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「1947年―『あたらしい憲法のはなし』が出た頃 続篇」連載にあたって

2002.10.19 むらき数子


「1947年―『あたらしい憲法のはなし』が出た頃 続篇」連載を始めます。

今年初め、6回にわたって小園優子さんの「1947年―『あたらしい憲法のはなし』が出た頃」を連載しました。
その後、小園さんに続編執筆を依頼しました。

むらきが茨城県立図書館蔵のマイクロフィルムから『茨城新聞』のコピーを採ってきたものを二人で読み、小園さんが草稿を書く。
二人で読んで多少ディスカッションしては小園さんが推敲し、むらきが補注を書く、という形の共同作業をすすめてきました。憲法の「新しさ」を鮮烈に記憶している小園さんと、ものごころついたときには憲法が「在った」むらきとの組合せです。

対象とした敗戦直後の時期は、婦人参政権・民法改正・公娼廃止・農地改革・六三制という制度上の大変革があり、占領下の引き揚げ・未亡人・ベビーブームと、「女性史」のテーマも集中しています。これらの課題は、決して過去の「歴史」ではなく、2002年現在の女性の状況に直結しているのですが、本稿では、「憲法・天皇・教育」に関心を絞りました。

 ようやく、できあがった原稿の連載を始めます。新聞記事の引用が多いので硬くて読みにくいとは思いますが、どうかご愛読ください。

たまーに、「読んでるヨ」とメールくだされば嬉しいです。

 取材に応じ文中にお名前をあげさせていただいた方々、資料探しなどにご協力くださった、新井フサさん、大村哲夫さん、奥田暁子さん、加納実紀代さん、潮地ルミさん、藤嶋みずえさん、藤田紀子さん、に、感謝申上げます。

この間、憲法に関する本として、
?ジョン・ダワー『敗北を抱きしめて 上・下』岩波書店、2001年
が昨2001年発売以来ベストセラーとなっています。今年に入って発行されたものに、
?ジェームス三木『憲法はまだか』角川書店、2002年
? 田中伸尚『ドキュメント憲法を獲得する人びと』岩波書店、2002年
?大塚英志編・監修『私たちが書く憲法前文』角川書店、2002年などがあります。
小園さん同様に、『あたらしい憲法のはなし』の授業を受けた世代のものに、
?米田佐代子『子どものとき憲法に出会った―新制中学一期生の戦後体験』かもがわブックレット、1997年
?井上ひさし・樋口陽一『「日本国憲法」を読み直す』講談社、1994年といったものもあります。

憲法に関してさまざまなアプローチがある中で、私たちは、次のような試みをしました。
 『銃後史ノート』同人として、共にまなんできた二人の共通性を活かして、『茨城新聞』を資料として、その時点で何がどう報道されたのか、を検討する。それは、懐古趣味や“研究のための研究”ではなく、2002年現在の世界をどう見るか、どう生きるかを知るために行う作業である。

『茨城新聞』の紙面に即した検討は、前篇を執筆した小園が行い、補注・補論をむらきが行う。

 以下、文中では、西暦を用い、人物の敬称はすべて略させていただく。
Web連載という形なので、注☆はその回ごとの文末に付ける。紙の本であれば、
第一部 小園優子  「茨城新聞に見る『憲法・天皇・教育』」
第二部 むらき数子 「1945〜47年の茨城新聞を読む」
という構成にしてページをひっくり返しながら読んでもらうところだが、web連載なので、小園の連載の間に、随時むらきの文が入る、という形で進める。

 連載のタイトルを「'45〜'47年茨城新聞」と略称する。

------小園優子・むらき数子著「'45〜'47年茨城新聞」-------


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