsuda/c_pages/c_e_4j.html



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○猫のウメちゃんのオカーサンから―

猫の爪きりの話は当時私も驚きました(「太陽政策―愛猫家に波紋!」第86号 2003.5.26)が、今では家でも当たり前に切ってやってます。

時々肉球を押さえて爪を出してみると爪垢が溜まっているのですよ。だから、やすりも使うのですよ。つめとぎがおっくうみたいで、やらないからでしょうか?




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○「豊島」さんから―

暑くなりました。お元気で!
ハルは頑固ですが、可愛いです。


また、次回のお楽しみ。

※かぐや姫に求婚した五人の男は、姫に宝物を求められると、偽物を作らせて差し出そうとしたり、女を得るために他の女を利用する、というろくでなしばっかり。

参考:★『竹取物語』への招待★



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「実録・安兵衛物語」、続きをお楽しみに〜


※ポーラ文化研究所『モダン化粧史 粧いの80年』1986年、p.26

  明治三十九年、美顔術の営業を開始した理容館では、磨爪術も行なっていた。・・・美容書でも同じ頃に、「美爪術」「爪磨術」「美手法」「磨爪術」「飾爪術」などと訳して紹介された。・・・
   明治以前は、爪の手入れといえば、切りそろえて、紅やホウセンカの花びらとかたばみの汁で爪を染める「爪紅(つまべに)」が行なわれていたが、この西洋式のマニキュアが入ってくると、流行に敏感な人たちは、爪を光らせる方法を選んだ。




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近況
「愛情深さに自信のない飼い主」さんから―

おかげ様で傷はとうにふさがって、今は毛が伸びるのを待つだけ…ですが、続いてもう一匹が怪我(>_<)

しかし、こちらはたいしたことなく、順調に回復しています^_^;


   *   *   *   *   *   *   *   *


うちの庭は、近所の猫たちの、水呑場、トイレとして、毎日にぎわってます。
爪とぎ場としても大いに活用されてます、とっつかまえて爪切ってやろうと思ってるのですが、まだ1匹もつかまえるに至ってません。


紙芝居「実録・安兵衛物語」は、来週のお楽しみ。




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紙芝居「実録・安兵衛物語」口上
カチ カチ カチ(=拍子木の音)

紙芝居がはじまるよ〜。

さあさあ、ネズミを捕らなかった猫・フテと安兵衛の物語。2年前、「ネズミは『福の神』」(第90号 2003.6.18)で約束したお話だよ。

カチ カチ カチ。

ほらほら、押さないで、押さないで。並んで飴買って。ただ見はダメだよ、あっちイ行きな。
え? どうして飴買わなきゃいけないのか、って? 幼稚園でも図書館でもただなのに、って?
ったく、近頃の餓鬼はなーんも知んねえんだナ。
これは紙芝居屋さんの営業なんだ。お前の親父だって、わざわざ金払ってビデオ屋で借りてるだろうが。
飴はペロペロ・キャンデーじゃねえ、水飴だ。買ってすぐ舐めちゃうんじゃない、2本の割り箸を両手に持って、水飴をこねこねする(☆)。うまく真っ白にできた子には、おまけにもう1本水飴くれることもあるんだから、みんな一生懸命こねこねするもんだ。

なに? そんなの不潔だと? 不衛生だから紙芝居の飴だのソース煎餅だの、買い食いしちゃいけない、ってママが言った、って?
先週、フリーマーケットだとかで、地べたに坐って綿飴舐めてたの、お前のママじゃなかったか?

けど、今日は紙芝居の絵も飴も間に合わないから、ただ読みしていいや。特別だぞ。
友達も連れてきな。
紙芝居の絵、描いてくれた子には、水飴ひとびん、ドーンとくれてやる!!

カチ、カチ、カチ。



☆黒井千次(1932年生まれ・東京育ち)は「祖母の記憶 薬飴」(『新値段の明治・大正・昭和風俗史』朝日新聞社、1990、p.43)に、―

  「紙芝居のオジサンから水飴を買い、二本の短い棒の先についた透明な飴をこね合わせるうちに白濁して来るのを知ったのは、もう少し大きくなってからである。」




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メラメラ
「猫じゃらし」に嬉しい反響。フテと安兵衛の物語は後回しにして、ご紹介します。

Roseさんから―

ウメちゃん、楽しみです。(犬派ではあるけれど)



「愛情深さに自信のない飼い主」さんから―

こんにちは。「猫じゃらし」いいですね。

ウンチクを少し書かせて頂くと…猫じゃらしはエノコログサ、犬コロ草の転訛の由、なかなか含みのある命名かと<`〜´>…秋の紅葉が好きです。

うちの猫、2匹のうち、先日1匹が怪我(>_<)。愛情深い飼い主ならあわてて病院に連れて行くほどの傷だったのですが、本人(猫)の治癒力に任せました。
まだ傷はふさがってないけど元気になりました…飼い主として無責任じゃない?のご意見には(-_-;)…

2匹兄弟ですが、住いが狭いせいか、よく喧嘩します(一昨年母猫が家出しました)。で怪我している方にはどうしても手が偏るから、もう一匹が嫉妬?_(_^_)_して、結構気を使います。
やはり猫も嫉妬したりすねたりするのか、そこら辺の記録・読み物など、どなたかご存知でしょうか?


   *   *   *   *   *   *   *   *   *


石坂啓さんが、5匹いる猫たちの中で、特別激しく嫉妬する宙太郎のこと書いてましたね。

“他の猫がわれ関せずなのに対し、宙太郎はちょうど、二、三歳の幼児みたいな行動をとるようになった。・・・乳をやってると、メラメラという宙太郎の視線を背中に感じたこともあった。”
(石坂啓『赤ちゃんが来た』朝日新聞社、1993年、p.31)



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めでたし めでたし
−猫のウメちゃんのオカーサンから

4月には下の子のお産のために、3週間ほど孫姫を預かってましたから、大変でした。
前にも書きましたが(第169号 2004.12.6「ひどーい!」)この孫姫は、動物が大嫌い、けど、私もウメちゃんを捨てられないし。

ウメにとっては迷惑かも、2階に引きこもるかもと心配してました。ところが、いざ親抜きでお泊りということになったら、全く心配ご無用でした。

猫嫌いかと思っていた孫姫は「ウメちゃん」と猫なで声でウメに声を掛け、餌をやり、頭をなでたりしてました。ウメの遠吠えも一時中断してました。気に入らないとかんしゃくを起す孫姫にも「ウメちゃんに言う時みたいに優しく話して」と言わすほど、良い関係が出来たと思います。

ウメちゃんの「年の功」によるものでしょうか。

第3回からは、愛猫界を震撼させた、猫の爪切り「太陽政策」(第85号2003.5.20〜第90号 2003.6.18)でお約束した、フテと安兵衛の物語を始めます。お楽しみに♪




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子犬がきました
   ゴロー・ファンクラブ・豊島さんから

昨年5月にジュニアを亡くして・・・しばらくは犬との生活は考えられなかったのですが、近所を散歩している姿をみて、また飼いたいと思うようになりました。

4月16日に、2月20日生まれのメスの柴犬がやってきました。おとなしくてよい子で
す。春に来たので「ハル」と名づけましたが、たまに「ジュニア」と言ってしまいます。

私が帰宅すると、小さな尻尾を振って、跳ねるようにまつわりついてきます。嬉しいですね!

可愛くて・・・親ばかで写真を携帯の画面に入れて歩いてます。

お元気で!

添付されてきた写真のハルちゃん、かわいいなア・・・

ジュニアちゃんも、きっと、オカーサンが前向きになったのを喜んでいるでしょう。

昨夏、ゴローが手術を受けてから、「いつか来る日」を意識しながら「居る、今」を大事にしてきました。1月下旬から3週間の介護期間に、私自身が、当惑・怒り・諦め・受容という段階を経ていたようです。いなくなって数日、皆さんから寄せられる追悼文を読むごとに涙して、確実に癒されたのですね。「後悔の苦しみ」はなくて済んでいます。

今、元気だったころの、私に甘えている写真なんか見ると、鼻にツンと来たりしますが、“懐かしい日々”です。

ゴローのお蔭で、夫婦だけの暮らしに犬がいることがどんなにすばらしいことか、を
実感する日々だったので、いつかまた犬がいるといいな、と思っています。




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